茨木市・没後50年企画展で知る川端康成の執筆エピソード。挿絵もステキ!
1968年に、日本人で初めてノーベル文学賞を受賞した作家・川端康成は、大阪府茨木市の名誉市民。
川端康成文学館では特別企画が開催されています。
例年は、誕生日(6月14日)に合わせての開催。
亡くなって50年となる今年は、その命日(4月16日)のころから企画展が始まりました。
先日、企画展「古都をかける川端康成」へ行ってきました。
今回は、作品やできごとに関連したエピソードが紹介されているところが、オモシロイと感じました。
「昔のすごい人」に親しみを感じたり、共感できる部分に出会える展示です。
特別企画展「古都をかける川端康成」
川端康成は「伊豆の踊子」「雪国」「古都」など、多くの作品で親しまれています。
特別企画展のテーマにもなっている小説「古都」は、国内はもちろん海外でも人気。実はその執筆はかなり大変なものだったようです。
小磯良平の挿絵の原画も
「古都」は、1061年(昭和36年)10月8日から翌年1月23日まで、朝日新聞に連載されています。
通常の展示でもその様子は紹介されていました。
今回の特別企画展では、洋画家・小磯良平による当時の挿絵と一緒に見られることも特徴です。
どの話の回で、どの挿絵が掲載されたのかがわかり、挿絵の説明を見ているようなおもしろさもありました。
原稿の進み具合によって挿絵の順番に変更があった、といったエピソードも、実際の様子がわかるように展示されています。
編集の仕事をする人には「あー、わかるわかる!」な話かもしれません。
「古都」に懸けた川端の思い
小説「古都」では、京都の奥深い北山杉の風景が描かれていて、印象的。この特別企画展については、案内チラシにこう紹介されていました。
京都で川端康成が過ごしてきた日々やできごとが、どのように執筆へ繋がっていったのかも、展示でわかるようになっています。
背景を知ると、もう一度本を読みなおしたくなりました。
茨木で過ごした川端康成
川端康成は幼いころに両親を亡くし、茨木市の祖父母の家で育つのですが、祖母が亡くなったあとは、目の不自由な祖父の世話をしながら暮らします。
(中学時代に祖父も亡くなり、その体験は短編小説になっています)
川端作品でもよく、孤独を抱えている人物が登場しています。多感なころのできごとが影響しているのかもしれません。
それらが茨木市にいたころの経験だと考えると、いつもの景色も少し違って見えるような気がしてきました。
特別企画展は、通常の展示ブースも含めてわかりやすくて面白い内容です。
感染対策のため一部の展示は、視聴や体験ができなくなっていますが、書斎のみ撮影が可能でした。
係の方に声をかけると、扉を開けてくださいますよ。
(他はすべて撮影禁止です!)
文学講座もあります!
案内チラシを見ると、期間中は文学講座(前期)「古都をかける川端康成」が予定されています。※2022年4月25日編集
【令和4年度 川端康成文学館 第36回文学講座】
会場:川端康成文学館併設 青少年センター3階
(定員各30人・受講料各700円)
■4月24日(日)
小磯良平の挿絵原画「古都」の魅力-朝日新聞連載挿絵をめぐって
■5月15日(日)
川端康成と舟橋聖一 -書簡から探る文豪模様
■5月22日(日)
『古都』-高度経済成長のなかのノスタルジア
☆申し込み方法など詳細は<茨木市立川端康成文学館 案内チラシPDF>でご確認ください。
大型連休に「お出かけしたいけど、遠くまで行くのもなぁ…」と思ったら、お散歩がてら訪れてみるのもイイと思いますよ!
【茨木市立川端康成文学館】
■所在地: 大阪府茨木市上中条二丁目11-25
【川端康成文学館Map】へ
■時間 9:00〜17:00
■休館 火曜、祝日の翌日
4月30日と5月6日は休館日です。
■入館無料
■駐車場(最初の30分のみ無料)あります。
<「古都をかける川端康成」展>
■会期 4月15日(金)〜5月29日(日)
☆茨木じゃる子の記事(2021年9月6日公開)もよかったら♪
【散歩におすすめしたい、映画のロケ地2ヶ所-元茨木川緑地】
<茨木ジャーナル関連記事>もぜひぜひ!
■2018年の展示は、すごかったんです!!
【川端康成文学館、ハンパない!ノーベル賞のメダル、展示してるもん!】
(2018年8月11日公開)
■川端康成にちなんだ「古都」ランチ企画も。
【映画「葬式の名人」企画ランチ!9/19は、茨木市役所へGo(今日やんか!)】
(2019年9月19日公開)
■【川端康成生誕記念の特別ランチ、大人気!-茨木スカイレストラン-】
(2017年6月15日公開)