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散歩におすすめしたい、映画のロケ地2ヶ所-元茨木川緑地

茨木じゃるこ北摂・ド・ローカルメディア茨木ジャーナル編集人(茨木市)

茨木市にゆかりのある有名人として名前を挙げられる一人が、小説「伊豆の踊子」や「雪国」などで親しまれている作家・川端康成。

幼児期から旧制中学校卒業のころまで大阪府茨木市の祖父母の家で暮らし、文学への志を深めたと言われています。

(1985年に開館した川端康成文学館)
(1985年に開館した川端康成文学館)

茨木市民が川端文学に親しむ拠点「茨木市立川端康成文学館」では、関連する企画展が毎年開催され、茨木市内外から多くのファンが訪れています。

川端作品をモチーフにした映画ロケ

2018年に市制施行70周年を迎えた茨木市。

記念プロジェクトに、川端康成の名作をモチーフにした映画「葬式の名人」(2019年全国公開)が企画され、オール茨木ロケで撮影されました。

ロケ地に選ばれたのは、 地元の人たちが「茨木らしさ」を感じる場所や川端康成にも関連する場所。
そのため、今でもロケ地巡りを楽しむことができるんです。

今回は、いくつかある撮影スポットのうち、散歩にもおすすめの2ヶ所を紹介します。

映画「葬式の名人」って?

「葬式の名人」は、息子と二人で暮らす主人公のもとに、高校時代の同級生の訃報が届くところから始まるお話。

卒業から10年の時を経て集まる同級生らが、母校でお通夜をしようと、親友の眠る棺を担いで市内を歩きます。その「フシギなお通夜」の様子を描いた青春ファンタジーが「葬式の名人」です。

【映画「葬式の名人」公式サイト】ページへ。(外部サイトへジャンプします)

今回紹介するのは、川端康成が執筆した「師の棺を肩に」をモチーフにしたと思われるシーンの撮影スポット。

街のまんなかを南北に走る「元茨木川緑地」と呼ばれる緑地帯で、四季折々の自然の風景を楽しむこともできます。

(元茨木川緑地)
(元茨木川緑地)

「元茨木川緑地」はその名のとおり、昔は川が流れていたところ。

茨木市のホームページで見ると、

元茨木川緑地は、昭和24年に廃川となった、全長5キロメートルの元茨木川をグリーンベルトとして整備したもので

とあり、現在はジョギングやウォーキング、散歩など、市民に親しまれています。
【茨木市HP「元茨木川緑地」ページ】より

映画ロケスポット(1):元茨木元茨木川緑地川緑地(アート作品そば)

(アート作品の向かい側に、ロケ地であることを案内する看板が)
(アート作品の向かい側に、ロケ地であることを案内する看板が)

一つ目に紹介するのは、元茨木川緑地のアート作品がある場所。 道路を挟んで東側に、大阪府立茨木高等学校があります。

同級生らが、亡くなった親友の眠る棺を担いで母校へ向かうシーンのうち、途中で棺を置いて休憩する場面が、ここで撮影されました。

実は、ここに設置されているのは、茨木市にゆかりのある彫刻家のアート作品(写真左)。

作品が見つめる先に、茨木市民が「いばこう」と親しみを持って呼ぶ茨木高校。

その茨木高校こそ、川端康成が通った「旧制茨木中学校」であり、映画のロケも行われていた場所なんですよ。

映画ロケスポット(2):元茨木川緑地(茨木神社西側)

(ロケ地には撮影シーンの紹介もされています)
(ロケ地には撮影シーンの紹介もされています)

棺を担いだ同級生たちが通る印象的なシーンは、同じ元茨木川緑地の茨木神社沿いでも撮影されました。
(1)で紹介した場所から約600メートル北にあります。

(茨木神社の西側にあるスロープをあがっていきます)
(茨木神社の西側にあるスロープをあがっていきます)

元茨木川緑地と茨木神社(茨木市元町4−3)の間の小さなスロープをあがると、

(茨木神社の西側の小さな道もロケスポット)
(茨木神社の西側の小さな道もロケスポット)

ロケ地の案内看板が設置されていました。茨木神社の西側です。

(元茨木川緑地を左に見ながら歩いていきます)
(元茨木川緑地を左に見ながら歩いていきます)

左側の元茨木川緑地は、行き交う人や自転車も多い道。

少し高い場所にあるこの道は、幅も広くないため、ゆっくりぼんやり歩くのにピッタリ。
撮影が、茨木の何気ない風景のなかで行われていたことが、わかります。

このエリアは、ロケ地巡りをしながらの散歩におすすめ。このまま少し北へ歩いてみましょう。

(舗装されていないので車いすやベビーカー利用の際はご注意を)
(舗装されていないので車いすやベビーカー利用の際はご注意を)

でこぼこした道を歩いていると、どことなく懐かしさも感じます。

やがて、道の先に公園が見えてきました。

(児童遊園に上がるには段があります)
(児童遊園に上がるには段があります)

近所の人が休憩したり、子ども遊ぶべる「六軒町橋児童遊園」に到着。児童遊園に沿って、さらに元茨木川緑地を北へ歩いてみましょう。

川端通りと元茨木川緑地

(六軒町橋児童遊園のそばに「寺の上の樋跡」)
(六軒町橋児童遊園のそばに「寺の上の樋跡」)

六軒町橋児童遊園の北側には、大きな桜の木。春にはここで写真を撮る人も多く訪れます。
元茨木川緑地は、桜の名所としても親しまれているんです。

「寺の上の樋跡」という石の碑があったり、

(茨木税務署近くに「六軒町橋跡」の碑)
(茨木税務署近くに「六軒町橋跡」の碑)

少し先には「六軒町橋跡」の碑。 元茨木川緑地あたりが昔は川だったと想像できます。

六軒町橋跡の向こうに見えるのは、茨木税務署。
税務署の前の道、元茨木川緑地に並んで南北に走っているのが、川端通りです。

(元茨木川緑地と川端通りは、緑も豊かです)
(元茨木川緑地と川端通りは、緑も豊かです)

川端通りをさらに北へ進むと、最初に紹介した「川端康成文学館」に到着です。

いかがでしょうか。
今回紹介した2つの撮影スポットは、歩いて約8分。
そこから川端康成文学館までは、さらに8分ほど(約650メートル)。
舗装されていないところも多いのですが、ちょっとしたお散歩におすすめです。

元茨木川緑地と川端通りは、散歩やジョギングなどでも利用しやすい場所。
何気ない風景を楽しむことができますよ!

<この記事で紹介した場所>
■茨木市立川端康成文学館 
 (茨木市上中条2-11-25)
茨木市立川端康成文学館Map
・入館料 無料
・駐車場(有料)25台分。バスでの来館は事前に問い合わせを。
・開館時間 9:00~17:00
・休館:火曜日、祝日の翌日、12月28日~翌年1月4日
※展示替え、資料整理などで臨時休館もあります。
事前に「開館カレンダー」でご確認いただくことを推奨します。
【開館カレンダー(茨木市立川端康成文学館)】
■茨木神社 
(茨木市元町4-3)
茨木神社Map
■元茨木川緑地
アート作品のあるエリアMap
(大まかにこのあたりです)
☆元茨木川緑地内は、徒歩や自転車のみ通行可能。
(近くに有料の駐車場があります)

<茨木ジャーナル関連記事>

川端康成文学館では、ユニークな切り口での企画展も開催されます。
下記は3年前に出かけたときのものですが、ご参考に。
■2018年8月
【川端康成文学館、ハンパない!ノーベル賞のメダル、展示してるもん!】
■2018年6月
【「川端康成と岡本太郎と万博と」企画展がおもしろい!】

北摂・ド・ローカルメディア茨木ジャーナル編集人(茨木市)

大阪府茨木市の超ローカルメディア「茨木ジャーナル」を2013年から運営。ふつうに暮らす市民の視点で、茨木市のグルメ・イベント・スポット・できごとを発信しています。カバンもカンバンもジバンもないまま「やったろかい」と勢いで走るクセあり。好きなことばは「人生ムダなし」と「いつも見てます」です。

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