昼食を食べる時間とお昼休みの時間と過ごし方…サラリーマンなどのお昼のお食事時間事情をさぐる
男女間では女性の方が長い昼食時間
朝から夕方までの就業時間中、唯一まとまった長さの休みが取れるのが昼食を食べる時間も含めたランチタイム。その名の通り昼食を食べるのはもちろんだが、ちょっとした休息を楽しむ、気分転換を図るなど、午前中までの働きの疲れをいやし、午後からの就業に備えて鋭気を養う時間でもある。そのランチタイム時間に、就業者達はどの位の時間を費やして食事をこなしているのだろうか。サラリーマンのこづかい事情を中心に活動様式を探る、新生銀行の定点観測的調査報告書「サラリーマンのお小遣い調査」(※)の最新版をもとに、その実情を確認する。
まずは昼食にかける平均時間。これは純粋に食事をする時間であり、昼食用として企業から用意されている、勤務日のお昼休憩の時間(ランチタイム、お昼休み)を意味しない。
男性は大体20分強。意外なことに年齢による差異がほとんど出ない。健康療法的意味合いから、歳を経るほどゆっくりと時間をかけて昼食を取るイメージはあるが、実態としてはそうでもない。
一方女性は男性と比べて8分ほど長く約30分。これは後述するように、女性が多分に昼食を単なる食物の摂取に留まらず、コミュニケーションの機会としての認識があり、その分長い時間が必要なのだと考えられる。また、食事そのものを味わいたいとの、グルメ志向も強いのだろう。実際、ランチタイムの時間区分のうち、50分超の回答を抽出すると、男性よりも女性の方が多く全体で3割前後を計上している。
他方、男性は50分以上の時間をかけている人は2割足らずで、50代でも2割程度でしかない。
ランチタイムの食事以外の過ごし方
ランチタイムの過ごし方について、食事(を兼ねたコミュニケーションも含む)そのもの以外の行動を、複数回答で尋ねたのが次のグラフ。男性年齢階層別は全層で上位項目が「インターネットの閲覧」「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」が占めており、順位も変わらず。行動様式の普遍化が見て取れる。
男女共もっとも多くの人が行っているのは「インターネットの閲覧」。男性は51.2%、女性は52.3%。使用機種は限定していないので、パソコン以外に携帯電話(スマートフォン含む)も多分に含まれるのだろう。お昼休みはスマホでネットにアクセスは、男女とも共通の過ごし方な次第。
違いが生じるのは第2位以降。まず男性に限ると「昼寝や休息」「仕事の続き・しながら」の順で続いている。歳を経ると「昼寝や休息」の回答率はおおよそ上昇を見せているが、これは歳と共に時間の割り切りもしっかりできるからかもしれない。
他方女性は男性の第2位・第3位項目を振り切る形で「同僚とのお喋り」「メール」が上位に付く(40代でかろうじて「昼寝や休息」が「メール」を上回る程度)。男性もこれらの行為に時間を割いてはいるが、優先順位は低い。女性はランチタイムを休み時間と割り切り、コミュニケーションに没頭しているのが分かる。ソーシャルメディアの利用をどの回答に充てたのかは回答者の判断次第だが、想定され得る選択肢「インターネットの閲覧」「メール(ダイレクトメールからの連想)」双方共高い値を示しており、いずれにせよ納得のいく動きではある。
食事そのものですら多分に同僚などと対話を楽しみ、それゆえに男性よりも長い時間となる。食事以外の時間も、昼食時間を他人とのコミュニケーションに没頭する。女性社員はある意味、世渡り上手で時間の切り盛り・割り切りに長けているとも表現できよう。
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※2017年サラリーマンのお小遣い調査
今調査は2017年4月7日から9日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2714人。男女正規就業者に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料で多分を占める会社員(正社員以外に契約・派遣社員も含む)は男性1252人・女性789人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数をもとにしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が43.6対56.4、女性は64.9対35.1。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。