51歳男性。若く見られて面食いな私。年上女性とお付き合いする気はありません~スナック大宮問答集69~
「スナック大宮」と称する読者交流宴会を東京、愛知、大阪などの各地を移動しながら毎月開催している。味わいのある飲食店を選び、毎回20人前後を迎えて和やかに飲み食いするだけの会だ。2011年の初秋から始めて開催150回を超えた。のべ3000人ほどと飲み交わしてきたことになる。
普段は既婚者歓迎で宴会をしているが、たまには独身限定にして結婚相手探しのお手伝いをしたい。独身専用コミュティ「シンパティ」を運営する村木さんと合同で婚活パーティーを開催した。男性24人・女性24人という中規模のパーティーだが、筆者の読者とシンパティのメンバー限定にしてほどよい一体感と安心感を保った。
参加者の一人と日を改めてオンラインで対話をした内容をお届けする。一緒におしゃべりする気持ちで読んでもらえたら幸いだ。
***アツシさん(仮名。独身、51歳)との対話***
婚活パーティーで「いいな」と思った5人の女性。誰とも連絡先交換ができませんでした
――アツシさんは優しそうな笑顔が印象的でした。東京にお住まいで、勤務先も首都圏ですか?
はい。専門学校を卒業してから営業の仕事をしていましたが、この10年間は化学メーカーの生産現場で働いています。
――結婚願望はいつ頃からありますか?
30代半ばぐらいからは本気で結婚したいと思うようになりました。自分の他は誰もいない一軒家に帰るのは寂しいからです。兄は結婚して一家を構えていますし、両親は他界しています。私は無駄に広い実家で暮らし続けており、このまま老後を迎えるのは不安です。
――今回のパーティーは、村木さんのアイディアで男女2対2のグループで会話して、男性ペアが移動することで異性とは全員と話せる仕組みでした。1対1で話す通常の婚活パーティーに比べると、1回の会話の時間が多くてゆっくりできたと思います。「いいな」と思った女性はいましたか?
はい。5人ぐらいはいました。
――いいですね! 最後のフリートークも大きく3つのグループに分けて男性が交代しました。24対24ではなくて8対8なので話しかけやすく、連絡先交換もできたと思います。
いえ。どなたとも連絡先交換はできませんでした。
――ええっ!? なぜですか。せっかくのチャンスなのにもったいない……。
話し始めた(けれど好みではない)人を振り切って他の場所に行くのは申し訳ない気がしたからです。他の人たちの会話に割って入ることも難しいと感じました。初対面の人と(恋愛や結婚前提で)連絡先を交換するのはハードルが高いので、徐々に仲良くなれるシンパティへの登録を検討しているところです。
女性は男性よりも精神年齢が高いと思うので、結婚相手はせめて自分と同い年がいいです
――アツシさんのように控えめな人は、婚活パーティーには向いていないのかもしれませんね……。
結婚相談所にも以前から登録しています。大手は会費が高いと感じたので、昨年末に個人経営の相談所に入り直しました。たまにお見合い申し込みをしてもらっています。先日は、海外在住の41歳の女性とオンラインでお見合いしました。私は好感触でしたが、相手からは断られてしまいました。
――断られた理由はカウンセラーさんから教えてもらえましたか?
いえ、ほとんど放置されています。自分からもお見合いを申し込まないともったいないとは言われていますが、申し込みたいと思う人は少なくて、申し込んでもほとんど断られてしまいます。
――どんな人ならば「会ってみたい」と思うのですか?
私は面食いなので、キレイな女性に惹かれます。年上の女性は厳しいですね。女性は男性よりも精神年齢が高いと思うので、せめて自分と同い年がいいです。この年齢なので子どもを作るのは無理だと思っています。
――なるほど……。アツシさんはご自分の長所はどんなところだと思いますか。見るからに優しそうですね。
そうですね。あまり怒りませんし、八つ当たりなどもしません。あとは若く見えるところでしょうか。
――若々しくて引き締まっていますね! 体を鍛えているのでしょうか。
以前は柔道をやっていました。今は柔道的な護身術を習っています。でも、結婚相談所のプロフィールには書いていません。格闘技や護身術は暴力的だと思われがちだからです。
――そんなことはないと思いますよ。健康や美容のためにボクシングやキックボクシングを習っているという女性も少なくないので、会話が盛り上がるきっかけになるはずです。今回のイベントではどなたとも連絡先を交換できずに残念でしたね。
ネット記事で知っている大宮さんと会うのも目的の一つだったので、大丈夫です。
――そうですか! 実際に僕と会ってどんなことを感じましたか?
そう言われても……。面白い感じの人だなとは思いました。
自己開示やコミュニケーションが苦手な人。相談相手の存在が必須です
以上がアツシさんとの対話だ。朗らかで話しかけやすい第一印象だったが、期待したほどには話が深まらなかった。筆者への警戒感があったのかもしれないし、自己開示やコミュニケーションが苦手なのかもしれない。
40年ほど前の日本では、アツシさんのような押しが弱めな男性でも結婚相手が見つけられた。51歳になる前に何らかのプレッシャーがかかり、収まるべきところに収まっただろう。それが幸せとは限らないが、今ごろは孫がいたかもしれない。
親絡みのお見合いも職場結婚も激減している現在、アツシさんが幸せな家庭を手に入れるにはどうすればいいのだろうか。シンパティのような独身コミュニティに参加するのもおすすめだが、いずれにせよ適切な相談相手は必須だと筆者は思う。
特に、願望と現実のすり合わせが重要だ。アツシさんは精神年齢の釣り合いを理由に年下女性との出会いを望んでいる。しかし、実際には男性と同じぐらい女性の精神年齢にはばらつきがあり、実年齢だけで相手を選んでいたら良き出会いを逃してしまいかねない。また、アツシさんはどう見ても頼りがいのあるタイプではないので、どちらかと言えば年上キャラの女性が合うと思う。
結婚相談所に登録しているのであれば、お見合いや仮交際が失敗した後にカウンセラーからこうしたフィードバックをもらうべきだ。体験を通して客観的に反省してこそ改善と成長ができるのだから。
結婚にも恋愛感情は必要なので、自分基準で「美しい」と感じる異性と一緒になりたい気持ちは大切にしていい。だからこそ、自分一人の狭い考えからは離れて、カウンセラーなどを活用して柔軟に行動・判断すべきではないだろうか。15年以上も婚活をしているアツシさん。次の婚活パーティーには「成婚者ボランティアスタッフ」として参加してほしい。