インターネット上のニュースにおける人気ジャンルをさぐる
・インターネットのニュースでよく読まれるのはスポーツ・芸能関連。次いで社会関連。
・男女別では政治関連や経済関連は男性、生活・健康関連は女性の方がよく読む。
・社会関連は30代から40代がピーク。政治関連や経済関連は20代までからはあまり読まれない。
インターネットのニュースを読む人は、どのような記事をよく読んでいるのだろうか。その閲読傾向を新聞通信調査会が2018年1月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に確認する。
今調査対象母集団では閲覧頻度を問わなければ7割強の人がインターネットでニュース(と回答者が認識しているコンテンツ)を閲覧している。
それではこれらの人達は、主にどのようなニュースに目を通しているのだろうか。「よく読む」と認識しているジャンルに複数回答で答えてもらったのが次のグラフ。回答しなかった項目をまったく読んでいないわけでは無いことに注意。
もっともよく読まれている記事はスポーツ・芸能関連。次いで社会関連。ここまでが5割超え。政治関連と生活・健康関連はほぼ横並び、そこから一段下がって経済関連、国際情勢関連、文化関連などが続く。
経年変化では一部をのぞきわずかだが増加している。インターネットのニュース読者が、少しずつ幅広い方面に目を向き始めているのだろうか。他方経済関連が漸減しているのは興味深い。
記事のジャンルを増減別に仕切り分けすると、利用者の増加とともにより注目されるジャンルはどれなのかが推測できる。インターネットのニュースで注目されたければスポーツ・芸能関連や社会関連が無難で、政治関連や生活・健康関連は今後の伸びが期待できるということになる。
直近年度分について属性別に確認したのが次のグラフ。
男女別ではスポーツ・芸能関連、社会関連に大きな差は無いが、政治関連、経済関連は男性、生活・健康関連は女性の方が閲覧率は高い。若年層から中堅層まではスポーツ・芸能関連で高い関心を持ち、政治関連や経済関連は30代以降で無いと閲読性向は低い。社会関連は30~40代がピーク。
これらの動きは大よそインターネット上で示される属性別の趣向、興味のあるコンテンツのジャンルの仕切り分けと一致しており、注目に値する結果ではある。とりわけ男女の方向性の違い、10代から20代の特異性は注目すべきではある。
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※メディアに関する世論調査
直近分となる第10回は2017年11月2日から11月21日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3169人。有効回答者の属性は男性1526人・女性1643人、18~19歳63人・20代274人・30代422人・40代567人・50代504人・60代601人・70代以上738人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。
(注)本文中の各グラフは特記事項の無い限り、記述されている資料を基に筆者が作成したものです。