高校生の94.2%はスマホでネット利用…小中高校生のインターネット利用端末はスマートフォンが一番
スマートフォンが一番、タブレット型端末が続く
子供達のライフスタイルを大きく変化させたインターネット。そのインターネットを利用する窓口となるデジタル機器は、どのようなものがよく使われているのだろうか。内閣府が2021年3月に報告書を発表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の内容を基に確認していく。
次に示すのは調査対象母集団における、該当機器でインターネットを利用している人の割合。回答者が「使っている」と判断する程度の利用状況が示された形となる。また該当機器を利用していても、それがインターネットと接続されていない状態であれば、回答には値しない。対インターネット利用者比率ではなく、対全体比であることに注意。例えばスマートフォンの67.1%はインターネット利用者のうち67.1%ではなく、調査対象母集団の67.1%を意味する。
全体ではスマートフォンによるインターネット利用がもっとも多く、67.1%。次いでタブレット型端末が36.3%、携帯ゲーム機が32.5%と続く。ノートパソコンは2割強でしかない。デスクトップパソコンに至っては8.0%で、据置型ゲーム機やインターネットテレビよりも低い値。
小中高校生すべてを合わせた平均であることから、いくぶん均されている感はあるものの、子供達の間でもすでに「インターネットの窓口はスマートフォン」状態となっている実態が分かる。デジタル端末の操作系でキーボード利用に難儀する一方、タッチパネルなどの使いこなしに慣れる事例が増えているのも、結局のところそれらの機器を使う主用途であるインターネットの利用の際に使うツールが、スマートフォンをメインとしているからに他ならない。普段使うもののスタイルを覚えて当然の話ではある。
学校種類別に見ると
これを小中高の学校種類別に区分した結果が次のグラフ。
小学生ではインターネットへの窓口はタブレット型端末が最も多く、次いでスマートフォンとなる。ところがすでに中学生の時点でスマートフォンが最高値を示すようになり、タブレット型端末、携帯ゲーム機が続く形に。ノートパソコンは小学生と比べて回答率は増えているが、それでもスマートフォンの急速な伸びにはかなわない。
そして高校生。圧倒的回答率でスマートフォンがトップにつく。高校生の9割強はスマートフォンでインターネットを利用している計算になる。ノートパソコンによるインターネットアクセスは24.4%、デスクトップパソコンは8.2%のみ。スマートフォンそのものの普及利用率にも多分に、そしてそれは保護者側の判断に左右されるところではあるが、小中高校生にとってスマートフォンはインターネット利用のための必須アイテム的な存在となりつつある。まさにスマートフォン無双な状態にある。
高校生に限ればインターネット利用のためのツールはスマートフォン9割台、タブレット型端末とノートパソコン、携帯ゲーム機、据置型ゲーム機が2割台、デスクトップパソコンは1割にも満たない。パソコンのみを単純に積み上げ試算しても3割とちょっと。授業などではキーボードを用いる機会は得られるだろうが、高校生自身はその多くがキーボードを使う端末を「インターネットを使っている」との認識対象とはしていない。
「若年層のキーボード離れ」がネットスラング的に語られているが、高校生の現状を見るに、あながち的外れではない感は否めない。
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※令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2020年11月5日から12月13日にかけて2020年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法も併用。保護者は訪問配布訪問回収法が原則)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法を併用している。有効回答数は青少年が3605人(うちウェブ経由は388人)、保護者は3633人(うちウェブ経由は421人、郵送回収法は180人)。
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