【川上村】川上大橋の絶景とJR小海線を眺めながら秋の「レタス街道」をゆく
先週末の穏やかな日和に誘われて、八ヶ岳の風景をカメラに収めたいと向かった現地・野辺山は「もや」がかかり午前中は一向に晴れる様子なし。困った私の目に入ったのが、東側の標高が低い川上村方向の晴れ間。川上村は山梨県須玉市~長野県小諸市間の主要道路である国道141号線から東にずれた位置にあり、JR小海線に乗った時に村を通過するぐらいしか通ることはありません。「これも何かの縁」と向かった先で、思わぬ綺麗な景色と出会えました。
川上大橋からの眺め
川上村に入り最初に出くわしたのが、川上大橋から東側の天狗山の方角を眺めた絶景。下に流れるのは西川で、流れは東に向かい千曲川と合流します。
橋は50mプールを縦にしたぐらいの高さがあり、下を流れる西川に沿ってカラマツの黄金色に色づいてとても綺麗でした。
このように、西側を見てもいつまでも姿が見えない八ヶ岳にこだわっていないで正解正解!
川上村のレタス栽培
川上大橋を渡って見つけたのがこちら。後部にレタス運搬用の籠をジョイントしたトラクター。
川上村はレタスの出荷量は日本一。昭和30年代、在日米軍の需要に応えて急速に拡大した冷涼な気候を活かしたレタス栽培。最初はJR小海線による出荷をしていましたが、今はトラック輸送が主流。村には「レタス街道」と呼ばれる道があり、今回は偶然の出会いから興味をそそられたこの道を中心に村を巡ります。
川上大橋から約1kmでレタス街道とのT字路の交差点。周辺には農協関連の集荷場があり、この時期は農閑期で問題ありませんが出荷最盛期なら道端でのんびり撮影などしていられないでしょう。ここを右へ曲がります。
写っているのは交差点から200m程のJR小海線川上森山踏切。この踏切の1km東側から次の野辺山駅を過ぎ、清里駅間にあるJR最高地点まで小海線の左右にレタス畑が広がります。
昔は「野菜臨」という臨時便をSL機関車が専用の貨車を引き、レタスを運んでいたそうです。
今では「レタス街道」を出発点とするトラック輸送に役割が移り、小海線は旅客輸送のみとなりました。今日のニュースで、長野県内のJR東日本路線で前年度の赤字額が13億5000万円と報じられた小海線の小海駅~小淵沢駅区間。令和の時代のレタスに代わる収入増をもたらすものは何になるんでしょうか。
それでは川上森山踏切に別れを告げ、「レタス街道」を晴れ間が広がってきた東の方角へ向かいましょう。
レタス街道を東へ
途中、大型トラクターがものすごく大きな荷台を牽引しているのにビックリ。これで公道走っちゃうんですね。
驚いて足を止めたトラクターを過ぎてみると、木々の間に虹がかかっていました。この日のラッキーワードは、「明るい方向」のようです。
天狗山を目指す
こちらはJA埋原集荷所付近から見た千曲川源流近くの天狗山方面。山肌が色づき綺麗なのと雲間から青空が広がってきたので、もっと近くで眺めましょう。
レタス街道をさらに東へ。もやがゆっくりと晴れていく南の山腹の様子が綺麗でした。森の手前のレタス畑が終わったその下のあたりに小海線の線路が走り、乗車していれば色づいた木々をより間近に眺めることができます。車には車の、鉄道には鉄道の良さがあるといったところでしょうか。
街道はまっすぐ進むのですが、それだと目標としていた天狗山から離れてしまう。眺めの良さを期待して、ここで秩父方面へ右折します。
藤塚稲荷神社鳥居近くの三叉路に着きました。眺めも開け青空も広がり、紅葉を愛でるには最高です。
写真正面の尖った山が標高1882mの天狗山。眺望が良く、車で行ける馬越峠登山口から山頂へは所要時間1時間ほど。下から見上げても美しい岩山ですが、いつか山頂から紅葉の広がりを目にしたいと思いました。
こうして晴れ間に導かれて綺麗な景色を眺められた幸運なドライブルートを、皆さんも是非たどってみてください。もしかしたら八ヶ岳も姿を見せて、さらに素晴らしい景色が望めるかもしれません。
【位置情報】
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