日立も参入。値引きできない「指定価格販売」が家電業界のトレンドに
家電を購入するときの醍醐味だと思う人も多い価格交渉。
値引き交渉する人は年齢層の高い人に多く、40~50代の男性は特に値引き交渉してくるイメージです。
しかし、最近の若い人は値引きの概念がなかったり、値引き交渉で徐々に安くするより、最初から安くしろという人が多いようです。
そんな中、数年前にパナソニックが値引きができない商品の販売を始めました。今回はその「指定価格商品」について紹介していきます。
指定価格商品とは
指定価格商品は分かりやすく言うための言い方で、家電量販店では「条件付き販売商品」と言っています。簡単に言うとメーカーの指定した価格での販売が絶対で、値引きや出来なかったり、ポイント付与に条件があったりする商品です。
価格を家電量販店で決めることができず、メーカーの指定価格で販売するしかありません。値引きした場合はメーカーよりペナルティを受ける可能性があるため、家電量販店側でも何があっても値引きはしません。
また、ポイント付与する場合は付与ポイント分の値上げが必須条件となり、どの店舗で購入しても、価格が同じとなります。
今まではパナソニックのみが行っていましたが、去年日立も一部商品が対象となりました。アップルなどの外資メーカーも指定価格販売となっていることが多いですが、今後も日本メーカーの参入が増えていきそうです。
高くて損しないの?
値引きできない時になることは、価格が高くて消費者が損するのではないかということです。どちらかと言えば損ですが、場合によってはお得な可能性もあります。
価格を指定していない家電は、時期やネットと店舗、在庫状況によって価格が変動します。次の週に2万円高くなったり、壊れた時期が新発売の時期になると、数週間前まで旧型で半額くらいだった商品を高く買うことになります。
指定価格の場合、価格がほぼ一定で3~6か月に1~2回くらいのペースで価格の見直しが入ります。見直しが入るタイミングで10%前後下がることはあっても、正直そこまで変わりません。
また、急激な値崩れがないので、無理やり毎年新製品にして価格を上げなくてもよくなります。商品のサイクルは2~3年になり、ほぼ変わらない機能の新型を高く買う必要がなくなります。
さらに、値引き交渉は従業員のさじ加減なので、実際に損していることに気づいていない人も多くいらっしゃいます。その点では損する人は少なくなります。
考え方によっては損ばかりではない「指定価格」。
もともと値引きできない仕組みがいくつかありますが、こんなにはっきりした仕組みは今回が初めてで、パナソニックや日立が実施していることで今後も増えていくかもしれません。