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【ゴジラVSスーパー戦隊!その決着は!?】夢の大決戦!ゴジラとスーパー戦隊が共闘した最強怪獣は?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさま、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。

少しずつ秋の風を感じるようになりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回のテーマは「コミック(Comic)」です。

「漫画のこと?」と言われると・・・ほぼ同義語です。強いて違いを挙げるなら、英語の「コミック(Comic)」の方が喜劇的な意味合いがやや強い点でしょうか(広辞苑、リーダーズ英和辞典)。とはいえ漫画もコミックも、セリフを含めた絵物語であることは、表現上共通しています。

アメリカで販売されている日本漫画のコミックスは、日本語版と比較してやや大きめ。言語はもちろん英語。日本の漫画を初めて読む読者に配慮し、左側からページを開くと(米国のコミックは通常左読み)警告文を掲載。
アメリカで販売されている日本漫画のコミックスは、日本語版と比較してやや大きめ。言語はもちろん英語。日本の漫画を初めて読む読者に配慮し、左側からページを開くと(米国のコミックは通常左読み)警告文を掲載。

これら「コミック(漫画)」は私達の生活の中にすっかり浸透し、書店やネットショッピングでは多種多様なタイトルの単行本を購入できる上、今や日本で生まれた漫画が世界中に輸出され、各国の人々が現地の言葉で日本の漫画を楽しめる環境になりました(余談ですが先日ハワイに里帰りした時、夕食を食べた鉄板焼きステーキのお店にて、シェフと好きな日本の漫画の話題となり、私は『SPY×FAMILY』を挙げたのに対して、シェフは『チェンソーマン』。お肉を食べる直前にして、色々な意味でなかなか刺激的な会話となりました・・。このように日本の漫画やゲームが現地の人達との会話の入口になることは多々あります)。

ハワイ州内大型商業施設「アラモアナセンター」内の大型書店「BARNES&NOBLE BOOKSELLERS」。20万冊以上の書籍の在庫があり、探している本があれば検索してくれるので、筆者もよく利用。
ハワイ州内大型商業施設「アラモアナセンター」内の大型書店「BARNES&NOBLE BOOKSELLERS」。20万冊以上の書籍の在庫があり、探している本があれば検索してくれるので、筆者もよく利用。

例えば米国ハワイ州の大型商業施設「アラモアナショッピングセンター」内の本屋さん(店名:BARNES&NOBLE BOOKSELLERS)では、日本の漫画が店内の広大な1ブースを占有し、ブース近くでは漫画に登場するキャラクターのフィギュアが大量に並んでいる状況です(静寂な本屋さんですので、店内の撮影は行なっておりません)。

『少年ジャンプ+』にて連載中の人気漫画『SPY×FAMILY』も、ハワイ州ではコミックスの他、全2巻に渡りシーズン1のBlu-rayも発売されている。これらの商品は書店の他、空港やスーパーでも購入可能
『少年ジャンプ+』にて連載中の人気漫画『SPY×FAMILY』も、ハワイ州ではコミックスの他、全2巻に渡りシーズン1のBlu-rayも発売されている。これらの商品は書店の他、空港やスーパーでも購入可能

さらに近年では、アメリカのコミック(アメコミ)に日本生まれのキャラクターが登場し、オリジナルストーリーで展開される等、コミックを通じた日本のキャラクターの海外進出も今や精力的に行なわれています。

2024年現在、東映の仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズ、さらに円谷プロのウルトラマンシリーズもアメコミ作品として米国内で展開中。独自の物語が展開され、映像とはまた違ったテイストが魅力的。
2024年現在、東映の仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズ、さらに円谷プロのウルトラマンシリーズもアメコミ作品として米国内で展開中。独自の物語が展開され、映像とはまた違ったテイストが魅力的。

そんな数多くの日本のキャラクターが登場する「アメコミ」ですが、時に日本のファンが予想だにしなかった展開が描かれることも多々ありました。

日本が世界に誇るゴジラシリーズも、アメリカでは映画公開の他、独自の物語によるコミックス展開も行なわれている。特に中央のジェットジャガーの活躍は著しく、メカ怪獣達からモスラの卵を守り抜く展開も描かれた。
日本が世界に誇るゴジラシリーズも、アメリカでは映画公開の他、独自の物語によるコミックス展開も行なわれている。特に中央のジェットジャガーの活躍は著しく、メカ怪獣達からモスラの卵を守り抜く展開も描かれた。

その中でも特に珍事だったのが、日本を代表する怪獣王である「ゴジラ」と、同じく日本生まれの大衆的ヒーローである「スーパー戦隊」が対決するという、正にドリームマッチが描かれた作品が存在しました。

日本の「スーパー戦隊シリーズ」もアメリカでテレビ放送の他、独自の物語展開によるコミックスも発売され続けている。スピンオフ作品も多いのが特徴で、悪の戦隊であるネジレンジャーを主人公とした作品も存在する。
日本の「スーパー戦隊シリーズ」もアメリカでテレビ放送の他、独自の物語展開によるコミックスも発売され続けている。スピンオフ作品も多いのが特徴で、悪の戦隊であるネジレンジャーを主人公とした作品も存在する。

そこで今回はゴジラとスーパー戦隊、両キャラクターのアメリカでの歩みを辿りながら、コミックを舞台に展開された、日本の怪獣王VSスーパーヒーローの夢の対決に焦点を当てていきたいと思います。

※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けたらと思います。

【映画!テレビ!コミック!】アメリカで拡がり続けた日本のヒーロー、怪獣達の未知なるユニバースとは?

さて、ここからはアメリカでなぜ日本を代表するキャラクターである「ゴジラ」と「スーパー戦隊」が浸透し、両者が相見えることになったのか、その経緯を少しだけ追ってみたいと思います。

まず、我が国を代表する怪獣王である「ゴジラ」。

1954年公開の水爆大怪獣映画『ゴジラ』に登場した怪獣ゴジラ。本作に登場するゴジラ(通称:初ゴジ)は現在も極めて人気は高く、玩具売り場で販売されるソフビ人形も幾度も仕様を変えて再リリースされている。
1954年公開の水爆大怪獣映画『ゴジラ』に登場した怪獣ゴジラ。本作に登場するゴジラ(通称:初ゴジ)は現在も極めて人気は高く、玩具売り場で販売されるソフビ人形も幾度も仕様を変えて再リリースされている。

ゴジラは、1954年に公開された東宝製作の怪獣映画『ゴジラ』に登場した大怪獣。本作は、ビキニ環礁の水爆実験によって太古から生き永らえていた生物が怪獣ゴジラとなり、東京を破壊するというのが主な内容です。また核実験に対する警鐘や平和への祈り等、戦後の日本を想起させるメッセージ性が強かったのも特徴でした。

米国で販売された『ゴジラ・キング オブ モンスターズ(GODZILLA KING OF THE MONSTERS)』のビデオ(左)とDVD(右)。
米国で販売された『ゴジラ・キング オブ モンスターズ(GODZILLA KING OF THE MONSTERS)』のビデオ(左)とDVD(右)。

この映画『ゴジラ(1954)』ですが、1956年に『ゴジラ・キング オブ モンスターズ(Godzilla:King of Monsters)』というタイトルで、アメリカのブロードウェイで公開されました。本作は日本の『ゴジラ(1954)』の内容を一部編集したもので、4日間で1万7千ドル(当時の日本円で約600万円ほど)の大ヒットを記録しました。本作のヒットを受け、日本からアメリカに次々と怪獣映画が輸出される状況になったほか、日米合作の怪獣映画の製作、さらには「米国でもゴジラをつくる」という潮流になり、ハリウッド版ゴジラも現在まで複数制作されました。

ハワイ州オアフ島内にあるクアロア・ランチでは米国版ゴジラ映画『GODZILLA(1998)』が撮影され、劇中のゴジラの足跡が名所として残されているが、牧場内の動物達の事故に配慮し大半は埋められている。
ハワイ州オアフ島内にあるクアロア・ランチでは米国版ゴジラ映画『GODZILLA(1998)』が撮影され、劇中のゴジラの足跡が名所として残されているが、牧場内の動物達の事故に配慮し大半は埋められている。

上記の流れはあくまで「ざっくり」な概説ですが、アメリカでのゴジラの活躍は映画公開の他に、おもちゃやDVDといった関連商品の販売の他、ファンが集まる催事の定期開催、さらには2024年に国産ゴジラ映画『ゴジラ ー1.0(マイナスワン)』が日本映画初のアカデミー賞(視覚効果賞)を受賞したことも記憶に新しいかと思います。

2024年9月時点で、同年4月に日本でも公開された米国ゴジラ映画『GODZILLA X KONG』グッズは現役で発売中。現在もスーパーに行けば、多種多様なゴジラグッズを目にすることが出来る。
2024年9月時点で、同年4月に日本でも公開された米国ゴジラ映画『GODZILLA X KONG』グッズは現役で発売中。現在もスーパーに行けば、多種多様なゴジラグッズを目にすることが出来る。

2024年初頭はハワイにて映画『ゴジラ ー1.0』が上映。現地では通常上映のほか『マイナスカラー版』(白黒版)も上映。ハワイ上映終了から約1ヶ月後、本作は日本映画初のアカデミー賞(視覚効果賞)を受賞。
2024年初頭はハワイにて映画『ゴジラ ー1.0』が上映。現地では通常上映のほか『マイナスカラー版』(白黒版)も上映。ハワイ上映終了から約1ヶ月後、本作は日本映画初のアカデミー賞(視覚効果賞)を受賞。

そんな偉大なる日本の怪獣王・ゴジラの後に、米国に進出を果たしたのは東映制作の特撮ヒーロー番組「スーパー戦隊(英名:Power Rangers)」シリーズでした。

スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』は1992年2月21日から1993年2月12日まで全50話が放送された。1993年に『パワーレンジャー』と題し、米国へと輸出された。
スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』は1992年2月21日から1993年2月12日まで全50話が放送された。1993年に『パワーレンジャー』と題し、米国へと輸出された。

スーパー戦隊シリーズは、第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が1975年に放送が開始されて以降、最新作『爆上戦隊ブンブンジャー(2024)』まで全48作品がこれまで日本で放送されました。そんなスーパー戦隊シリーズが、アメリカで本格的な進出を実現したのは1993年のこと。第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』を『Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)』と題して、ロサンゼルスやニューヨークの大都市圏で月曜日から金曜日にかけて午後3時からレギュラー番組として放送されました。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』はシリーズ初の6人目の戦士(緑)を迎えたことが本作の特徴のひとつ。『パワーレンジャー』においてもグリーンレンジャーの活躍は著しく、やがてシリーズの象徴となった。
『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』はシリーズ初の6人目の戦士(緑)を迎えたことが本作の特徴のひとつ。『パワーレンジャー』においてもグリーンレンジャーの活躍は著しく、やがてシリーズの象徴となった。

番組内容は、先述した『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに、日本人の俳優さん達の出演シーンを現地俳優さん達の出演シーンに差し替え、着ぐるみやミニチュアを使った戦闘シーンは日本で撮影した映像を流用する形で、約30分の番組として編成したものでした。

スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに米国で放送されたパワーレンジャーシリーズ第1作『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(1993)』(写真は本作のDVD)
スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに米国で放送されたパワーレンジャーシリーズ第1作『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(1993)』(写真は本作のDVD)

当内容で放送された本作は、アメリカで爆発的なヒットを巻き起こします。ロサンゼルス地区のテレビ局では最高9.1%の視聴率をたたき出し「アメリカの歴史上、もっとも成功した子ども番組」と評されるまでに至りました。

『恐竜戦隊ジュウレンジャー』をベースとした『Mighty Morphin Power Rangers』の成功を受け、以降のスーパー戦隊シリーズをベースとしたパワーレンジャーシリーズも次々に制作された。
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』をベースとした『Mighty Morphin Power Rangers』の成功を受け、以降のスーパー戦隊シリーズをベースとしたパワーレンジャーシリーズも次々に制作された。

本作の爆発的ヒットを受け、パワーレンジャーはシリーズ化されました。『忍者戦隊カクレンジャー(1994)』をはじめ、以降の日本のスーパー戦隊シリーズをベースとしたパワーレンジャーが次々にアメリカで放映されたほか、近年ではコミック展開も精力的に行なわれる等、現在にかけてパワーレンジャーは活躍の場を広げていきました。

『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』は現在まで、テレビ放送の他コミック展開も精力的に行なわれており、時にスーパーマンをはじめとするジャスティス・リーグやミュータント・タートルズとも共闘した。
『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』は現在まで、テレビ放送の他コミック展開も精力的に行なわれており、時にスーパーマンをはじめとするジャスティス・リーグやミュータント・タートルズとも共闘した。

しかし、上述したパワーレンジャーのコミックの世界において、未曾有の大きな「歪み」が発生しました。パワーレンジャーは敵対する悪の勢力との戦いの中で、別の世界(マルチバース)へと飛ばされてしまったのですー。

その世界には「ゴジラ」と呼ばれる巨大な怪獣が存在し、幾多の怪獣達と熾烈な激闘を繰り広げる混沌とした世界でしたー。

【ゴジラVSスーパー戦隊!その決着は?】二大悪の勢力が手を組んだ?!ゴジラとスーパー戦隊が共闘した大怪獣は?

さて、ここまで映画の公開やテレビ放送を通じて、アメリカで怪獣王「ゴジラ(Godzilla)」と「スーパー戦隊(Power Rangers)」が浸透してきた経緯について、少しだけ概説しました。そんな日本が世界に誇る大スターである両者の対決の舞台となったのは、なんとコミックの世界ー。2022年に発表された『GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS(ゴジラVSパワーレンジャー)』でした。

2022年に発表された『GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS』は、2024年現在、物語を1冊に纏めたコミックス(写真)がIDWより出版、販売されている。
2022年に発表された『GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS』は、2024年現在、物語を1冊に纏めたコミックス(写真)がIDWより出版、販売されている。

本作の物語をざっくり概説すると、自分達の世界とは別の新たな宇宙の征服を目指すパワーレンジャーの悪の首領・リタが、古墳で強奪した宝石(THE MULTIVERSAL FOCUS)の力によって、リタと彼女の幹部達、そしてパワーレンジャーのグリーンレンジャーが未知の宇宙へと飛ばされてしまいます。

リタ達が到着したのは、別の宇宙ー。そこは怪獣王「ゴジラ」が存在する地球であり、地球侵略を企むX星人(XILIENS)達が送り込む怪獣達と激しい戦いを繰り広げていました。

宝石の力によってゴジラがいる地球へとやって来たリタ達は、街で「メガロ」と呼ばれる怪獣(左)と戦うゴジラの姿を目撃する。さらにリタ達はその戦いを静観するX星人の円盤を発見し、円盤内に侵入した。
宝石の力によってゴジラがいる地球へとやって来たリタ達は、街で「メガロ」と呼ばれる怪獣(左)と戦うゴジラの姿を目撃する。さらにリタ達はその戦いを静観するX星人の円盤を発見し、円盤内に侵入した。

リタ達はX星人達と接触し、彼らが天然資源に溢れた地球を侵略する作戦を進行中であること、X星人が怪獣をコントロールする力をもっていること、そして侵略の障壁であるゴジラを倒す力を模索していることを知ります。

円盤内に侵入したリタは、彼女の幹部達(左)を率いてX星人の最高指導者と会う。X星人と取引を持ちかけたリタであるが、果たしてその真意はー?
円盤内に侵入したリタは、彼女の幹部達(左)を率いてX星人の最高指導者と会う。X星人と取引を持ちかけたリタであるが、果たしてその真意はー?

そこでリタはX星人に取引を持ちかけ、自分は地球の天然資源に関心がない代わりに、怪物同士の戦いに興味があることをアピール。その手始めに、リタはゴジラを魔法で操ろうとします。

しかし怪獣王であるゴジラを操るなど容易なことではありません。充血したような赤い眼で暴走するゴジラに、リタ達と同じくこの世界に飛ばされてしまったグリーンレンジャーは巨大な怪獣型ロボット(ドラゴンゾード)で応戦しますが、一方的に痛めつけられる状態にー。

暴走するゴジラに対し、グリーンレンジャーは怪獣型ロボット(ドラゴンゾード)を召喚。しかし怪獣王ゴジラの前には歯が立たず、ゴジラに機体を両腕で持ち上げられる状況にまで追い込まれた(写真はイメージ)。
暴走するゴジラに対し、グリーンレンジャーは怪獣型ロボット(ドラゴンゾード)を召喚。しかし怪獣王ゴジラの前には歯が立たず、ゴジラに機体を両腕で持ち上げられる状況にまで追い込まれた(写真はイメージ)。

そんなグリーンレンジャーのピンチに駆けつけたのは、彼のチームメイトであり、仲間を追ってこの世界にやって来た5人のパワーレンジャー達でした。しかし5人が操縦する人型ロボット(メガゾード)とゴジラの勝敗は痛み分けー。

グリーンレンジャーの窮地に現れたのは、次元を超えて彼を追ってきた5人のパワーレンジャー達だった。仲間を助けるため5人は人型ロボット(メガゾード)でゴジラと戦うも痛み分けとなり、ゴジラは海中へ消えた。
グリーンレンジャーの窮地に現れたのは、次元を超えて彼を追ってきた5人のパワーレンジャー達だった。仲間を助けるため5人は人型ロボット(メガゾード)でゴジラと戦うも痛み分けとなり、ゴジラは海中へ消えた。

パワーレンジャーはリタ達に捕らえられたグリーンレンジャーの救出のため、X星人の円盤に殴り込みをかけますが、リタは彼らを妨害するために、ゴジラのライバル怪獣「ガイガン」と共に、彼女が使役する怪物を街へと解き放ちます。

グリーンレンジャー救出のため、X星人の円盤へ侵入したパワーレンジャー達だったが、ゴジラのライバル怪獣「ガイガン」と、リタが使役する怪物達が街へ出現したため、救出を中断。さらに怪獣達は強力だったー。
グリーンレンジャー救出のため、X星人の円盤へ侵入したパワーレンジャー達だったが、ゴジラのライバル怪獣「ガイガン」と、リタが使役する怪物達が街へ出現したため、救出を中断。さらに怪獣達は強力だったー。

リタがX星人に彼らの地球侵略を手助けする取引を持ちかけた狙いー。

この世界でパワーレンジャーを倒した暁には、最終的にX星人を裏切って、自身の率いる怪物達とゴジラのライバル怪獣達によって編成された混成部隊をつくり、元いた世界を征服するためでした。

リタはX星人と接触したのは、元いた自分達の世界を征服するための強力な軍隊をつくるためだった。彼女のイメージはゴジラを苦しめたライバル怪獣達と、リタの怪物達の混成部隊ー。人類にとって悪夢の光景である。
リタはX星人と接触したのは、元いた自分達の世界を征服するための強力な軍隊をつくるためだった。彼女のイメージはゴジラを苦しめたライバル怪獣達と、リタの怪物達の混成部隊ー。人類にとって悪夢の光景である。

怪獣達に苦戦するパワーレンジャー達に加勢したのは、なんと海中から姿を現わしたゴジラでした。とはいえゴジラは全てを破壊する存在ー。決して味方ではありません。計画が思い通りに行かず業を煮やしたリタは、次々に怪獣達を戦地に導入しますが、ゴジラとパワーレンジャーの共同戦線を前に倒されていきます。

リタはパワーレンジャーとゴジラが共同戦線をとったことに動揺し、X星人が管理していた多くの怪獣達を両者に差し向けるが次々に粉砕される。ついにはX星人を脅して最強の怪獣「キングギドラ」を召喚するが・・・。
リタはパワーレンジャーとゴジラが共同戦線をとったことに動揺し、X星人が管理していた多くの怪獣達を両者に差し向けるが次々に粉砕される。ついにはX星人を脅して最強の怪獣「キングギドラ」を召喚するが・・・。

もはや戦略的とはいえず、X星人はリタに「焦りすぎだ」と指摘。怒るリタは彼女の配下に命令し、ゴジラ最大のライバル怪獣「キングギドラ」を召喚します。

しかしこのキングギドラ、持ち主であるX星人達ですらコントロールできない厄介な代物ー。ゴジラ達を苦戦させるだけでなく、あろうことかリタ達が乗る円盤にも攻撃をかけてきます。

「リタがやってきてから、自分達の地球征服作戦に過重なコストがかかってしまった」と認識したX星人のひとりは、リタによる混沌とした事態を収束させるため、捕らえられていたグリーンをわざと逃がし、仲間を助けに行くよう促しながら、彼に変身アイテムを返却します。

戦いに焦るリタに疑問を感じていたX星人のひとりは、逃走を図るトミー(グリーンレンジャー)に変身アイテムを返却する。礼を言うトミーだが、X星人の狙いはパワーレンジャー達を元いた世界へ帰すことだった。
戦いに焦るリタに疑問を感じていたX星人のひとりは、逃走を図るトミー(グリーンレンジャー)に変身アイテムを返却する。礼を言うトミーだが、X星人の狙いはパワーレンジャー達を元いた世界へ帰すことだった。

戦いは混沌を極め、パワーレンジャーとゴジラ、キングギドラ、リタの軍隊の3大勢力による乱戦状態に。しかしゴジラは味方ではない。戦いを終えたゴジラはパワーレンジャーに牙をむくが、彼らは元いた世界へ帰還。
戦いは混沌を極め、パワーレンジャーとゴジラ、キングギドラ、リタの軍隊の3大勢力による乱戦状態に。しかしゴジラは味方ではない。戦いを終えたゴジラはパワーレンジャーに牙をむくが、彼らは元いた世界へ帰還。

6人揃ったパワーレンジャーとゴジラの力でキングギドラをはじめ、リタが投入していた戦力は淘汰されました。ゴジラは事件の発端であるX星人の円盤を口からの熱線で撃墜し、その衝撃で円盤内のリタ達は吹き飛び、宝石も粉々になってしまいます。なんとか残った宝石の力でリタ達はこの世界から脱出するのでしたー。

一方、戦う相手を失ったゴジラはパワーレンジャー達に牙をむきます。しかし、パワーレンジャー達もこの世界を脱出し、元いた世界へと帰って行きました。

最後に残ったのは、撃墜された円盤(X星人)に向けて熱線を放射し、勝利の咆哮を上げるゴジラの姿だったのでしたー。

ゴジラがいる世界を脱出したリタ達。彼女たちは哀れにも、次元の狭間を彷徨っていました。彼女たちの周りには様々な世界が鏡のように映し出されます。

電池の力で戦う恐竜のパワーレンジャーの世界ー。

恐ろしい白眼のゴジラがいる世界ー。

メカとソウルの力で戦うパワーレンジャーの世界ー。

人間的な丸い顔立ちのゴジラがいる世界ー。

無数の世界が溢れる次元の狭間で、果たしてリタはこのまま彷徨い続けるのでしょうかー?

いかがでしたか?

ここまで、コミックで描かれた『GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS(ゴジラVSパワーレンジャー)』の世界を少し概説しました。

実は本作、まだ終わりではありません・・・。

既に『GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS Ⅱ』が、2024年現在展開中。本作のカバーには、かつてゴジラと共に闘った正義のロボットや、悪のレンジャー達の姿も・・・?

しかしそれは別のお話。拡大を続ける本作の世界観、これからも1ファンとして追っていきたいと思います。

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

(参考文献 一覧)
・Tom Waltz and Charles Beacham,"GODZILLA VS. MIGHTY MORPHIN POWER RANGERS", IDW
・JUDY REVENSON・RAMIN ZAHED、”SABAN'S POWER RANGERS THE ULTIMATE VISUAL HISTORY”、INSIGHT EDUCATIONS
・菅野正美、「MAGAZINEHOUSE HOUSE MOOK ゴジラ徹底研究 GODZILLA」、株式会社マガジンハウス
・尾崎明、「pen+完全保存版 ゴジラ、再び」、株式会社CCCメディアハウス
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1992 恐竜戦隊ジュウレンジャー」、株式会社講談社
・大下英治、「仮面ライダーから牙狼へ 渡邊亮徳・日本のキャラクタービジネスを築き上げた男」、株式会社竹書房
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
(本記事でご紹介した米国ハワイ州 観光地アクセス)
・Kualoa Ranch Hawaii
住所:49-560 Kamehameha Hwy. Kaneohe, HI 96744
・TEL: (808) 237-7321
公式サイト:https://www.kualoa.jp/(外部リンク)
WARD 16 THEATRES
住所:1044 Auahi St, Honolulu, HI 96814
TEL:+1 808-594-7044
・Ala Moana Center
住所:1450 Ala Moana Boulevard, Honolulu, HI 96814
公式サイト:https://www.alamoanacenter.com/ja/(外部リンク)
※「BARNES&NOBLE BOOKSELLERS」は1Eエリアにあります。

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

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