「きのう何食べた?」映画に出てきた料理を再現してみた【キャラメルりんごトースト、ローストビーフ 他】
西島秀俊さんと内野聖陽さんの主演でドラマ化された、よしながふみ先生の人気漫画「きのう何食べた?」。11月3日には待望の劇場版が公開されました。
あのゆるやかな日常を描いた作品が「劇場版」になるなんて、楽しみだけど想像がつかないぞ……と思っていたのですが、心配無用でした。原作ファンにとっては「○巻で出てきたエピソードだ!」というおなじみのシーンの数々が、「家族」というテーマを軸に、1本につながるよう違和感なく再構成され、とても満足度の高い仕上がりでした。
コロナ禍で上映中はマスクを推奨されていますが、そのおかげで存分にマスクのなかでにやにやできます(笑)。
今回は、劇中を彩った美味しそうな料理の再現をまとめてみました。
※重要なネタバレがないようにしていますが、気になる方はぜひ映画をご覧になってからお読みください
ハーゲンダッツをのせて罪深さアップ「キャラメルりんごトースト」(原作4巻)
映画で最初に登場するのが、この罪深き朝食です。勤め先でもらった大量のりんごをキャラメル煮にして、朝食のトーストにトッピング。そこにさらにハーゲンダッツのバニラアイスをのせれば……罪深さはさらにアップ。
スクリーンに響き渡る、トーストの「サクッ」という音、もはや演技ではなく素で美味しそうな西島さんと内野さんの食べっぷりも必見。このレシピを最初に持ってくるなんて……先制パンチにもほどがあります。
作り方は動画でもご覧ください。
小日向さんちの豪華食材で「なんちゃってローストビーフとアクアパッツァ」(原作9巻)
冷蔵庫が壊れ、食材の緊急避難先としてシロさんの家にやってきた小日向さんとワタルくんのカップル。
ブロックの和牛やきんきなどの高級食材を消費するため、ベテラン主婦の佳代子さんの助けを借りて作ったのがこのパーティー献立です。
オーブンいらずのローストビーフ。そしてきんきに冷凍あさり、フルーツトマトを入れたアクアパッツァ。一見難易度が高そうな高級レシピも、田中美佐子さん演じる佳代子さんの流れるような説明のおかげで、「これなら自分にもできるかも?」と思わせられます(実際に、すごく簡単!)。
そして劇場でも観客垂涎だったのが、アクアパッツァのシメのリゾット。
文句を言いつつ手が止まらない、ワタルくんのツンデレな食べっぷりも必見です。
ふたりで過ごすお正月の「黒豆」(原作9巻)
毎年両親のもとへ帰省していた正月を、ケンジとふたりで過ごすと決めたシロさん。
たっぷりある年末の時間を、ケンジの好きな黒豆づくりに費やします。おせちは手間がかかるものですが、下ごしらえ後に煮込む時間はなんと8時間!
映画では、黒豆を煮るときに「鉄たまご」を入れて艶よく仕上げる……というシーンがありましたが、原作にはなかったシーンですね。シロさんの気合いが伝わります。
シロさんちのおせちは、この手作り黒豆と紅白なます、卵焼きとシンプル。
豪華なお重はなくても、初めてふたりで過ごす決意のお正月の場面として、きりりとふさわしい献立です。
ケンジとふたりで作る「ぶり大根、厚揚げのみそはさみ焼き」(原作2巻)
原作では2巻に登場するこの献立。シロさんの食材使いまわしテクが披露されるエピソードでしたが、映画ではとあるできごとがひと段落した流れのなかで、この料理が登場します。
ぶり大根は映画が公開された時期にぴったりの料理。映画を見た後日、思わずぶりのアラを買いに走ってしまいました。
ケンジを演じる内野さんが厚揚げの下ごしらえをするシーンは、アドリブ(?)ならではのハプニング、でもケンジらしさたっぷりの演技が絶妙なのでお見逃しなく……!
思い出の肉団子入り「お花見弁当」(原作9巻)
秋の京都旅行から始まる映画を締めくくるのは、春のお花見シーン。そこに登場するのが、このお花見弁当です。
シロさんの学生時代、お弁当によく入っていたという肉団子のおかず。シロさんの「これまで」と「これから」をつなぐ、重要な食べ物として登場します。
ケチャップとめんつゆで甘辛く味つけした肉団子。これは確かにお弁当では主役級の一品ですね!
原作やドラマ版と同じように何気ない生活を描きながら、ほんの少しのほろ苦さと余韻が残る映画でした。まだまだ取り上げられるエピソードもあるし、ドラマ版の続編もありえるのでは……? と勝手に楽しみにしています。
※関連情報
作品の詳しい紹介とレシピは、私のブログの下記記事でもご紹介しています。