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出掛ける前からジャズ気分:ダニ・アンド・デボラ・グルジェル・クアルテート初来日公演

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

9月6日(金) 開場 19:00/開演 20:00

会場:渋谷サラヴァ東京

出演:ダニ・グルジェル(ヴォーカル、ヴォイス)、デボラ・グルジェル(ピアノ)、チアゴ・ハベーロ(ドラム)、シヂエル・ヴィエイラ(ベース)

音楽選曲:吉本宏、山本勇樹、河野洋志(bar buenos aires)

9月7日(土) 14:00~

会場:東京フォーラム 地上広場東京JAZZ the PLAZA

出演:ダニ・グルジェル(ヴォーカル、ヴォイス)、デボラ・グルジェル(ピアノ)、チアゴ・ハベーロ(ドラム)、シヂエル・ヴィエイラ(ベース)

9月8日(日) 1st 開場 17:00/開演 17:30 2nd 開場 19:30/開演 20:00(入替制)

会場:鎌倉cafe vivement dimanche

出演:ダニ・グルジェル(ヴォーカル、ヴォイス)、デボラ・グルジェル(ピアノ)、チアゴ・ハベーロ(ドラム)、シヂエル・ヴィエイラ(ベース)

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ダニ・アンド・デボラ・グルジェル・クアルテート『ウン』ジャケット写真
ダニ・アンド・デボラ・グルジェル・クアルテート『ウン』ジャケット写真

サンパウロの新しい音楽の潮流(ノーヴォス・コンポジトーレス)の最重要人物ダニ・グルジェルが母デボラと共にカルテット編成で初来日。ボサノヴァやMPBの要素をジャズのフィルターを通して一発録音された新作『UM』は、クールでモダンなブラジリアン・ジャズ・アルバムだ。ブラジル音楽愛好家を中心に高い評価を得ていて、その評判はSNSを介してどんどん広がっている最中だ。サラヴァ東京公演は、特別なセットリストを用意しているという。9月6日は現在進行形のサンパウロの音楽を体験できる、またとない夜になるだろう。

出典:ダニ&デボラ・グルジェル・クアルテート Dani & Debora Gurgel Quarteto Concert in bar buenos aires|サラヴァ東京

ダニ・アンド・デボラ・グルジェル・クアルテート初来日公演

ノーヴォス・コンポジトーレスという言葉が、サンパウロを中心としたブラジル音楽の新しい潮流を指していることを、ダニ・アンド・デボラ・グルジェルの新作『UM(ウン)』の資料で初めて知りました。

MPB以降のブラジル・ポピュラー・ミュージック・シーンについては、日本のコンテンポラリー音楽の作品を生み出しているミュージシャンの取材を通して細々と入ってくるぐらいなので、なかなか入手できないのが実情。

そんなところに届いた“新潮流”という情報だったので、期待に胸を膨らませてこの『UM』を聴いてみると、ヴォイスとピアノを中心に、シンプルながらインプロヴィゼーションとポピュラリティがバランスよく盛り込まれた刺激的なサウンド。気になってライヴを観ずにいられなくなってしまいました。

日本でのブラジル音楽の印象は、ボサノヴァに代表されるような「ほんわか」「ゆったり」「しみじみ」といったものが強いような気がします。しかし、ダニ・アンド・デボラ・グルジェルの母子が織りなすサウンドは、どちらかといえばヨーロッパ・インプロヴィゼーション的なクールで緊張感もあったりして、そんなところが興味深いです。

新たなブラジルの風を感じてきたいと思います。

♪Dani & Debora Gurgel- UM Tour 2013

♪Dani & Debora Gurgel Quartet | Rock With You

♪Dani & Debora Gurgel Quartet | 36-47

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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