食欲の秋も過ぎ、気温が低くなるとより一層恋しくなるのが、温かい物や味の濃い物、こってりとしたものではないでしょうか。特に、コロナ禍もあけ数年前と同様にお酒の席を囲む機会が一気に増え、外食する機会も増加。

それにより、ダイエットという文字がチラチラと脳裏をかすめる日々も増えてきたなぁというこの頃。季節の意匠を落とし込んだ練り切りなども恋しいのですが、ナッツを使用したものや揚げ菓子といった脂質が含まれるものにも手が伸びることも。

最上川の豊かな水景や自然に恵まれた山形県長井市にて、創業110年以上地元の方々を中心に愛されてきた老舗「和菓子司 風林堂」さん。長井駅から駅近という好立地から、観光客の方がお土産を購入するのにもぴったりなお店です。

風林堂さんには、華やかな上生菓子や贈答品のほかロングセラーとよばれる和菓子も沢山。今回はその中のひとつ、「あげまん」をご紹介。

その名の通り、揚げドーナツのような風貌の御菓子。こんがりと色づいた皮が食欲をそそります。さっくりとした皮は香ばしく、不思議と揚げ菓子特有の油っこさはほぼ感じられません。油は時間の経過と共に酸化し、胸のあたりがもやもやすることもあるのですがその感覚がないのです。どうやら菜種油を使用し、熟練の技があっさりとした口当たりを実現しているのだそう。

また、表面に粉糖やグラニュー糖がまぶされていないのも珍しいかもしれませんね。たっぷりと包まれた手亡豆の白餡も、予想以上に甘さは控えめ。非常に上品で慎ましやか。

一般的に、皮かあんこいずれかが甘味が強くお菓子としてのバランスを保っていることが多いかと思うのですが、風林堂さんのあげまんはどちらも落ち着いた甘味なのであっさりといただけます。

お砂糖を入れた甘く温かいカフェラテやほうじ茶ラテといった、牛乳のまろやかな乳脂肪分やお砂糖の甘味と相性もばっちりかと思います。じつはカロリーもおひとつ約120kcalとそこまで高いわけではないのも嬉しいサプライズ。

甘くてあったかいおやつの時間のお供候補に、ぜひいかがでしょうか。