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コンテンツ上のストレスが読者離れを引き起こすのは世界共通

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 「表示が遅い」と荒ぶる経験、誰にもあるはず

回線速度や該当ファイルの使用容量、アクセスの集中状況、端末性能など、多様な条件でネット上のコンテンツは、表示までの待ち時間や表示上の不具合等の問題が発生する。それが読者にストレスとなり、距離を置かれてしまうかもしれない。その傾向を、アドビが2015年12月に発表した、消費者のコンテンツに関する意識調査「The State of Content : Rules of Engagement」の結果を元に確認していく。

次に示すのはインターネット上で情報を取得する際に、対象となるサービスにおいて、情報が長文に過ぎたり、読み込みに時間がかかるなどのストレスを感じさせる事態が発生した場合、使用する端末を変えるか、見る事自体を止めるなど、行動を変えると回答した人の割合。大よそ9割の人が自分のストレスには素直に反応し、対応を変えると答えている。

↑ ネット上の情報取得の際に、対象が長すぎたりロードに時間がかかったり表示スタイルが最適化されていないなどの問題があった場合、対象を見る端末の種類を変えるか、見る事自体を止めてしまう(2015年9月)
↑ ネット上の情報取得の際に、対象が長すぎたりロードに時間がかかったり表示スタイルが最適化されていないなどの問題があった場合、対象を見る端末の種類を変えるか、見る事自体を止めてしまう(2015年9月)

日本がやや低め、つまり相対的に他国と比べて情報取得の際のストレスにも我慢する傾向がある。しかしその際は10%ポイント程度に留まっており、インターネット上の情報取得に係わるストレス耐性の無さは、世界共通のように見える。

このストレスの具体的事象毎の傾向を記したのが次のグラフ。残念ながら世界全体の平均値しか公開されていないが、大よそ納得できる結果。

↑ ネット上の情報取得の際に問題が生じた場合、どのような判断をするか(2015年9月、全体)
↑ ネット上の情報取得の際に問題が生じた場合、どのような判断をするか(2015年9月、全体)

下2つの選択肢が該当する、端末そのものの性能が原因のストレスに対しては、多くの人が他の端末での閲覧にシフトする。とはいえそれでも1割強から3割は、閲覧そのものを止めてしまう。他方、情報そのものの量が過剰だったり、アクセス過多で読み込みまでに時間がかかる場合、4割もの人が読むのを止めてしまう。他の端末でチャレンジする人は3割前後でしかない。もしこの情報取得がはじめての機会だとしたら、該当者は二度と同じ場所を意図的には来訪しないだろう。一期一会を大切にする必要があるのは、何も対人関係に限らない。

「情報取得の際のストレス」を嫌うのは、情報量が増加して、一つ一つの情報をくまなく精査するのが難しくなったことが大きな要因。いわゆる「つまみ食い」的な情報取得が好まれる時代と表現できるが、そのつまみ食い的情報取得の現状を推し量れるのが次のグラフ。

情報取得・確認に短時間しか割けないとしたら、どのような取得スタイルを取るかについて聞いたものだが、速報に関しては文章よりも動画を好む人が6割近くに達している。

↑ 情報確認に1日15分しか割けないとしたらどちらを選択するか(2015年9月)
↑ 情報確認に1日15分しか割けないとしたらどちらを選択するか(2015年9月)

文章よりも画像、画像よりも動画の方が情報取得ハードルは低く、印象的な内容の取得がし易いことは良く知られた事実ではある(取得できる量・濃度はまた別の話)。テレビが大いに好まれるのも、ひとえにこれが主要因。ただし日本では他国と異なり、35%しか同意者が居ないのが興味深い。文章による速報情報の取得に慣れているのだろうか。

長文の記事よりも、世間で話題に登っているテーマにスポットを当てた短文の記事をたくさん読むスタイルを好む人は63%。大よそ6割の人が選択している。電車のつり革広告的、あるいはキュレーションサービス、バイラルメディア的なものが好まれるのも、この需要に合ったところが大きい。

特に日本では他国からずば抜けて8割近い人が、長文よりも多様な短文を好む傾向を有している。日本における情報系サイト、サービスの現状を認識、分析する上で、色々と考えさせられる値には違いない。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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