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【ジャズ生】180度の転換をさらに大転換させた“声の魔術師”の生ステージ|しげのゆうこツアー

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

“ジャズの醍醐味”と言われているライヴの“予習”をやっちゃおうというヴァーチャルな企画“出掛ける前からジャズ気分”。今回は、しげのゆうこの新作『Screen Mode』リリースを記念したライヴ。

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しげのゆうこ『Screen Mode ~My Favorite Things~』
しげのゆうこ『Screen Mode ~My Favorite Things~』

5オクターブの声域を自在に操り、ロックからR&Bそしてジャズに至るまで独自の活動でマニアをも唸らせるしげのゆうこが、新作のリリースを記念するツアーを各地で行なう。

ニューヨーク録音シリーズの3作目となる『Screen Mode』は、ドラムのヴィクター・ルイスを中心としたクァルテットとタッグを組んで、耳にした誰もが親しみを感じるに違いない“映画音楽”を取り上げた。

前作までの2作では、ニューヨークの“伝説的巨人”であるドン・フリードマンと“がっぷり四つ”に組んで、インストとして完成しているジャズに歌詞を溶かし込んでいくという、大命題にして大難問に取り組んでいたのだが、その反動だったのだろうか今回は180度逆を向いた“親しみやすく”というアプローチへと転身ーーかと思いきや、今作でもニューヨークならではのトラッドかつ先進的なセンスを盛り込んだ、何重にもヒネった仕上がりになっている。

“美しい花にはトゲ”がなければならないと思っているジャズ・ファンの期待を裏切らないのがしげのゆうこというシンガーだと言えるだろう。だから今回も、180度と思った方向転換が、実は360度ひと回りして、やっぱり難問に挑んでいたというわけなのだ。

さて、リアルなステージではそれがどのように再現されるのだろうか。

では、行ってきます!

●しげのゆうこAlbum『Screen Mode ~My Favorite Things~』発売記念

4月13日(水) 1st 開場17:30/開演19:00 2nd 開場20:30/開演21:00

会場:JZ Brat SOUND OF TOKYO(東京・渋谷)

出演:しげのゆうこ(ヴォーカル)、三木俊雄(テナー・サックス)、森下滋(ピアノ)、増原巖(ベース)、高橋徹(ドラム)

4月15日(金) 開演20:00

会場:NEW COMBO(福岡・博多)

出演:しげのゆうこ(ヴォーカル)、吉岡かつみ(ピアノ)、赤松貴文(ベース)、中村健(ドラム)

4月18日(月) 開場17:30/開演19:30&21:15

会場:Mister Kelly's(大阪・堂島)

出演:しげのゆうこ(ヴォーカル)、武井努(テナー・サックス)、木畑晴哉(ピアノ)、萬恭隆(ベース)、橋本現輝(ドラム)

4月19日(火) 開場18:00/開演19:30&21:45

会場:Jazz Spot Swing(名古屋・新栄町)

出演:しげのゆうこ(ヴォーカル)、三輪一登(テナー・サックス)、後藤浩二(ピアノ)、名古路一也(ベース)、黒田和良(ドラム)

5月13日(金) 開場18:00/開演19:45&21:15

会場:Bar Bar Bar(横浜・関内)

出演:しげのゆうこ(ヴォーカル)、三木俊雄(テナー・サックス)、森下滋(ピアノ)、増原巖(ベース)、高橋徹(ドラム)

♪ SPAIN <Chick Corea> Yuko Shigeno  しげのゆうこ 弾き語り

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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