【西条市】夫婦の熱意と優しさが沁みる思い出のカツ丼と黄金色のラーメン
今回は西条市明屋敷の「道10(みち)」さんをご紹介します。
駐車場はお店前に約5台あります。
西条高校のすぐ近くにあるお店はカツ丼がメインの食堂で、2024年5月にオープンしました。実は道さんのカツ丼は今治にゆかりのある方だったら一度は耳にしたことがある食堂「たつ」の味を完全再現したカツ丼なんです。しかし、この味を再現するまでの道のりは険しいものでした。
受け継ぎたいと願ってから
今治で40年以上営んでいた「たつ」は、火事により焼失、惜しまれつつも閉店を余儀なくされました。店主の長女福田恵子さんの夫高広さんは「長年愛され、自分も好きだった味を途切れさせるのはもったいない」との思いから閉店後すぐから恵子さんのお母様に相談。しかしお母様の反対などもありオープンまでに約5年もかかったそう。お母様に当時をお伺いすると、「受け継ぎたいと申し出てくれたのは本当に嬉しかったが、飲食業の厳しさや二代目としてお店を営むことのプレッシャー、高広さんのお仕事との両立など簡単ではないと思った。」と話していました。
店名から感じる先代との縁
店名は恵子さんが決めたそうで店名を考えるとき直感的にこれだ!と思ったそう。後日先代のお父様の戒名を見る機会があり、そこには「道」の文字が。恵子さんたちは不思議とお父様との縁を感じたそうです。「道10」の横にある10は、お父様の命日の10月10日にちなんでつけられたそうです。
材料からこだわりかつての常連も唸らせたデミソース
早速お店の看板メニューのカツ丼をいただきます。道さんのカツ丼ですが、一般的なカツ丼と違ってだしを閉じた半熟卵の上に揚げたてのカツ、その上からデミソースがたっぷりとかけられています。注文を受けてから手打ちしたカツはサクッとフワッと中はジューシーでずっしりと重量感があります。このカツにちょっと甘めの半熟卵と濃厚だけど食べやすいデミソース、だしをたっぷり吸ったご飯が複雑な味を奏でながら口いっぱいに広がります。もう一口、もう一口と箸が進む手が止まりません。カツだけ食べても、半熟卵とご飯だけ食べてもと食べ方も色々楽しめます。
初めて食べた私もどこか懐かしさを感じたカツ丼、高広さんにお話を聞くとかつて「たつ」の常連さんだった方が高広さんの作るカツ丼を食べた後「たつとおんなじ味だ。また食べられるなんて。」と涙を流しながら食べていたそうです。「たつ」の味を忠実に再現するため当時使用していた同じ材料、同じ製法で何度も作り苦労の末お母様の合格をもらったそうです。
食べなきゃ損 黄金色の曜日限定ラーメン
今回もう一品金、土曜日限定のラーメンをいただきました。しょうゆラーメンに味噌ラーメン、しおやとんこつなどラーメンに色々種類はありますが、道さんのラーメンはそのどこにも属しない不思議な味をしていました。私の拙い味覚と語彙力では上手く表現しきれませんが、一口すするといりこやカツオの魚介の風味が鼻を抜けていき口にはうまみがガツンと広がります。魚介以外にも鶏ガラの風味や野菜の甘みも感じて味に奥行きのあるラーメンでした。こちらのラーメンも「たつ」時代からあるメニューで、黄金色のスープは毎朝営業前に高広さんがアクを丁寧に取り、雑味が残らないように火加減を調整しながら3時間以上かけて作っているそうです。ちなみに使用している食材については「完全企業秘密」とのことで、ぜひお店でご自身の舌でこの美味しさを味わってほしいです。
現在高広さんは極真空手の師範として生徒たちに空手を教える傍ら、お店の営業もしている為メニューが限られていますがゆくゆくはラーメンも他の曜日でも提供できるようにしたり他のメニューも提供したいとのことです。今後の道さんも楽しみですね。まだまだ寒い日が続きますが道さんのカツ丼であったまってみてはいかかでしょうか。
道10(みち) Instagram
住所 愛媛県西条市明屋敷169-2 1F
電話 0897-66-7335 定休日 日、祝日
営業時間 月~金 11時~14時30分
土 11時~15時、17時30~21時
支払い方法 現金のみ
子供用カトラリー提供あり
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