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不適切発言でラルフローレンから契約解消されたJ・トーマスに別のスポンサー、シティが出した「ある条件」

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

ジャスティン・トーマスの不適切発言のさらなる余波が続いている。すでにラルフローレンからスポンサー契約を解消されたトーマスは、今度は別のスポンサーであるニューヨーク拠点のシティからスポンサー契約継続のための「条件」を提示されているという。

トーマスは新年初戦のセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズの3日目のラウンド中、短いパットを外した苛立ちに任せ、同性愛(者)に対する侮蔑的な言葉を思わず発し、それがテレビ中継の集音マイクに拾われて、大騒動になった。

ラウンド後、トーマスはすぐさま謝罪し、最終日のラウンド後も再度謝罪した。

「大人として、社会人として、恥ずべき行為だった。言い訳の言葉もない」

しかし、問題と影響を重く見たウエア契約先のラルフローレンは、トーマスがプロ入りした2013年以来の契約関係を解消することを発表。たった1度の一言で契約解消はきわめて異例の厳しい処置だったが、それは現代社会の流れを汲み取ったものだったと考えられる。

トーマスは翌々週には欧州ツアーのアブダビHSBCチャンピオンシップに出場。その際は左胸にラルフローレンのロゴがない無印のシャツを着用していたが、左袖には従来からのスポンサーであるシティのロゴが付いていた。ちなみにトーマスは同大会は予選落ちとなった。

その翌週の25日(米国時間)、シティは同社のブログ内で「謝罪が十分ではないときは」というタイトルで、トーマスに対する契約継続のための「条件」を示した。

同社のカーラ・ハッサン・チーフ・マーケティング・オフィサーは「私たちはスポンサー契約を解消することも考えた」としながらも、「世の中のチェンジを起こすために、この瞬間をジャスティンとともに歩もうと決めた」と綴り、トーマスがLGBTQの(慈善)団体等へ「意味のある額の寄付」をするという条件を付けた。

「意味のある額」が、何を意味しているのか、どの程度のことを指しているのかなどの詳細は示されていないが、ハッサン氏は「差別的な言葉を発することが間違いであることを私たちは何よりも明確にしたい。そして、私たちの努力が、そういう言葉を使わない世の中、使われないような世の中へ変えていく一助になることを願っています」と綴っている。

トーマスは今週の米ツアー大会、ファーマーズ・インシュアランス・オープンにはエントリーしておらず、欧州ツアー出場の予定もない。米メディアの中には、すでに米ツアーから出場停止処分を科されているのではないかと見る向きが多いが、米ツアーは罰金や出場停止などの処分(や理由)を基本的には公言しないため、真偽のほどは今のところは不明。

トーマスの今後の対応が注目される。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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