高齢化と分散化が進む…初婚年齢の実情(2021年公開版)
進む晩婚化と初婚年齢の分散化
経済上の安定感、社会常識の変化、医療技術の進歩など、多様な原因によって、日本では晩婚化・高齢出産化が進行中。その実情を厚生労働省の人口動態調査の公開結果から確認する。
人口動態調査の結果によれば、男女ともに日本の初婚年齢は上昇を続けている。ここ数年でおおよそ頭打ちになったという感がある程度。直近2020年では男性31.0歳、女性29.4歳。
この初婚年齢に関して、「各届け出年に結婚生活(初婚)に入った人の総数に対する、個々の年齢分布」を男女別に記したのが次のグラフ。区切りのよいところで10年間隔とし、直近値となる2020年、そしてその10年前の2010年、20年前の2000年の値を併記している。例えば2020年の「初婚の夫の年齢」における27歳は8.3%とあるが、これは2020年に初婚として結婚した男性総数のうち、8.3%は27歳だったことを意味する。
最多構成率年齢は全般的に男性が上で、最初の平均初婚年齢グラフにもある通り「男性が女性よりも晩婚傾向がある」を表す結果となっている。それとともに、
・女性は今世紀に入ってから急速に晩婚化とともに、初婚年齢の多様化(主に晩婚方面)が進んでいる
・男性も女性と同じように今世紀に入ってから晩婚化と初婚年齢の多様化が進んでいるが、前世紀ですでに女性よりは多様化が生じている。
・男女別では女性よりも男性の方が高齢層での初婚事例の層が厚い
(2020年では30歳以上に限れば、夫は46.9%で妻は37.3%。男女間では約10%ポイントの開きがある)
などの傾向が把握できる。今世紀に入ってからの急速な晩婚化は最初の平均初婚年齢のグラフでも確認されており、留意すべき点ではある。
出産年齢も上への傾向
初婚年齢が上の年齢に押し上げられれば、当然出産年齢も上昇する(「未婚の母」の状況も想定されるが、日本ではまだごく少数派)。そこで妻の平均初婚年齢の推移グラフに、第一子・第二子・第三子の平均出産年齢を重ね、その推移を見たのが次のグラフ。
やはり「元々出産年齢も高齢化の傾向」「今世紀に入ってから高齢化が加速」は、出生時年齢にも当てはまる。初婚年齢の高まりとともに出産年齢も上昇していくが、第三子の平均年齢上昇率はやや鈍い。高齢出産のリスク、負担を考えると、上昇余地が少ないのが原因。またそこから、晩婚化が少子化の大きな要因であることも改めて理解できる。
今件グラフの第二子・第三子間の年数が小さくなる動きからは、人口増加のカギとなる人口置換水準2.08を上回る第三子が授かる機会は、晩婚化の進行以上に少なくなることが容易に想像できよう。
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