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大谷翔平より「10cm以上高い投球」をホームランにした選手がいた

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーク・トランボ May 8, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月17日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン13本目のホームランを打ち、両リーグ単独トップに立った。

 このホームランで際立ったのは、かなり高い投球だったことだ。スタットキャストによると、グラウンドからの高さは4.19フィート(約127.7cm)。今シーズンのホームランのなかでは、4月23日にウィリアンズ・アスタディーヨ(ミネソタ・ツインズ)が打った、4.24フィート(約129.2cm)の投球に次ぐ。

 ただ、上には上がいる。2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、アスタディーヨの4.24フィートは8位タイ、大谷の4.19フィートは11位に位置する。最も高いのは、4.57フィート(約139.3cm)。2017年5月8日に、マーク・トランボジオ・ゴンザレスの4シームを弾き返した(上の写真がそうだと思われる)。このホームランを大谷のそれと比べると、0.38フィート(約11.6cm)の差がある。

 トランボは、この年の8月25日に打ったホームランも、高さ4.35フィート(約132.6cm)の投球だった。こちらは5位。トップ10に2本――2球と言うべきか――は、トランボしかいない。ちなみに、大谷の通算60本塁打中、2番目に高い投球は、今シーズンの2本目、4月4日の3.59フィート(約109.4cm)だ。

 2008年以降の「ピッチ・トラッキング・エラ」に範囲を広げると、さらに高いボール球をホームランにした選手も出てくる。2009年8月14日にジェイソン・クーベルが打ったホームランは、高さ5.07フィート(約154.5cm)の投球だ。5フィート以上は他に皆無。クーベルに次ぐのがトランボの4.57フィートなので、その高さは群を抜く。計測の誤りではないかと思うほどだ。なお、このホームランをクーベルに打たれたのは、大家友和だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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