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【本気のエイジングケア】美容クリニック処置をできるだけ安く済ませるための見積もり料金取捨選択法

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

エイジングケアを真剣に考え始めた時に、選択肢の1つとなるのが美容医療でしょう。

美容クリニックの門を叩きたいと考えた時に悩みの種の一つとなるのが「想定以上に高い料金を支払わなくてはならなくなったらどうしよう。」ということだと思います。

美容医療を検討した際に、想定外に料金がかかってしまったという噂話は少なからず耳にしますよね。実はそんな結果になるには、ある程度のからくりがあるからです。

インターネットページなどで書かれている料金よりも、実際にはほぼ100%と言っていいくらい見積書の料金は高く提示されてきます。

見積もりが高くなるのには、美容クリニックならではの経営体制に秘密がありました。

今回は美容クリニックで10年以上の診療経験のある筆者が、インターネットサイトで提示されている料金よりも見積書が高く提示される理由について解説します。

そのからくりを把握し「美容医療を活用したエイジングケアを予算内に収める」ために、賢い立ち回りを身につけましょう。

1.見積もりが高くなる理由①施術料金としての「技術料」しか含まれていない料金提示のため

インターネットやCMなどで提示されている美容クリニックの施術料金。

最近ではたるみ取りの糸リフト手術であれば数万円から、キャンペーンなどを使えば1本1万円以下で提供しているクリニックもあります。

しかしそれはあくまでも「糸リフト手術をするためだけの技術料(医師の技術料と糸リフトの製品代)」だけで提示しているからです。

中には麻酔代や手術後の内服薬を、別途追加料金がかかるように設定しているクリニックもあります。

大手の美容クリニックや良心的なクリニックであれば、術後の内服薬や手術中に使う最低限の局所麻酔は料金に含まれています。

しかし、眠った状態で手術を受けたい場合の麻酔代金や術後の痛みを和らげ、腫れをできるだけ少なくするための薬やサプリメントは別途追加料金で徴収しているクリニックもあるのです。

提示されている金額で処置だけではなく、術後のアフターケアをどこまで表示料金内で保証してくれるのか(術後の痛み止めや腫れ止めの内服薬剤は含まれているのか)などを合わせて確認する必要があるでしょう。

【処置単体での変化が期待薄な場合、総合的な仕上がりを加味して医師から提案される場合もある】

例えばですが、フェイスラインのたるみ取りを糸リフトでの解消を検討しているときに、頬の脂肪吸引などを提案されるケースが増えています。

ひと昔前までは糸リフトによるたるみ取りは、ダウンタイムも少なく効果が高いと言われていて、主流のたるみケアのひとつでしたが、近年では糸リフト単体でのたるみケアは難しいとされています。

糸リフトは、皮下脂肪層に対してトゲのある糸を挿入し組織に引っ掛けて引き上げますが、脂肪層は柔らかいので徐々に引っ掛かりが取れてきてしまい、せいぜい半年程度でたるみケアの効果がなくなってしまうのです。

そこで近年では、糸リフトを挿入する箇所の頬の脂肪吸引も一緒に行い、たるみの原因である脂肪を取りつつ、糸で引き揚げて創傷の治癒反応により引きあがった位置でとどまりやすいように処置をします。

このように、患者様が望む状態になるには、処置を併用した方がいい場合に、別の施術を提案されることもあります。

医師の診察結果により「期待したい結果を求める場合に、処置単独じゃ難しい場合に併用処置を提示される」ため、見積もり料金が高くなっている場合もあります。

2.カウンセラーサイドで別の処置や商品、おすすめの背施術、アフターケアなどを追加している

見積書を見てみると、思った以上に色々な料金が加算されてびっくり!ということは、ざらにあります。

要因として、「受付カウンセラーが+αの提案を見積書で加算」しているからです。

よくあるのが、腫れを早く引かせるためのドリンクやダウンタイムをできるだけ短縮するためのアフターケアなどが盛り込まれていることがあります。

正直なところ、+αの提案は

  • 「あると確かにいいもの」
  • 「あってもなくてもどっちでもいいもの」
  • 「正直いらないもの」

などいろいろなものが記載されていますね。

結論から言うと、これらのプラスアルファの提案はなくても医師がしっかりと施術をしてくれていれば最終的な仕上がりに影響は与えません。

腫れが強くなるとか、痛みが強くなるとかは手術中の医師の技術によるものが大きいのが実情。

医師の処置スキルが高ければ、施術する組織に対する負担は少ないので腫れも少なくなります。腫れが少ないということは、その分痛みも少なくなる傾向にあります。

アフターケアを短くしたいと考えた場合に、新陳代謝を促進するためのアフターケアをすすめられたることもありますが、アフターケアを受けたからと言ってものすごくダウンタイムの期間が短縮するかと言われれば、そうではありません。

やはりダウンタイムを決める条件には

  • 「どのぐらい体に負担がかかって術後の症状が出るのか」
  • 「ご自身の元々の回復力」

というものの影響を受けます。

最終的には医師の技術力と自分自身のコンディションが物を言うというわけですね。

つまり、受付カウンセラーが勧めてきた商品を必ずしも購入する必要はないのです。むしろ私だったら医師の処置代以外は契約しないと思います…

それよりも信頼できる医師選びをすることが重要です。

3.クリニックのその時の売り上げにより、+αの提案を受けることがある

もう一つ、「予想外の値上がり」が生じやすい事情に、「クリニックの月の売り上げ目標に達していない月末」に訪れた場合、想定以上の料金に吊り上がる場合があります。

特に、大きなチェーンクリニックでは、概ねどこもその地域性を加味された「月間売り上げ目標」が定められています。

その予定額に達しない目安が立ち始めた段階で、すこーしずつ見積もりを多めに出すような方向性に転じるクリニックもあります。

ですので、余計な見積もりUPのやり取りを生じさせないためには、できるだけ予算にゆとりのある月初めに診療を受けるのも、ひとつの対策です。

まとめ「自分の掲げた予算内で納めるための、見積もり料金取捨選択方法」

美容クリニックでは、インターネットやSNS、CMなどで提示されている料金よりも高く見積もりが出てくるのはもはや「当たり前」です。

しかしながら、自分で調査しながら最終的に受診クリニックを決めるので、事前の情報収集である程度の予算を立てているはずです。

最終的にDrカウンセリングを終えて受付カウンセラーから見積もりを出された場合に

  • 「えっ…高すぎない?」
  • 「この処置って本当にいるの?」

と感じることもあるはず。

見積もり料金に提示されていて、できるだけ安く済ませたいときの取捨選択法として

1.医師カウンセリングで話されたこと以外は基本的に不要
2.予算に余裕があるならアフターケアに通うのはあり
3.サプリメントやドリンク類はほぼ意味なし

と考えておいて良いでしょう。

また、ハッキリと「これとこれはいりません」と意思表示することも大切です。

ときに受付カウンセラーより「予算はどのくらいですか?」と確認されることもあります。

正直に答えずに

「できるだけ安く済ませたい。この後、他の場所も色々やりたいと思っているので安いほどありがたい。今回はできるだけ安くしつつも、今後信頼して通えるかどうかも視野に入れて来ている。」

と告げることで、美容クリニック側にも「大事にすると今後も売り上げにつながるお客さんだ!」と認知してもらえます。

できるだけ患者様側の要望通りに予算を検討してくれるでしょう。

美容整形クリニックは、医療ではあるもののその根本は営利で成り立っています。良心的なクリニックや医師、カウンセラーに当たれば問題ないのですが、中には少なからず「カモろう」と考えている人もいるのです。

こればかりは、クリニックの体制よりも「個人としての人間力」によるものの印象です。

万が一出会ってしまったとしても、「何が必要で・何が不必要なのか」わかっていれば取捨選択もできるでしょう。

また、できれば複数のクリニックで見積もりを取ることで「本当に自分に必要な処置」も検討しやすくなります。

本気のエイジングケアを試みる際の参考にしてください。

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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