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「仕事のない日は子どもを保育園に預けたらダメなの!?」保護者の方にはなかなか話せない保育士の本音とは

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている現役の保育士です。

今回は頂いたご質問はこちら。

質問:私たち親が休みの日に子どもを保育園に預けるのはダメですか?

皆さんは保育園で「ご両親のどちらかがお仕事をお休みされる日は、ご家庭でお子さんを見ていただくようにご協力お願いします」と言われた経験はありますか?

これは各保育園の方針にもよりますが、多くの方が保育園で保育士から言われた経験のあるようです。

また、SNSでは「仕事もないのに保育園に連れて行かれる子どもたちはかわいそうだ」という意見もよく聞かれます。

これらの問題について、どのように考えていくべきなのでしょうか。

今回は保育園へ通うに当たっての現行の制度や、現場で働く保育士の本音を交えて登園することの可否をお話ししていきたいと思います。

※動画は1分25秒です。

仕事のない日に登園して良い?

保護者が仕事を休みの日にリフレッシュするために保育園へ子どもを預けることはダメなのでしょうか?

結論から言うと、特に問題ないと考えて良いでしょう。

ただし、中にはこれを歓迎しない保育士もたくさんいます。これについては後ほどお話しします。

ますは、制度について見ていきます。

保育園を管轄している厚生労働省の保育所保育指針には、「保育所は(中略)保育を必要とする子どもの保育を行い…」と書かれていますが、“保育を必要とする子ども”に当たるのは

・就労
・妊娠
・出産
・保護者の疾病や障がい
・親族の介護、看護
・求職活動

などの場合と定められています。

そのため、仕事以外に認められる理由としては「病院に行きたい」「祖父母の体調が良くない」「仕事を探している」などが子どもを預ける正当な理由とされています。

さて、この中にリフレッシュ休暇が入っていないことにお気づきでしょうか。

一見するとリフレッシュすることを理由に子どもを預けられないように思いますが、保育指針が2018年に新しい保育指針が施行されてからはここに子育て支援について明記されるようになりました。

このことから、仕事が休みの場合でも短時間保育と同じ扱いで子どもを預けることが認められるようになってきました。

ただし、注意点がいくつかあります。

1 必ず保育園には伝えること

登園した際に仕事が休みであることと、出かける先を伝えることを忘れないようにしましょう。

地震などの災害時に、電話に出てもらえない上に保護者のおおよその居場所も分からないとなると、保育園としては連絡する手立てがなくなってしまいます。

また、「子どもの体調不良から会社へ連絡したのに欠勤だった」などといったケースもよくあるため、必ず休んでいることはお伝えいただけたらと思います。

2 延長保育にはかからないように

あくまで短時間保育と同じ扱いで保育を行っているため、就労時の保育とは異なります。

必ず時間を守って利用していただけたらと思います。

保育園に預けるのはかわいそう?

一方で、「仕事もないのに保育園に連れて行かれる子どもたちはかわいそうだ」という価値観を持つ方が多いのもまた事実です。

しかし、こういった発言は慎重に行わなくてはなりません。

例えば、きょうだい喧嘩にどうしても耐えられずに子どもへの怒りが抑えられなくなってしまう場合や、精神疾患からくる子どもの存在が自分を不幸にしているという価値観などのような重い問題を抱えてる場合も少なくないのです。

そのため、一つの価値観だけで決めてしまうのは非常に危険ではないでしょうか。

確かに、家族みんなで過ごしていて、それで全員が幸せにいられると言うのであればそれが1番であるのは間違いないと思います。

しかし、家族は様々な形があって、それぞれが色んな問題を抱えているのが現状です。

最も優先したいのは子どもの安全と心の健康であり、家族でみんなが健康な心の状態で過ごすためには保育園へ預けることが選択肢にあって良いのではないでしょうか?

保育士はできるなら休んでほしい?

さて、保育士としては「仕事がないなら保育園は休んでほしい」と考える方が多いように思います。

これについては、子ども20〜30人を保育士1〜2人で見ているという保育園の現状があり、保育に対するゆとりのなさから出てくる意見でしょう。

実際に子どもが少なければ、ゆっくり子どもと向き合って遊べたり、衣服の畳み方を細かいところまで見ることができたりと、子どもたちといつも以上に丁寧に関われるのは間違いありません。

そのため、できるなら少しでも休んでほしいと言うのが多くの保育士の本音ではないでしょうか?

いずれにしても、家族それぞれ幸せの形は違います。

子どもと過ごすかどうかを決めるのは各家庭の判断でも良いのではないでしょうか?

その他、育児や保育園などの子どもに関する質問はぽん先生のフォームより募集中です!

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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