ZETA DIVISIONの「VALORANT」世界大会3位が意味する意義深いこと…
最終戦で3位を記録、日本代表として初の偉業を記録したZETA DIVISIONの活躍
アイスランドの首都レイキャビクで、日本時間24日の早朝(未明)に開催された「VALORANT」(ヴァロラント)の世界大会「2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 - Masters Reykjavik」で日本から代表として参戦したZETA DIVISIONが最後まで善戦し、日本代表としての3位を勝ち取った。その前哨戦としては、23日の未明にはシンガポールの代表であるPaper Rexを2対1で下しており、その時点で3位が確定していた。しかし、さらなる上位入賞を目指して24日の最終戦に臨んだ結果、残念ながら、強豪アメリカチームOptic Gamingに0対3で敗れてしまったが、記念すべき世界大会で3位を勝ち取ったのだ。
※ちなみに過去の世界大会における日本からの最高順位は野良連合がエントリーした「レインボーシックスシージ」大会における4位だ。
詳細な戦歴とそれぞれのチーム、プレイヤーのコメントは専門メディアに譲るとするが、4月10日からの初戦、韓国のDRXとの初戦から2週間、常に緊張感と重圧と戦いながらこの結果を導いたことは非常に貴重で重要な意味を持つことを後述する。
ライアットゲームズと「VALORANT」とは?
ここですこしライアットゲームズと「VALORANT」についても説明しておこう、ライアットゲームズはアメリカのゲームパブリッシャーで、すでにeスポーツタイトルとしては、2009年に導入されたMOBA(マルチオンライン・バトルアリーナ)タイプのゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」が大ヒットしているゲームパブリッシャーである。
「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」は、参加人口が1億人を超えており、世界大会の年間賞金総額は過去には7億円を超え、優勝賞金は2億円を超える大会もあり、現在の世界のeスポーツシーンをリードするタイトルを保有するパブリッシャーであることは間違いない。
「VALORANT」はタクティカル・シューティング・ゲームで、5対5のチーム戦で撃ち合いを展開するもので、チーム内での戦略性や連係、対戦相手の分析などが重要視されるものである。
今回のVALORANT Champions Tourは、「Challengers」、「Masters」、「Champions」の3クラスで構成されており、各地域大会である「Challengers」(年2回)はオープン予選と本戦からなり、勝ち上がったチームは各地域を代表するチームが集結する国際大会「Masters」(年2回)に出場。そして、シーズンのファイナルを飾る「Champions」は世界最高峰のトーナメントマッチで、これを制覇したチームがVALORANT世界王者に輝くというトーナメントだ。
今回のVALORANT Champions Tour世界大会チームは以下の通り…
EMEA - 3チーム:G2 Esports、Fnatic、Team Liquid
北アメリカ - 2チーム:The Guard、Optic Gaming
ブラジル - 2チーム:LOUD、Ninjas in Pyjama
ラテンアメリカ - 1チーム:KRÜ Esports
韓国 - 1チーム:DRX
日本 - 1チーム:ZETA DIVISION
APAC - 2チーム:Paper Rex、XERXIA
日本から参加した、ZETA DIVISIONは日本国内チームのREJECT(リジェクト)やCrazy Raccoon(クレイジーラクーン)などの強豪を退けての世界大会へのエントリーだった。
協会や連盟よりも大切な実績という事実が意味するもの
今回の「VALORANT」世界大会におけるZETA DIVISIONの活躍はトーナメントを勝ち進んでいくにしたがって加速度をつけて日本国内で盛り上っていった。
YouTubeやTwitch(ツイッチ)を通じて展開されたライブ配信では、未明の配信にも拘わらず50万人以上の視聴者が固唾を呑んで見守った。また都内にはパブリックビューイングの会場も特設され、多くのファンがZETA DIVISIONの活躍を最後まで応援した。ツイッターでは#ZETAWINが世界のトレンド入りを果たした。関連するネット記事も多く、さらに、滅多にeスポーツのニュースを取り上げない地上波のニュース番組でもZETA DIVISIONの活躍に時間を割くかたちになった。
おそらくZETA DIVISIONと「VALORANT」の広告メディアにおける価値(掲載)評価額は数億円に上ることだろう。
今回のZETA DIVISIONの快挙が教えてくれることは、eスポーツのみならず、すべては世界にその実力を問うた結果による実績と、その結果の影響力の大きさである。今回のニュースが浸透すればするほど、eスポーツへの関心は高まり、新しいエントリープレイヤーはもちろんのこと、応援や観戦を楽しむ層が増えるに違いない。そこには理由や条件は不要だ。昨今騒がれているメタバースなどをテーマにした協会が乱立する光景は、eスポーツ業界でも似たような連盟、連合、協会があった「いつか見た光景」だったはずである。それらよりも先にまずは注目を浴びるのはコンテンツ、結果がどれだけ多くの人の心を動かすか…という実績と事実を見せつけたのが、今回の「VALORANT」(ヴァロラント)の世界大会「2022 VALORANT Champions Tour Stage 1 - Masters Reykjavik」であり、ZETA DIVISIONが自らの手でつかみ取ったランキングなのである。
おめでとうZETA DIVISION。ありがとうeスポーツ。
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※25日 13時に誤字脱字を修正しました。