桜宮高校の体罰自殺事件、十字架を背負うべきは生徒ではなく教師ら“大人たち”
バスケットボール部顧問による体罰で生徒を自殺に追い込んだ大阪市立桜宮高校で開かれた運動会にて、来賓の橋下徹市長が「仲間の自殺は、みんなが一生背負っていかねばならない十字架。天国に行った仲間のためにも、誇れるような学校にしてほしい」と語りかけたそうです。
なぜ、生徒がそんな十字架を背負わなければいけないのでしょうか?
十字架を背負うべきは顧問、まわりの教師、そして体罰を歓迎した保護者など大人たちであって、生徒に罪はありません。
なぜなら、生徒が体罰を肯定したのは間違った教育を受けてしまったせいだからです。体罰が“善”であると教えられた生徒に対して、“キミたちのせい”と言うのはおかしい。おかしいのは彼らが受けた教育です。
そもそも、バスケットボール部員など、自殺した男子生徒と関わりのあった生徒以外はそのことを知るよしもない。それなのに「みんなが一生背負っていかねばならない十字架」と、まるで「生徒が自殺した責任は子供たちに“も”ある」と呪いの言葉をかけるのは、体罰と同様になくすべき悪習の連帯責任に他なりません。
間違っていたのは教育で、まずそれを大人たちが認め、生徒に謝らなければいけない。申し訳ないと。そこから新しく教えていくのが教育であり、“みんなの責任”にしてしまうのは、きれい事で取り繕うだけのその場しのぎです。
繰り返しますが、生徒は悪くない。そのような教育を受ければ、誰もがそうなってしまう。まずは大人たちが間違っていたことを認め、生徒に伝えるのが桜宮高校の教師やその保護者たちに必要な教育ではないでしょうか。