【ケーキの切り方で診断】あなたは分数が苦手なタイプ?分数が得意になるコツを元教師が解説
「1/2+1/3」の答えがすぐにわかる人とそうでない人の差はどこにあるのでしょうか。実は、ホールケーキの切り方で分数が得意なタイプか苦手なタイプかがすぐにわかります。
この記事では、分数の得意・苦手の診断方法とともに、分数が苦手な人でもこれから得意になれるコツを元数学教師の私が解説していきます。
【ケーキの切り方で診断】あなたは分数が得意?苦手?
今回ご紹介する方法は、
- まだ分数を習っていない子ども
- 学校で既に分数を習った子ども
- 大人
どんな人にでも有効です。
まずは、潜在的に「分数が得意なタイプなのか苦手なタイプなのか」をケーキの切り方で診断してみましょう!
診断テスト:ケーキを6等分する手順は?
ホールケーキを6人分に切り分けます。どんな手順でカットしますか?イメージしてみてください。
※ケーキアプリや道具は不使用、切り込みは必要な場所以外入れないことを前提とする
診断結果:分数が潜在的に得意な人
分数が潜在的に得意な人、理解できる人の切り方は以下の通りです。
①まず半分(1/2)に切る
※縦・横はどちらでも構わない
②次に半分を3等分するイメージで切る
③最後に2/3になった部分を半分にするイメージで切る
おそらくほとんどの人はこのような手順でホールケーキを6等分すると考えられます。この手順でケーキを6等分にする人は、分数が潜在的に得意・苦手ではない人です。
診断結果:分数が潜在的に苦手な人
分数が潜在的に苦手な人は、例えば6等分をするときに、1カットずつ切り込みを入れるタイプです。
つまり、「6等分は2等分したのちに3等分する」というイメージがない人です。「6=2×3」ということを潜在的に意識していません。このタイプの人は、6等分を頭の中でイメージしつつも1カットずつ切っていくことが多いのです。
もちろん、この方法でも上手に6等分できることもありますが、今回はあくまで「分数が潜在的に得意なタイプか」というお話ですので、このタイプは分数が苦手なタイプと診断させていただきます。
また、それ以外にも、等分のイメージが上手にできていないパターンもすべて分数が苦手なタイプと診断します。
ケーキを12等分するならどうする?
それでは、ホールケーキを12等分するならどのような手順で切るでしょうか。
6等分の例から、
- まず半分(1/2)にカット
- もう一度半分にカット(4等分の状態になる)
- 1/4の状態をさらに3等分にカット、繰り返す
- 12等分が完成
という手順になるのが一般的です。
上手に切れるかはさておき、ケーキの12等分を考えた時に、このような手順がイメージできるかどうかが分数の得意・苦手につながってきます。
12=4×3(3×4または2×2×3など)というイメージが潜在的にあるかどうかの違いです。
分数が苦手・できない原因は2つ
分数の通分が苦手・できない人は大人でも多いですが、その原因は
「分数を図としてイメージできていない」
「最小公倍数がすぐに思いつかない」
の2つです。
分数を図としてイメージできていない
小学5年生に「1/2と1/3はどっちの数が大きいか」という問題を出したところ、半数以上が間違ったという事例があります。
これは1/2と1/3が図としてイメージできていないことが原因と考えられます。例えば、
1/2はケーキを半分にしたうちの1つ
1/3はケーキを3等分にしたうちの1つ
ということさえイメージできれば決して難しい問題ではないはずです。
最小公倍数がすぐに思いつかない
また、分数の通分が苦手な人は「最小公倍数」がすぐに思いつかないタイプです。そもそも最小公倍数という言葉自体がちょっと難しく感じてしまいがちですが、定義などはわからなくてもとりあえずOKです。
先ほどの話に戻すと、ケーキを6等分する際に、1/2にカットしてさらに1/3にカットするというイメージができれば問題ありません。
つまり、6は2×3(または3×2)というイメージがついていれば「1/2+1/3」を計算する際に、分母は6で揃えれば良いということがすぐにイメージできるからです。
1/2+1/3=3/6+2/6=5/6
1/4+1/8=?
例えば「1/4+1/8」を計算する場合、ケーキの4等分と8等分をイメージしてみてください。すると、8等分は4等分の切れ目を増やせば良いことに気が付きます。
つまり、1/4は8等分にカットすると2/8になるというイメージが湧くのです。
↓
「1/4+1/8=3/8」という計算も図でイメージできると理解はより深まります。
このように、頭の中にイメージが描けると分数の学習として良いスタートがきれます。
分数が得意になるコツ「ケーキの切り分け」
分数が苦手な人は、そもそも分数のイメージが薄い人です。頭にイメージが描ければ、これまで分数や通分が苦手だったとしても、得意になれる可能性があります。
【ポイント】
分数は図的なイメージで得意になれる
分数が苦手な人は、まずイメージができるようにすることです。そしてそのイメージは「ケーキの切り分け」が最適です。
「8等分する場合はどうやって切る?」
「7等分は6等分よりも小さく8等分よりは大きい」
といったザックリとしたイメージを持つかどうかだけでも大きな差が出ます。
お手伝いや遊びで分数の基礎作り!
分数が苦手な子ども、これから学校で習う子どもには、ピザ・パイやケーキの切り分け場面で積極的にお手伝いをしてもらうと良いでしょう。また、折り紙などでも再現は可能です。
分数が得意になるかどうかはイメージできるかどうかが鍵となります。お子さんの分数嫌いや分数アレルギーが気になる方は、「等分」のイメージがつくような遊びや体験をぜひ普段から取り入れてみてください。