フェニックスリーグ・西武戦は5回雷雨コールドで10対0の大敗
みやざきフェニックスリーグは26日、少し天気が崩れたものの小雨程度で、無事に試合が開催されました。と言いたいところですが、西武-阪神戦が行われた日南市の南郷スタジアムは試合中に雨が降り始め、やがて雷もゴロゴロ。本降りになった雨と雷鳴のため、5回を終了したところでコールドゲームとなりました。スコアは10対0で阪神の完敗ながら、あくまでも“降雨と雷による”コールドです。念のため。
岩本投手が1回に2点、3回には打者12人で8安打8失点と乱調。打線も出塁したのが中谷選手のヒットと一二三選手の死球だけですからねえ。守備では柴田選手の好送球があり、スタンドが沸きました。
《フェニックスリーグ》10月26日
西武-阪神 (南郷)
阪神 000 00 = 0
西武 208 00 = 3
※5回終了 降雨コールド
※特別ルール
◆バッテリー
【阪神】岩本 / 小豆畑
【西武】武隈(5回) / 藤澤
◆二塁打 駒月、梅田、永江
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]右:中谷 ( 2-1-0 / 0-0 / 0 / 0 )
2]中:一二三 ( 1-0-0 / 0-1 / 0 / 0 )
3]遊三:陽川 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
4]二:北條 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 0 )
5]一:小宮山 ( 2-0-0 / 1-0 / 0 / 1 )
6]指:清水 ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
7]捕:小豆畑 ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
8]三遊:西田 ( 2-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
9]左:柴田 ( 1-0-0 / 0-0 / 0 / 0 )
◆投手 (安-振-球/失-自) 最速キロ
岩本 5回 125球 (12-3-3/10-10) 146
12安打10失点、こちらは1安打0点
岩本は1回、石川を二ゴロ、藤澤を空振り三振と真っすぐで簡単に2死を取りました。しかし次の斉藤を四球で出して、盗塁を許すと4番・坂田に左前タイムリー。続く駒月の左越えタイムリー(レフトの柴田からショート陽川を経てバックホーム、三本間狭殺で3死)を浴び、2点を失います。2回は1死から7番の金子侑に中前打と盗塁を許すも、後続を断って無失点。
立ち直ったかに見えた岩本でしたが、3回は石川、藤澤の連打と斉藤への四球で無死満塁として、またもや坂田の右前タイムリー(代走・木村)。さらに暴投で1点を加え、駒月の四球で再び無死満塁になります。続く梅田が右越えのタイムリー二塁打で2人を還し、なおも無死二、三塁。金子侑の左前タイムリーでもう1点入って、盗塁を決められ無死二、三塁。なかなかアウトが取れず、この時点でもう5点を取られました。
8番・水口は左飛でようやく1死、そしてレフト柴田がレーザービーム!ダイレクトのしかもストライク送球を見せ、タッチアップした梅田をホームで刺し、岩本を助けます。これで2死二塁となって9番金子一が左前打。またまた柴田が矢のような送球をしたんですが、二塁からホームへ向かった金子侑は惜しくもセーフで6点目。金子一は冒頭で二塁へ進み、代打・永江の左越えタイムリー二塁打。
まだ終わりません。続く藤澤の中前タイムリーで、ついに8点目。そのあと斉藤への2球目がボークと判定され2死二塁となるも、最後は斉藤をフォークで空振り三振。この回の途中から小雨に混じって、時おりゴロゴロと雷鳴も響く怪しい空模様でした。岩本は4回をフライ3つの三者凡退に切って取り、5回は先頭の金子侑に右前打、水口は一ゴロエラー(小宮山が捕って二塁へ送球しようとしてコケちゃいました。送球はしたけどセーフ)、金子一の遊ゴロ併殺打と永江の二ゴロで終了です。
さて阪神の攻撃はというと、西武・武隈の前に凡打の山。3回までパーフェクトの抑えられ、岩本が計10点を失ったあとの4回に先頭の中谷がチーム初ヒットの左前打で、ようやく塁に出ました。次の一二三はヒジあてに「ポコン」と当たる死球で無死一、二塁。しかし後続を完ぺきに断たれて得点なし。5回もまた三者凡退。武隈のチェンジアップ、スライダー。さらには一番遅くて79キロというカーブに翻弄されました。
だんだんと雨が強くなり雷も鳴っていたため、いったんはグラウンド整備に入ったものの話し合いで中止が決定。5回終了で降雨(荒天により)コールドゲームとなっています。ということで結局、阪神は中谷の1安打のみ。岩本は12安打10失点です。
「現実を受け止めて練習に励む」
14日の楽天戦は5回3安打無失点、19日の日本ハム戦も4安打無失点と好投していた岩本投手。「何が違ったかというのはわからないけど、この現実を受け止めてトレーニングに励みたいと思います」。フォークボールも結構投げ「フォークが抜けたというよりは…」と言いかけて「秋季キャンプでしっかりやります」。狙われている球はわかった?の問いに「狙われていても。その球を投げて抑えないと。打たれているようではダメですね。キャンプで1つのことをやり続ける、というのに取り組みたい」という答えでした。
久保投手コーチに聞くと「状態に流されてしまっている。1、2、3のタイミングで投げて、それが合ってきたら何か意識していかないと。相手に“組みやすし”と感じさせてしまった。バッテリーとして、まだ未熟なところだね。全部、枠の中で勝負。それしかできないと打者に思われた。まだインハイが残っているとか、相手に『お、攻めてきたぞ』と構えさせないと。“まじめな打たれ方”だった」とのこと。そして「こうなるとわかれば、いい経験。次にどう止めるかだね」と、秋季キャンプでの成長に期待しています。
中谷選手は4回、先頭打者で武隈投手のチェンジアップに2ストライクと追い込まれてから、3球目の真っすぐを左前打。パーフェクトを阻止し、結果的にはチーム唯一のヒットでした。でも本人は「何もないですよ。頑張ります!」と言葉少な。また北條選手は、24日の中日戦(練習試合)の最終打席で見逃し三振、25日の日ハム戦は4打席4三振、きのうの1打席目にチェンジアップを空振り三振と3試合で6三振を喫し、しかも「6打席連続でしょ?」とガックリ。悩める4番です。きょうの最終戦で打って、気持ちよく21Uの合宿へ行ってください。
柴田、意地のレーザービーム
最後に、キラリと光る守備で存在感を出した柴田選手です。1回に二塁打の駒月選手を走塁死させたのは、中継を挟んだプレーだったものの、3回には2つ見せ場がありました。まず水口選手の左飛でタッチアップした三塁走者・梅田をホームで刺し、犠飛を阻止。「あそこ、タッチアップで行かれたら屈辱でしょ!」と、オトコマエに言い切りました。
キッパリと。かっこいいですねえ。しかもあのレーザービームですから。
これで1死二塁となり、続く金子一選手の左前打でもホームへダイレクト送球。これは「ほんのちょっとだけ逸れていまって」惜しくもセーフでした。二塁からホームインした金子侑選手は「一緒に自主トレもやっている選手なので、足の速いのは頭に入っていた」と言います。そして「常に“サヨナラの場面”というつもりで守っています」と柴田選手。本来なら日本シリーズの、緊迫した状況でプレーしたかったはず。先に帰った狩野選手や田上選手らを見送る悔しさは半端じゃなかったでしょう。その思いがこもった送球、来年は1軍で見せていただきます!