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B・デシャンボーがディフェンド大会の開幕直前に相棒キャディと決別?一体、何があったのか?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
臨時キャディ?新キャディ?のベン・ショーミンと回ったデシャンボー(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ブライソン・デシャンボーが相棒キャディと突然「別れた」ことが、米ゴルフ界では「ブレーキング・ニュース」となって一気に広まった。2人の間に一体、何があったのか。

デシャンボーは今週の米ツアー大会、ロケット・モルゲージ・クラシックにディフェンディング・チャンピオンとして出場中。そのプロアマ戦までは、いつも通り、相棒キャディのティム・タッカーがバッグを担いでいたが、その後、何かが起こった様子だ。

大会開幕直前にキャディを失ったデシャンボーは、契約先であるコブラのツアーレップ、ベン・ショーミンを臨時キャディに付けて初日をスタートし、イーブンパー、暫定110位

タイと大きく出遅れた。

米メディアがデシャンボーのエージェントに確認したところ、デシャンボーとタッカーの決別を認め、「お互いの了解のもとに関係を解消した」と答えたそうだが、大事な試合の開幕ぎりぎりでの関係解消が円満解消ではないことは容易に想像される。

デシャンボーがこれまで挙げた米ツアー通算8勝は、すべてタッカーとの見事なコンビネーションで挙げたものだ。

昨年、肉体を巨大化し、パワーアップして、全米オープンを制したときも、傍らにいたのはタッカーだった。ツアーキャディとしては超ベテラン級のタッカーは、チーム・デシャンボーの一員として、ほぼ寝食を共にしてきたと言っても過言ではない。

欧米選手とキャディの大半は、試合会場で「おはよう」と挨拶し、その日の試合や練習が終わると「また明日」と言って別れる公私を分けたビジネススタイルが多い中、デシャンボーとタッカーは、ある意味、それ以上に深く強い関わり方で、ともに勝利を積み重ねてきた。

だからこそ、そんな2人が突然、別れたことは、米ゴルフ界に驚きをもたらしている。

初日のスタート前、練習グリーンでデシャンボーを直撃取材した米メディアによれば、デシャンボーは「これは私的なこと」「僕たちには時間が必要だと思った」と答え、永遠の決別ではないことを臭わせたそうだ。

しかし、ディフェンディング・チャンプとして臨む大会の開幕直前に決別したというタイミングは、「ただごとではない」ことを物語っている。

ここ数年、デシャンボーとの奇妙なほどの確執が続いている「宿敵」、ブルックス・ケプカは、その話を聞きつけると、すぐさま自身のキャディであるリッキー・エリオットがいかに大事な存在であるかを記したツイートを発信し、さらに「今日はキャディ感謝デーだ」と銘打ったツイート。揺れるデシャンボーをせせら笑っているかのようで、それはそれで大いなる話題になっている。

今大会の後には、全英オープンもある。東京五輪も控えている。

米国代表入りしたデシャンボーは、10歳のとき、あるチャリティ・トーナメントで陸上のゴールドメダリストからメダルを首からかけてもらった経験があり、「そのときから、オリンピアンになるのは夢だった」と語ったばかり。

東京には、どんなキャディを伴って来るのか。いやいや、その前に、良き相棒が見つけられるのかどうか。なんとも気がかりである。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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