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日銀保有の国債は53.3%と過去最高を記録、3月末時点の日本国債の保有者

久保田博幸金融アナリスト
日銀資金循環統計のデータを基に筆者作成

 日銀は6月27日に2023年第1四半期の資金循環統計(速報)を発表した。

資金循環統計(速報)(2023年第1四半期)

https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm

 3月末の個人の金融資産額は2042兆8303億円となり、2000兆円台と高い水準を維持した。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で1.7%増の約1107兆円。株式等は同2.7%増の約226兆円、投資信託は同0.6%減の約90兆円となっていた。

 これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2023年3月末時点の国債残高は1079兆9593億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。

中央銀行(日銀)、576兆0643億円、53.3%

保険・年金基金、236兆1063億円、21.9%

預金取扱機関(銀行)、95兆8124億円、8.9%

海外、78兆1840億円、7.2%

公的年金、44兆8946億円、4.2%

家計、12兆7694億円、1.2%

その他、36兆1283億円、3.3%

 日銀保有の国債は53.3%と過去最高を記録。日銀は前期比で約29兆円増となっていた。海外投資家も約10兆円増。預金取扱機関(銀行など)は約15兆円減となった。

 短期債を含めた国債全体の数字でみると3月末の残高は約1230兆円。このうち日銀が約582兆円で47.3%のシェアに。海外勢の残高は約178兆円と短期債を含めると国債全体の14.5%のシェアとなっていた。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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