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周りの人のたばこの煙を不快に思った場所は男女別や年齢階層別で変化する(2022年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
周囲の人のたばこへの不快感。属性による場所の違いはあるのだろうか(写真:イメージマート)

たばこが忌避される原因の一つに、喫煙者自身だけでなくその周辺にいる人も、たばこの副流煙によって喫煙しているのと同じような状態に置かれて(間接喫煙)しまいかねないとの実情がある。それではそのような間接喫煙をした(ように感じ)たことで、不快に思ったのはどのような場所だったのだろうか。属性別の傾向について、内閣府大臣官房政府広報室が2022年11月に発表した「たばこ対策に関する世論調査」(※)から確認する。

今調査対象母集団においては周りの人のたばこの煙について不快に思う人(「不快に思う」+「どちらかといえば不快に思う」)は83.2%に達している。

↑ 周りの人のたばこの煙について不快に思うか(2022年8月)
↑ 周りの人のたばこの煙について不快に思うか(2022年8月)

そこで不快に思う人に対し、具体的にどのような場所で不快に思ったのかを複数回答で聞いた結果が次のグラフ。もっとも多くの人が挙げたのは「路上」で、70.2%の人が同意を示した。

↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定)(2022年8月)
↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定)(2022年8月)

次いで「食堂・レストラン・フードコートなど主に食事を提供する店舗」が50.9%、「居酒屋・バー・スナックなど主に酒類を提供する店舗」が39.9%で続く。「路上」は信号待ちや駅前通りなど人通りが多い場所で不意に喫煙者のたばこの煙と遭遇するパターンだろうか。それ以外は閉鎖空間で間接喫煙を強要されるケースが上位に入っている。

たばこの忌避が進んでから多数設けられるようになった屋外喫煙所の周辺を意味する「屋外喫煙所の近く」でも39.4%との結果が出ている。たばこの煙を隔離するために設けられた施設で、その周辺に影響が生じてしまうのは好ましい話ではない。

これを男女別に見たのが次のグラフ。

↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定、男女別)(2022年8月)
↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定、男女別)(2022年8月)

間接喫煙をしてしまうことへの不快感を覚えるのには、その場所にいる必要がある。「路上」「食堂・レストラン・フードコートなど主に食事を提供する店舗」「屋外喫煙所の近く」「ベランダ・バルコニー・共同住宅の共用部分など」で女性が男性よりも特段大きな値を示しているのは当然の話かもしれない。一方で「居酒屋・バー・スナックなど主に酒類を提供する店舗」「パチンコ・麻雀・カラオケなどの遊興・娯楽施設」「事務所」などでは男性の方が女性にかなりの差をつけて高い値をつけているのも納得のいく話。

次いで年齢階層別。

↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定、年齢階層別)(2022年8月)
↑ 周りの人のたばこの煙を不快に思った場所(複数回答、周りの人のたばこの煙について不快に思った人限定、年齢階層別)(2022年8月)

男女別同様、年齢階層別でも、該当する場所に足を運ぶ度合いがそのまま値に反映されている傾向が強い。同じ場所に同じような時間帯・頻度で足を運んでも、年齢階層によって不快に思う度合いが異なるということは考えにくい。

「食堂・レストラン・フードコートなど主に食事を提供する店舗」なら中年層、「路上」「居酒屋・バー・スナックなど主に酒類を提供する店舗」なら若年層から中年層、「タクシーや鉄道などの車内」なら中年層。「公園・児童遊園」で20~30代が飛び抜けているのは、子供を連れて遊びに行く機会が多いからだろう。

見方を変えればこれらの上位にある場所は、多くの人が該当する「周りの人のたばこの煙について不快に思う人」にとって、禁煙化を推し進めてほしい場所でもある。個々の場所の運営側には色々と考えさせられる結果に違いない。

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※たばこ対策に関する世論調査

2022年8月4日から9月11日にかけて、全国の18歳以上で日本国籍を持つ人3000人を対象に郵送法で行われたもので、有効回答数は1556人。男女比は698人対858人、年齢階層比は18~29歳が163人、30代が170人、40代が240人、50代が298人、60代が287人、70歳以上が398人。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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