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ムバラク時代の方が生活は良かったと答えるエジプト人

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

最近ギャロップ社がエジプトに関する一連の世論調査の結果を公表している。その第三弾が16日にインターネットで配信された。

この調査は、7月のムルシー大統領の拘束の直前に行われている。この調査によるとエジプト人の多数は、生活はムバラク時代より悪くなったと考えている。しかし、メディアが自由になったのは改善点だと考えている。

具体的な数値を見よう。80パーセントがムバラク時代の方が生活は良かったと答えている。そして半分は5年後には、もっと生活は悪くなると思うと答えている。

理由の一つは雇用の問題で、7割がムバラク以降に状況が悪くなったとしている。これは公的部門でも私的な部門でも共通している。短期間で雇用状況が改善すると考えている者は少なく。42パーセントが状況の改善には5年以上は必要だろうと多くが答えている。10人に1人は、状況に絶望しており、改善は起こらないと考えている。

エジプト人がムバラク以降で評価しているのは、報道の自由であり、57パーセントがムバラク大統領の辞任以降に良くなったと考えている。

なお、こうした反応はムルシー大統領支持のメディアが閉鎖される前の数値である。最近のメディアに対する規制を考慮すると、エジプト人がムバラク以降の唯一の成果とみなしていたメディアの自由化も潰えたこととなる。

2013年8月18日(日)記

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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イラン革命、イラン・イラク戦争、湾岸危機・戦争、アメリカ同時多発テロ、アフガン戦争、パレスチナ問題、イラク戦争、アラブの春と続発する事件に関して30年以上にわたり発言を続けてきました。またオフレコでメディア、官庁、政党、企業などに対し、そして名前を公表できない人々を含め日本の指導層のために助言とブリーフィングを行ってきました。高橋和夫の情報への感性に共鳴する方々のために分析を提供します。

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