【御殿場市】富士山にある世界一かっこいい放置車両?!SNSで話題沸騰中のワゴニアを見に行って来た!
7月10日。富士山が山開きしました!
富士山の標高2100mの斜面にある放置された車両。その佇まいがかっこよすぎるとSNSで話題になっているので、一度行ってみたいと山開きを心待ちにしていました。
一般登山道では通らない場所にあるので、地図読みやGPSが使える人との同行が好ましいです。ということで、登山が趣味の同級生に同行をお願いしました。
南の谷を越えてしばらく歩くと、電力を供給する地中送電線(地中とありますが、地表に露出してます)があるので、それを目印に登って行きます。
見えて来たのは『高圧危険』と書かれた『ハット』と呼ばれる中継小屋。
地中送電線は、この『ハット』を経由して接続されているのだそう。ケーブル区間の障害発生時の切り分け、隣接避難所への降圧分電、雷サージなどの過渡的な過電圧を制限して電気機器を保護する役目があるそうです。ハットは守られるように石積に囲まれています。
その先にある木製の柵はハットに落石などが当たらないように保護しているようです。
獅子岩と書かれた案内がありました。
須走口側に小高く見える場所が獅子岩のようですが、御殿場口からだと谷になっているところを越えて行かなければならないそうです。地図上ではこの辺一帯が獅子岩と呼ばれているのようで、詳しい事は分かりませんでした。
そしてその先に、目当てのワゴニアがありました。
富士山の荒々しい天候に晒され、どこかに飛ばされてしまったのか、誰かが持ち去ったのかタイヤは4本ともありません。
ボンネット、窓ガラスもなく、エンジンルーム、車内もむき出しになっていました。
丈夫に作られているはずの人工物さえ、富士山の自然には抗えない。トランクに芽吹いた小さな野草がラピュタのワンシーンを彷彿させました。
この車両は1984年~1991年に生産されたジープのグランドワゴニアの初期型らしいです。そもそもどうやって5合目より上にワゴニアが放置されているのか疑問に思い調べてみると、40年くらい前はバイクや車で富士山の5合目より上まで行けたんだそう。
バイクメーカーのカワサキは1965年8月3日に85-J1で富士山頂に到達し、85-J1の高性能ぶりをアピールする広告を掲載しています。
またホープ自動車はホープスターON(LJ10初代ジムニーのベースとなった車)で、富士山8合目まで登るという性能テストを行ったという記録もあります。
当時はキャブレターの時代なので、5合目ですらエンストしてエンジンかからなくなる車も多く、日本一高い富士山に登れるというのは老若男女問わずに性能と信頼を証明できた方法だったのではないでしょうか。
道なき道を力強く登って行く姿は、人々の心を鷲掴みしたに違いありません。
古き良き時代に思いを馳せると、道半ばにして進めなくなった哀愁漂うワゴニアが、何故かとてもかっこよく見え、SNSの噂はあながち嘘ではないと実感しました。
ワゴニア
アクセス方法:御殿場口から送電ライン目印に登って行きました。一般道ではないので、地図読みやGPSが使える人との同行が好ましいと思います!