Yahoo!ニュース

結婚式のご祝儀に新一万円札は使えるか?マナー講師見解

コミュニケーションマナー講師 松原奈緒美株式会社EXSIA 代表取締役 コミュニケーションマナー講師

2024年7月に新札が出て、この秋は初のブライダルシーズン。
そんな中、にわかに「肖像画が渋沢栄一のお札は使用すべきではない」という新しいマナーがささやかれているそうです。
これは、渋沢栄一が、妻以外に妾がたくさんいたことから言われるようになったとのこと。
気になさる方もいらっしゃるでしょうが、

結論
「自分でどうにもならないことは、気にしても仕方がない」

マナーは相手目線で考え、行動することです。

確かに、受け取った方の中には、気になさる方もいらっしゃるでしょう。

一方で、一般的マナーとして

「新たな門出である結婚式には『新札』を用意する」

というマナーもありますね。

新札とピン札は異なります。
地域によっては、お札の番号が連番であることまで気にするところもあります。

(連番ということは、新札を両替して用意したと判断できるため)

福澤諭吉の紙幣の場合、しばらくは「ピン札」はあるかもしれませんが、「新札」はありません。

このことから「新札を用意しなかった」ことを、マナーに反すると受け取る方もいるでしょう。

また、今は福沢諭吉紙幣はかろうじて用意できるかもしれませんが、しばらくすればすべて渋沢栄一紙幣に変わります。

紙幣の肖像画は、結婚式のご祝儀を想定して決められているわけではありません。
確かに、連想してしまうことは理解できます。
しかし、


・継続的にできないこと

・自分で配慮が困難なこと

・一般論ではないこと

は、マナ―ではないと考えます。


おそらくこのなんちゃってマナーは、一過性のもので、一年もすれば言われないようになるのではないでしょうか。

様々な見方、考え方はありますが、一時的な情報に振り回されないことも大切ですね。

株式会社EXSIA 代表取締役 コミュニケーションマナー講師

マナー・コミュニケーション領域の専門家として、研修・講演講師として活躍。年間登壇本数150本、受講者延べ人数は35000名(2020年現在)を超える。特に評価の高い「立ち居振る舞い」と、豊富な具体例、的確なフィードバック、ユーモアとパワーある講演進行が好評。NPO法人 日本サービスマナー協会ゼネラルマネージャー講師。国内外のテレビなどメディア取材や出演多数。著書「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版。

コミュニケーションマナー講師 松原奈緒美の最近の記事