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トナカイさんへ伝える話(177)8月23日、那覇地裁

小川たまかライター
那覇地裁(筆者撮影)

少女に対して「抵抗したのか」を聞く質問も繰り返された 那覇地裁、米兵裁判

 ↑こちらの記事の詳細版です。

目次

・長い1日

・抽選に当たる

・QAB

・心配

・7月の事件

・少女の声

・弁護人の質問

・思い込み

・おまけ

・長い1日

 すごく長い1日だった。予定されていたAさんとAさんのお母さんへの証人尋問は10時〜17時。でも長く時間をとっておいて実際はそれほどかからないことも多いから15〜16時頃には終わるのではないかという予想もあった。結局17時を超えてさらに1時間半近く延長した。裁判所は閉まる時間が決まっているので、延長は本当に珍しい。

 Aさんへの証人尋問が終わった時点で17時を過ぎていたので、裁判官はAさん母への尋問は来週に延期しようとした。けれどワシントン被告の弁護人が異議を出した。理由は、すぐに母親へも尋問しなければ、2人が口裏合わせをするのではないか、という懸念だった。

 被告人の権利を最大限守るのが弁護人の仕事だから、そう主張するのはわからなくはないけれど、事件の内容からして、口裏合わせをしなければならないようなものではないというか、たとえ2人の証言に多少食い違うところがあったとしても、それは事件の核心ではない。母親は帰ってきたAさんの被害を知って110番通報をしただけだ。

 弁護人はAさんや母親の証言の信憑性に疑いを持たせたかったのだと思う。反対尋問の順番になるとスーツの上着を脱いでやる気満々だった。だが結果的に、弁護人が思うような尋問にはなっていなかった。これは後述。

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ライター

ライター/主に性暴力の取材・執筆をしているフェミニストです/1980年東京都品川区生まれ/Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット大賞をいただきました⭐︎ 著書『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)/共著『災害と性暴力』(日本看護協会出版会)『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』(合同出版)/2024年5月発売の『エトセトラ VOL.11 特集:ジェンダーと刑法のささやかな七年』(エトセトラブックス)で特集編集を務める

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