【仙台市】太宰治は一番丁でコップ酒、宮沢賢治は丸善で原稿用紙を買う。文豪たちと仙台の縁「仙台文学館」
こんにちは、仙台情報クリエイターのドジボです。
今日ご紹介するのは、仙台市青葉区北根にある「仙台文学館」。
行ったことありますか? そもそも文学館って何があるの~?と思っている人も多いかもしれませんね。
開催中の特別展『文豪、仙台ニ立チ寄ル』を観ながら、仙台文学館をご案内しましょう。
県道仙台泉線(旧4号)沿いの大きな看板が目印。そこからちょっとだけ上ると仙台文学館があります。
エントランスを入って右側が受付です。
今日のお目当ては特別展の『文豪、仙台ニ立チ寄ル』。仙台に縁のある文豪たちにスポットを当てています。
人気ゲーム『文豪とアルケミスト』とタイアップしてるので、ゲームの文豪キャラクターが描かれています。どれが誰だろ?
特別展と常設展が両方見られるチケット(810円)を買って2階展示室へ。きれいな階段を歩くと気持ちも盛り上がります。まずは特別展から観ましょう。
仙台と繋がりのある7人の文豪。太宰治、宮沢賢治、島崎藤村、正岡子規、高浜虚子、河東碧梧桐、岩野泡鳴の7人です。それぞれの紹介はもちろん、自筆の原稿(複製含む)などもあり、とても興味深い展示になっています。
え~、こんな有名な作家も仙台で過ごしてたの~と、文豪を身近に感じられますよ。
例えば島崎藤村。東北学院の教師をしていたんです。知らなかった。
藤村は、東北学院の図書館の埃にまみれた蔵書を、埃をはたきながら読み漁ったと随筆に書いてます。その様子を想像するのも楽しい。
また正岡子規は東北旅行の折、作並の岩松旅館に泊り、あの長い廊下を下りて岩風呂に入ったそう。「夏山を 廊下づたひの 温泉かな」という句まで残して。
私も何度も入ったあのお風呂に、子規も入っていたのかぁ。
花巻に住んでいた宮沢賢治は、時々仙台に買い物に来て、丸善で買った原稿用紙を愛用していたそうです。もちろん今のアエルではなく、東一番丁にあった頃の丸善ですね。
そして太宰治。『太宰治が歩いた仙台』というマップが展示されていました。これが面白い。
東一番丁の焼き鳥屋でコップ酒を飲み、そのあと虎屋横丁ではしご酒をしたと書いてあります。私たち飲んべと行動パターンは同じですね。
また展示されている太宰の自筆の原稿を見ると、字が雑……。後で読み返したら自分でも読めなさそう。
みんなの原稿を見て、誰の字がきれいか比べるのも面白いかも。
こんな、身近な仙台にまつわるエピソードが他にも満載の特別展。期間は12月15日(日)まで。見逃すことなくぜひぜひ訪ねてみてください。
特別展を観た後は、同じフロアの常設展へ。こちらも見所たっぷり。
入ってすぐ、初代館長の井上ひさしのコーナーがあります。
中学生時代に光ヶ丘天使園(現在のラ・サール・ホーム)に入所し、東仙台中学校に通っていたとのこと。なんと、私の中学の先輩ではないですか。しかも私、剣道部の練習でラ・サール・ホームの体育館を使ったこともあったんです。こんな縁があったなんて、文学館に来なければ知ることが出来ませんでした。
実はあなたの身近だった作家や、身近なエピソードに出会えるかも。
井上ひさしは仙台一高に進学。その高校時代のエピソードが後に『青葉繁れる』の題材になりました。
そうそう、井上ひさしの手書き原稿はきれいな丸文字。走り書きの作家が多い中、とても丁寧に書かれています。あ、こんなに丁寧に書くからいつも締め切りに遅れていたのかな。そんなことはないですね。
仙台出身の漫画家いがらしみきおのコーナーも。漫画も立派な文学です。
『ぼのぼの』をはじめ代表作の原画が展示されています。原画って、ペンの走り具合や強弱がリアルに伝わってとても興味深い。いつまでも見入ってしまいます。
いがらしみきおの仕事部屋を再現したコーナーもあって、ここでは先生やぼのぼの達と一緒に写真を撮れるんです。
ちなみに、展示室内で写真を撮れるのはこのコーナーのみですのでご注意。私は取材のため特別に許可を頂いています。
他にも仙台ゆかりの作家達のコーナーがたくさん。あっと言う間に時間が過ぎちゃいます。時間に余裕を持って、じっくりと楽しんでください。
以上で文学館の紹介が終わり……ではなく、まだまだ楽しみ方があります。
1階の交流コーナー。
開放的なスペースで、打ち合わせや仕事、勉強に利用できます。
その奥には、情報コーナーが。
展示作家の著作本や、資料などが閲覧できます。展示を観て興味を持ったらすぐ本を読めるというのは、とってもいいですね。
こどもの本の部屋、という部屋もあります。
じゅうたんスペースで、絵本や児童書が2,000冊揃っているそうです。
交流コーナー、情報コーナー、こどもの本の部屋は無料ですので、どんどん利用しちゃいましょう。
また、きれいなカフェもあります。
カフェ「ひざしの杜」。今回は入りませんでしたが、ランチやケーキが人気のよう。
展示を観て、ランチを食べて、勉強して、お茶を飲んで一息ついてと、丸一日過ごせそうです。
いろんな利用の仕方がある文学館。まだ行ったことがないという方は、今回の面白い特別展を機会に訪ねてみてはいかがですか。
【仙台文学館】
9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:
月曜日(祝休日は開館)
休日の翌日(祝休日は開館)
第4木曜日(休日は開館、12月を除く)
年末年始(12/28~1/4)
特別展観覧料(含常設展):
一般810円 高校生460円 小中学生230円
電話022-271-3020
仙台市青葉区北根2-7-1