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おはぎ×大福の独創的な逸品。香ばしさ際立つ「七里香餅」東京・早稲田~nanarica~七里香

赤坂美附和菓子ソムリエ

豆大福・草大福・いちご大福・・・大福にも色々ありますが、この大福はとても独創的。
東京・早稲田にある七里香さんの「七里香餅」は、アラフィフの食後のデザートでもOK、軽さと複雑さを兼ね備えた、大福とおはぎの間のような、珍しい逸品です。

「口中調味」を参考に計算した軽い食感

鬼胡桃のプチプチ食感と、麦こがしの香ばしい香り、そして、羽衣のように薄く伸ばしたお餅で包む、ほんのり甘い粒あんで構成されている七里香餅の味わいは、日本人の食の基本「口中調味」に基づいて考えられています。

七里香餅とほうじ茶セット
七里香餅とほうじ茶セット

〝ご飯とおかずは交互に、よく噛んでゆっくり味わうことで広がる旨味を楽しむ″という、日本食の基本「口中調味」。それにより引き出される味わいを考え構成した七里餅は、噛むことが不要と思えるほど柔らか。素材の融合が早く、それぞれがまとまった美味しさと、食感が印象的です。

食感・味・香り、それぞれが楽しく独創的

第一印象は、柔らく羽衣のようなお餅に織り混ぜている「鬼胡桃」の食感。 純国産の鬼胡桃は、食物繊維やビタミンを多く含む日本古来のスーパーフード。コク深い味わいで油っぽさやクセが無く、柔らかな七里餅に食感の印象を与えます。粉雪のようにまとう「麦こがし」は、ローストした大麦を使用。きなこよりも香りが立ち、鬼胡桃と共に、味と香りを引き立てています。

鬼胡桃を混ぜ込んだプチプチ触感の餅、糖度が低く優しい粒あんの七里香餅
鬼胡桃を混ぜ込んだプチプチ触感の餅、糖度が低く優しい粒あんの七里香餅

七里香さんの餡は、糖度の低さが特徴

七里香餅の中は粒あん。北海道産の小豆に一晩ゆっくり蜜に浸し、甘さを浸透させて作るそう。遠くにほんのり感じる優しい甘さで、小豆の美味しさが立っています。繊細な甘みと味わいが、アラフィフの食後のデザートにもOKと思わせる所以。 糖度の低い粒あんを、羽衣のように薄く柔らかいお餅で包む、独創的でありながら、老若男女に優しい大福は、店名「七里香」を背負った、職人の英知が結集した逸品は、記憶に深く残る味です。

秋は、進化系どら焼き「モンブランバーガー」登場

どら焼きの進化系「ザ・モンブランバーガー」税込648円
どら焼きの進化系「ザ・モンブランバーガー」税込648円

バター不使用、ロースト小麦胚芽で作るフワフワ生地

七里香さんのどら焼きと言えば、バター不使用・ローストした小麦胚芽で作るフワフワ生地が特徴。今年は、秋の味覚をてんこ盛りで進化させた「モンブランバーガー」が登場しています。
日本の伝統的ワンハンドスイーツ「どら焼き」を、大人の女性が楽しむスイーツにと、和栗とラム酒を組み合わせた和栗ペーストを詰め込み、マロングラッセをのせた贅沢な一品。小麦胚芽の香ばしさと、ラム酒が香る栗ペーストは、ちょっとクセになりますよ。

早稲田・和菓子~nanarica~七里香の日持ち菓子
早稲田・和菓子~nanarica~七里香の日持ち菓子

【早稲田 和菓子~nanarica~七里香】

2017 年、東京・早稲田で創業。既成概念に捕らわれない和菓子作りに取り組み、店舗併設の工房で作られる「七里香餅」を始め、豆大福など朝生菓子を主力に揃えています。

商品開発責任者の中川喜博さんは、国際線ファーストクラスの上生菓子から、老舗和菓子メーカー・コンビニの和菓子開発に幅広く携わってきた職人。ライフワークで、和菓子文化の表現の一つである飾り菓子の新しい形 『羊羹アート (Instagram なかよし和菓子) 』 の発信も、行っています。

七里香餅と並ぶ看板商品の「豆大福」の中は、こし餡

開店当初〝東京の豆大福は粒あんでしょう″と、賛否両論あったところ「この赤えんどう と、餅の旨さを引き立てるのは、こし餡だ」と貫いたそうです。

私が七里香さんと出会ったのは約4年前、一番最初に食べたのは豆大福でした。糖度の低い美味しいこし餡の豆大福に感動し「出会って良かったのだろうか?近所に住んでいたら、きっと毎日通って食べ過ぎてしまう」と思ったのを覚えています。

早稲田・和菓子~nanarica~七里香 さんの職人 中川さんと、代表の石川さん
早稲田・和菓子~nanarica~七里香 さんの職人 中川さんと、代表の石川さん

代表の石川希さんは、会社員時代に販売セールス全国一位など販売力を磨いてきた、若い女性。中川さんとは家族ぐるみのお付き合いが長く、中川さんの作る独創的な和菓子の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい!と、代表としてお店を営んでいます。

店名は、創業の思いを花言葉に

店名の「七里香」には、花の香りが七里先・千里先まで届くと言われる「沈丁花」の花に由来しています。「七里香の和菓子が遠くまで届くように」と、独創的な和菓子をたくさんの人に届けるという、創業の思いを込めたもの。

和菓子屋さんの店主が若い女性というのも、まだまだ珍しい様にも思いますが、早稲田という土地柄は学生も多く、次世代を担う若い世代からも親しまれ、街に溶け込む店主の人柄は、七里香さんの魅力の一つと思う、和菓子ソムリエ赤坂美附です。

早稲田 ・和菓子~nanarica~七里香の店内
早稲田 ・和菓子~nanarica~七里香の店内

七里香さんの店内には、ちょっと休憩できるカフェスペースもあります。
秋空の下、東京散歩の一休みにどうぞ。

【紹介商品】
●七里香餅 税込270円
●モンブランバーガー 税込 648円

【早稲田 ・和菓子~nanarica~七里香 】

◎住所:東京都新宿区早稲田鶴巻町111 ワセダ 福田マンション 1階
・東京町111メトロ東西線「早稲田」駅 1番出口から徒歩4分
・都営バス白61「榎町特別出張所前」徒歩5分

◎営業時間:10:00-18:00  ◎定休日:水曜日
◎ TEL: 03-6233-8477
◎WEBサイト: https://nanarica.shopinfo.jp/
◎Instagram:https://www.instagram.com/nanarica77/

和菓子ソムリエ

北海道・札幌生まれ、東京在住。無類のあんことお餅好き。コロナ禍で和菓子離れが囁かれたことがキッカケで、和菓子のおやつ喚起「テレワークは3時に和菓子を」をテーマに、和菓子の紹介や和菓子屋さんの創業史をinstagram・音声メディアVoicy ・twitterから発信しています。本業はセールスプランナー・講師。

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