僕はスマホでじさまはガラケー…米世代間デジタルギャップを探る
インターネットの普及が本格化した2004年から2005年以降、ネット関連の商品はめまぐるしい勢いで進歩発展し、世代交代を果たしている。広大なネットの世界を活用でき、相手にビジネスを展開できるのなら、誰もが飛び付くのは必至。競争は進化を加速させ、互いの商品やサービスの融合、併用により、ますます進歩発展が成されていく。
一方、その流れに追いつけない人、あえて追いつかない人も当然出てきて、ギャップが生じることになる。特に新しい物好きな若年層と、既存のサービス・仕組みに固執しがちなシニア層との間に生じる世代間ギャップは大きなものがある。アメリカにおけるそのギャップの現状について、同国の大手民間調査機関ギャラップ社が2014年1月に発表したレポート「Americans' Tech Tastes Change With Times」を元に確認をしていく。
まずはシニア層(65歳以上)に限ったデジタル系商品の所有・利用性向。例えばCATVは74%なので、アメリカのシニア層では3/4ほどがCATVによるテレビ視聴を楽しんでいる計算になる。
CATVやVCR(Video Cassette Recorder。カセットを使うタイプの映像記録装置)、DVD・ブルーレイプレイヤーなどのテレビ視聴系、あるいは一方向性の映像装置はいずれも高め。また、現在世代交代中のデジタル機器、例えば一般携帯電話(ガラケー、フィーチャーフォン)とスマートフォンでは、旧来タイプの機器の方が所有率が高い。一方でタブレット機や電子書籍端末、iPodなどのMP3プレイヤーの所有率は低めとなっている。
このグラフに、同じような設定による若年層(18-29歳)に対する調査結果を合わせ、さらに「若年層が高い物」「シニア層が高い物」の特徴が出ているものを区分したのが次のグラフ。
若年層の所有率が高いのはスマートフォン、ゲーム機、ネットストリーミングサービス、MP3プレイヤー、ノートパソコン。シニア層は衛星放送、CATV、デスクトップパソコン、VCR、一般携帯電話。大よそは複数で代替しうるもの、世代交代のさなかにあるもので、旧来機でシニア層、新世代機で若年層が高い値を示している。
デジタル機器に限らず、物品・道具の世代交代が起きる場合、旧来のものに使い慣れたシニア層が古いタイプのものを使い続け、若年層が新しいものを手に取り使いこなし、その状況が経過するに連れ、それぞれの世代で異なる普及率を示すことになる。デジタル機器では多数の商品で同時に、しかもスピーディに世代交代が起きているようだ。
今後時間の流れと共に、若年層も歳を取り、シニア層の仲間入りをすることになる。身体の衰えや趣味趣向の変化に伴う変化はありえるが、多くの事例ではそのままの利用状況が維持されるものと考えられる。少しずつだが確実に、全体としてのデジタル機器の世代交代は進んでいくに違いない。
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