【蕨市】埼玉ポーズ生みの親・鷺谷政明氏が、蕨周辺でどうしても気になっていること。
映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜」にも度々登場する「埼玉ポーズ」。
この「埼玉ポーズ」は、映画のために作り出されたポーズだと思われがちですが、実はそうではありません。
「埼玉ポーズ」を生みだしたのは、埼玉県を中心に企業や自治体などの広告制作・プロモーション事業を請け負うクリエイティブディレクター・鷺谷政明さん(以下、鷺谷さん)。各メディアが埼玉県を特集する度に声がかかる要チェックな埼玉県人です。
鷺谷さんが2018年11月に発売した著書「なぜ埼玉県民だけがディスられても平気なのか? 今こそ、日本中に伝えたい。独自に育まれた埼玉県の常識!」(徳間書店)では、埼玉県にある全市町村を取材しています。
そんな鷺谷さんに、蕨市に対して持っているイメージや今注目していることについて話を聞いてみました。
鷺谷政明さんインタビュー!
ー鷺谷さんは、蕨市にはどんなイメージを持っていますか?
鷺谷さん:蕨市といえば、やっぱり「日本一面積が小さい市」ですよね。
そして「日本一人口密度が高い市」。この2つはメディアでもよく取り上げられているし、私は勝手に「埼玉のバチカン市国」と呼んでいます。
それに蕨って歴史がある町ですよね。
江戸時代は宿場町として栄えていたし、現在、全国で行われている「成人式」の原型となる「成年式発祥の地」だったり。
埼玉屈指の難読地名である「蕨」という漢字を逆手にとった「蕨書き順Tシャツ」は面白いアイデアだと思いました。
最近だと、5月に行われた「タイヤファイト」も面白かったです!
タイヤに片足をつっこむ「世界一相手との距離が近い格闘技」を「日本一面積の小さい市」で開催するって、どれだけ狭いことにこだわっているんだって(笑)
蕨周辺で今、一番気になっていること!
ー「女子サッカーを応援するまち」や「訪れたいアニメ聖地」など、最近の蕨市はこれまでになかったシティプロモーションも注目を集めています。鷺谷さんが最近の蕨で気になっていることはありますか?
鷺谷さん:新しいシティプロモーションといえば、個人的に蕨周辺ですごく気になっていることがあるんですよ。
日本に住んでいる中東の方々の約半数が蕨市とか川口市に集中しているっていわれているし、蕨周辺にはクルド人の方が多く生活しているじゃないですか。
私、「ドネルケバブ」が大好きで、昔からよく食べているんですが、これだけ多くの現地の方が生活しているエリアで、一番美味しいケバブ屋さんはどこなんだろう?
現地の方が本当に美味しいって思うドネルケバブは、どこへ行けば食べられるんだろう?
これがすごく気になっているんですよ!
移民問題って、ネガティブな報道が多いじゃないですか。
2023年7月にはこのあたりでクルド人同士の争いがニュースになったし、移民を受け入れている地域では周辺の住民とトラブルが起きているって情報は報道されているレベルで知っています。その報道により、クルド人の方や移民についてネガティブな感情を持っている方もいることは理解できます。
でも、その情報って切り取られた一部に過ぎないと思っているんです。良いことも悪いこともね。
蕨周辺に住んでいる友人もいますが、報道で見聞きするもの以外の具体的なトラブルは知らないと言っていました。
そもそも移民すべてが悪人なんてことあるわけないですよね。ほとんどの方は、地域と馴染んで生活したいと思っているはずですよ。
だったら少しでもポジティブに変換してみるのもいいのかなと思っていて、それが私にとっては「ドネルケバブ」だった。
美味しいものってみんな好きでしょ?
本場の方々が認める味がどんなものなのか気にならないですか?
蕨市周辺で一番美味しいケバブ屋さん、本場の方が認めるケバブ屋さん、少なくとも私は興味津々です!
ケバブが蕨の新たな名物になる日がくるのか!?
思わぬ方向へ進んだ鷺谷政明さんへのインタビュー。
確かに各国料理を提供するお店が、「本場の味」や「現地の人気レストラン〇〇で修行」をアピールポイントにしている例はよくあります。
「ケバブ」の本場から蕨周辺へ移住してきた方々が、「本当に美味しい」と評するお店。そういわれてみると興味あるなという方は多いのではないでしょうか?
「日本一面積の狭い市」、「埼玉屈指の難読漢字」という蕨市の特徴を逆手にとって上手にPRしてきた蕨市だけに、「ケバブ」を蕨の新名物としたPRが行われる日がやってくるかもしれません。
【鷺谷政明プロフィール】
鷺谷政明(さぎたに まさあき)
1979年12月生まれ。埼玉県上尾市出身。
主に埼玉県内の企業や自治体の広告・プロモーションを請け負うフリーランスのクリエイティブ・ディレクター。「天下茶夜」主宰。
「第49回 宣伝会議賞」にて協賛企業賞受賞。
2015年3月頃より「埼玉ポーズ仕掛け人」として、テレビや雑誌など数多くのメディアに出演。