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幻の人気連載が本になって復活! 小宮山雄飛&辛酸なめ子がたどり着いた“開運”とは

秋吉健太編集者

【小宮山雄飛&辛酸なめ子 対談】

2021年春にその幕を閉じた『Yahoo!ライフマガジン』でホフディラン・小宮山雄飛さんと、辛酸なめ子さんの2人が”開運”をテーマにさまざまなスポットを体験レポートしていた人気連載『雄飛・なめ子の噂の開運ツアー』がことし9月に本になって復活。それを記念して小宮山雄飛さん、辛酸なめ子さんの2人に話を聞いた。

2016〜2020年まで4年間続いていた連載では、2人はトータル48か所の開運スポットを巡り、今回発売された本の中ではそのうち12か所を紹介している。

小宮山雄飛さんと辛酸なめ子さんの2人が訪ねた、全12の開運スポットを掲載した『雄飛・なめ子の噂の開運ツアー』は扶桑社より発行
小宮山雄飛さんと辛酸なめ子さんの2人が訪ねた、全12の開運スポットを掲載した『雄飛・なめ子の噂の開運ツアー』は扶桑社より発行

連載終了から本になって復活

辛酸なめ子(以下:なめ子さん)「『いつかは本になるといいな』と思っていた連載だったんですけど、いま世の中的に不安要素が多いので、タイミング的にもこの本が出るのはちょうどいいのかな思っています」

小宮山雄飛(以下:小宮山さん)「連載では『開運開運』ってずっと言っておいて、最後は連載をしていた『Yahoo!ライフマガジン』はなくなっちゃって、いったい何の開運だったのかって感じなんですけれど」

なめ子さん「(笑)」

雄飛さん「でもそれから時を経て、こうやって本として復活したっていうのは感慨深いですね」

『Yahoo!ライフマガジン』で4年間連載していた『雄飛・なめ子の噂の開運ツアー』は小宮山雄飛さん(左)が原稿、辛酸なめ子さんが絵とそれに添える文字で開運スポットの様子を紹介していた
『Yahoo!ライフマガジン』で4年間連載していた『雄飛・なめ子の噂の開運ツアー』は小宮山雄飛さん(左)が原稿、辛酸なめ子さんが絵とそれに添える文字で開運スポットの様子を紹介していた

連載一回目『宇宙村』で出身幼稚園について訊ねられる

今回の対談では、連載で訪れた48の開運スポットの中から2人にとって特に思い出深いエピソードをいくつか教えていただいた。

雄飛さん「先日、ちょうどこちらの目の前を通って写真を撮ろうと思ったんですけど」

なめ子さん「『宇宙村』ですか?」

雄飛さん「宇宙村の村長、お元気なんですかね。自分のこと宇宙人と言ってましたよね」

なめ子さん「オリオン星人ですよね。いまも全然お元気じゃないですかね

連載第一回の取材で訪れた『宇宙村』の村長、景山八郎さんと一緒に
連載第一回の取材で訪れた『宇宙村』の村長、景山八郎さんと一緒に

2人が連載第一回で訪れたのは、新宿にある『宇宙村』。取材中、宇宙村の村長に何度も『あんたどこの幼稚園だよ?』と聞かれていた小宮山さん。

なめ子さん「小宮山さんは松濤幼稚園ですよね」

雄飛さん「幼稚園の世界ではけっこういい幼稚園なんですけど、宇宙村の村長からは『あんたなんでそんなとこ行ったんだ』と言われてましたね」

なめ子さん「宇宙の価値観においては、人間界でけっこういい幼稚園でも知られてないってことですよね」

雄飛さん「そういうことですよね」

なめ子さん「連載の一回目があそこだったので、最初からハードルを上げすぎてしまいましたよね」

雄飛さん「(笑)」

なめ子さん「宇宙村の村長のインパクト、店内にある隕石による開運の面においてもなんだかすごくて。店内は物がたくさん展示されているんですが、東日本震災のときも棚から物が落ちなかったと言われてましたよね」

雄飛さん「あ、そうでしたっけ。こちらには芸能人がたくさん来てるんですよね」

なめ子さん「芸能人って、人知れず隕石に頼っていらっしゃる」

取材当日、『宇宙村』には何度も電話がかかってきて、村長はいろんな人の相談にのっていた。

雄飛さん「何か億単位のすごい額の隕石が店内に置いてありましたね。『じゃあ、いくらのやつを送っておくから』と電話1本で」

辛酸なめ子さんの描いた『宇宙村』での様子。本では全12スポット紹介している
辛酸なめ子さんの描いた『宇宙村』での様子。本では全12スポット紹介している

なめ子さんが見つけてきた開運スポットを2人で体験

連載では主に関東エリアにある『開運スポット』を小宮山雄飛さん、辛酸なめ子さんが体験レポート。毎回スポットを選んだのはなめ子さんだ。

雄飛さん「基本はなめ子さんがおすすめだったり、新しく見つけられた開運スポットに2人で一緒に行くというスタイル。僕はもともと全くこっち系を知らなかったんで、僕が冷静な立場から突っ込むっていうような関係性でやらせていただいてましたね」

なめ子さん「その冷静な小宮山さんが、実は取材の後にいろんな教室やサロンに行ったり、再度通ったりとかしてるんですよね」

雄飛さん「やっぱり僕の方が免疫がない分、ウブだったり影響を受けやすかったんじゃないですかね」

なめ子さん「ピュアだったんですね」

小宮山雄飛/1996年ホフディランの Vo&Key としてデビュー。音楽活動以外にもラジオ・テレビ・ 雑誌など活躍の場を広げ、多方面で活躍中。カルチャー・流行面で同世代へ大きな影響力を持つ一人
小宮山雄飛/1996年ホフディランの Vo&Key としてデビュー。音楽活動以外にもラジオ・テレビ・ 雑誌など活躍の場を広げ、多方面で活躍中。カルチャー・流行面で同世代へ大きな影響力を持つ一人

雄飛さん「今回の本には入ってないんですが、『開運ヨガ』を取材で体験したあと、そのヨガにしばらく通ったり。この本で紹介しているスポットとしては『リワインドセラピー』も取材の後日に行きましたよ。行ったら夕食をご馳走になったり」

なめ子さん「家でやってるからですか? アットホームなんですね」

雄飛さん「連載中はなめ子さんから自然と毎月開運スポットが出てくるものだと思ってましたが、こうやって本になって見ると、よくこんなに“開運”というキーワードでいろんな人やスポットを見つけられたなと」

なめ子さん「開運スポットは友達から聞いたり、どこかで見かけたりしたものの中から毎回記憶を総動員して選んでました」

辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。開運、精神世界、セレブ、芸能人などを鋭い独自の視点で紹介。近著に『愛すべき音大生の生態』(PHP)、『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)など著書多数
辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。開運、精神世界、セレブ、芸能人などを鋭い独自の視点で紹介。近著に『愛すべき音大生の生態』(PHP)、『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)など著書多数

本では関東エリアにある12か所の開運スポットが紹介されているが、そこで繰り広げられる開運スポットのオーナーやスタッフたちとのやりとりにも注目して欲しい。

なめ子さん「やっぱりキャラを極めていらっしゃる方が多いですよね。この本には載せられなかったたこ焼き屋のご主人とか、『スマホ風水』の女性とか」

雄飛さん「実はスマホ風水の藤川さんとはいまも連絡とってます。『誕生日おめでとうございます』とご連絡いただいたりして」

連載1周年では金運を求めて西伊豆の『土肥金山』へ
連載1周年では金運を求めて西伊豆の『土肥金山』へ

アメリカで有名なUFOスポットでの出来事

雄飛さん「あとほら誰だっけ、宇宙人を呼べるという…」

なめ子さん「グレゴリーさん? そうだ、小宮山さんはグレゴリーさんとアメリカで会ったりもしたんですよね」

雄飛さん「これも本には載ってないスポットなんですけど、この連載の取材でお会いした『宇宙人を呼べる』っていうグレゴリーさんに、『今度、アメリカのポートランドに行く』と連絡したら、彼も同じタイミングでポートランドにいるから『じゃあ現地で会おう』って言って会ったんですよ」

なめ子さん「すごいタイミングですよね」

雄飛さん「ポートランドで合流する際、近くに『UFOを見られる』という地元で有名な場所があったんですよ。なので、『アメリカでUFOを見せてくれ』って期待して行ったんですけど。そしたらグレゴリーさんは『いや、今日は音楽やってる日だから、UFOはいいから一緒に飲みに行こう』って言うんですよ」

なめ子さん「(笑)」

雄飛さん「『UFOよりもここはクラフトビールが有名だから、一緒にビール飲もう』とか言うわけなんですよ」

なめ子さん「(爆笑)でも、そういう人間関係の楽しさも開運したということなんですね」

雄飛さん「そうですね」

4年間、開運を求めてさまざまな体験をした2人
4年間、開運を求めてさまざまな体験をした2人

本人が信じる道を極めている人々との出会い

どちらかというと科学的なことに興味があり、『スピリチュアルとか、霊とかそういうものは全く信じない人だった」という小宮山さん。

雄飛さん「『信じる』『信じない』、いろんな違いはあれど、取材で訪れたスポットのご主人たちが楽しんでやってるというのが伝わってくるのは気持ちがよかったです」

なめ子さん「みなさん極めてますよね、本人たちが信じる道を。ブレない生き方をしているというか」

雄飛さん「微妙にブレてる人いましたけどね。『自分のキャラがまだ定まっていない』って言って悩んでましたね」

なめ子さん「ああ、小宮山さんの大ファンで、手作りケーキに想いを込めようとしていたのに、当日オーブンに火を入れるのを忘れていた方」

雄飛さん「アップルパイですね。調理してオーブンに入れていたのに残念ながら火がついてなかったという」

(一同爆笑)

雄飛さん「それで担当編集者に『まだキャラが決まってなくてどうしたらいいか』としきりに相談してましたね」

取材で訪れた開運スポットの話でいつまでも話が尽きない2人
取材で訪れた開運スポットの話でいつまでも話が尽きない2人

ミュージシャン・小宮山雄飛に助言した占い師

雄飛さん「あと、この人も面白かったですけどね」

なめ子さん「トルコから来た占い師『ヴァッシーアット89』のオルサー・ラマザンさん。この方はちょっと厳しさもありながら、的確なこともおっしゃる方でしたね。しかもいろんな予知をされたんですよね。『もっと内容を深めないと、この連載は終わるよ』みたいなこと」

雄飛さん「それは当たってますね(笑)」

高田馬場にある『ヴァッシーアット89』のオルサー・ラマザンさん
高田馬場にある『ヴァッシーアット89』のオルサー・ラマザンさん

雄飛さん「ラマザンさん、僕には『あなたは喉で歌っている感じだから、お腹から歌った方がいいと思う』と言われたんですよ」

なめ子さん「ええ! そんなことまでわかるんですね(驚)」

雄飛さん「それで、『なんで会っただけなのに、そんなことまでわかるんですか?』と尋ねたら『YouTubeで歌ってるところを見ました』と言ってました」

なめ子さん「(笑)」

雄飛さん「そういうものまでちゃんと駆使されているという方でしたね」

4年間の連載で48か所の開運スポットを巡った2人。果たしてその効果は?
4年間の連載で48か所の開運スポットを巡った2人。果たしてその効果は?

4年間で48か所の開運スポットを訪ね歩いた2人。実際に開運したのだろうか。

雄飛さん「したって言うしかないでしょ(笑)」

なめ子さん「あ、でも小宮山さんは以前『こんなに仕事増えました』って連載の中で紹介してましたよね」

雄飛さん「思えば、ことし9月に5年ぶりに『Island CD』というホフディランの新しいアルバムが出るんですけど、ちょうど同じタイミングにこの本が出るとなると、やっぱり何か運を呼んでいるのはあるかもですね」

スマホ風水の取材で学んだことを実践中

小宮山さんは、この連載で学んだことをいまも実践している。

なめ子さん「小宮山さん、スマートフォンに登録しているお名前をいろいろ工夫されてますよね」

雄飛さん「『スマホ風水』の取材で教えていただいて以来、ずっとやってますよ。例えばなめ子さんだったら『僕にいつも最高の出会いをくれる辛酸なめ子』という名前でスマホに登録しています」

なめ子さん「そうなんですね」

雄飛さん「なめ子さんから電話やLINEで連絡があると、スマホの画面この文字が表示されるので『自分にとってそういう人から電話がかかってきている』という風に思うわけです」

小宮山さんのスマートフォン
小宮山さんのスマートフォン

「運気みたいなものは確実にあると思う」

雄飛さん「開運って、いい意味での自分の思い込みじゃないですか。この連載でいろんな方にお会いして、ポジティブに物事をとらえることを学んだ気がしましたね。気の持ちようみたいなものに、いい意味で気づきを得ました」

なめ子さん「小宮山さんの場合はもしかしたらポテンシャルが高い、先祖の徳みたいなものがあって、そういう意味でも開花しやすかったのかもしれないですね」

雄飛さん「そうですかね(笑)」

なめ子さん「ポジティブさ、普段から徳を積む、欲望に溺れないということが大事ですね。お金とか異性とかの問題で失脚している人いるじゃないですか。一時的に良くなっても、そういう方向に行かないという自制心が必要かと。連載で訪れた開運スポットのみなさんは真面目なストイックな方が多かったですよね。煩悩まみれな人がいなかった気がしますね」

雄飛さん「運気みたいなものは、確実にあると思うんですよ。この連載で48か所いろんな場所行ってみてなんとなく見えてくる、みんなやり方は違うんですけれども、なんらかの形で掴もうとするのはあるなと思いましたね」

出来上がった本を手に
出来上がった本を手に

「読んでポジティブになってもらえる本」

小宮山雄飛さんが文章を書き、辛酸なめ子さんがイラストを担当しているこの本『雄飛・なめ子の噂の開通ツアー』は扶桑社より現在発売中。

雄飛さん「僕はこういう世界を知らずに行ったんですね。読み物として『こんな世界もあるんだ』と楽しんでもらえればと思います」

なめ子さん「読んでポジティブになってもらえる本だと思うので、手にとって読んでいただければ。紹介している場所は気軽に体験できる場所なので、行ってみてください」

雄飛さん「いまコロナ禍というご時世なので、海外にもなかなか行けないですよね。この本で紹介している開運スポットなら、近場で何かちょっと全然違うものを味わえる。プチ旅行に行くような感覚で行くといいですよ。スポットのみなさんの主張も違いますから。例えば恵比寿にある『予言をするカフェ』とかなかなか変わってるじゃないですか。開運って、本気じゃなく楽しめるのがいいと思うんです。ラーメンの食べ歩きくらいの感覚で」

なめ子さん「この本でご紹介させていただいた場所は気軽に現実逃避というか、リセットしてもらえる場所ばかりだと思うんですね」

雄飛さん「開運って、本人が思えば開運ですからね。我々が実際に体験したスポットの中から興味を持った場所に気軽に行っていただければと思います」

絶賛発売中!
『雄飛・なめ子の噂の開通ツアー』
扶桑社ムック
1210円(税込)


『宇宙村』
東京都新宿区四谷4-28-20

『ヴァッシーアット89』
東京都新宿区高田馬場2-14-2新陽ビル908

編集者

編集者としてのキャリアは出版、web合わせて約30年。雑誌「東京ウォーカー」「九州ウォーカー」、webメディア「Yahoo!ライフマガジン」など雑誌・webメディアの編集長を歴任。街ネタやおすすめの新スポットなどユーザーニーズを意識した情報を、それらの合わせ持つストーリーと共にお届けします。

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