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子どもに自信を持ってもらうには?幼児教育講師がおすすめする子どもの自信の育み方9選!

子育て勉強会TERU幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

幼児教育講師のTERUです。

日々の子育て本当にお疲れ様です!

今日は前回に引き続き『自己効力感』というテーマでお話しします。

前回の記事では自己効力感とは何か?や育むメリットについてお話し、自己効力感を高めるための要因として次の4つをお伝えしました。

  1. 達成経験
  2. 社会的説得
  3. 代理体験
  4. 生理的感情的状態

今回はその4つの要因を元に【子どもの自己効力感を育てる方法】を具体的に紹介していきます!

1.過去のポジティブな出来事を記録する(達成経験)

日常の中で親が感じた

  • 子どもの良いところ
  • 成功体験
  • 頑張ったこと

などを記録していってあげましょう。

それを時折振り返ることで、子どもは自分の達成体験を視覚的に感じていくことができ、それが増えていくことで自己効力感の向上につながります。

お子さんが小学校中学年くらいからは、自分でも1日の中であった頑張れたことや成功体験を書き出していくとなお良いですね。

親が気づいたことと自分で気づいたことでさらに自己効力感に良い影響を与えることができます。

2.たくさん写真を撮る(達成経験)

大阪教育大学で行われた354名の学生を対象にした調査の結果、

  • よく写真を撮ってもらった
  • 現在、写真を撮られることが好き

と回答した学生は自己効力感が高い傾向にあることがわかったそうです。

たくさんの思い出が残っていることで成功体験が振り返りやすいことや、「あなたのことをちゃんと見守っているよ」というメッセージを多く受け取ってきたことも自己効力感に良い影響を与えたのではないかと考えられています。

3.テストなどの答案を見るときは全体ではなく問題ひとつひとつを見る(達成経験)

お子さんが学校のテストの答案を持ち帰ってきたときに、親がまず確認するのは『点数』だと思います。

その点数が良い場合も悪い場合もあると思いますが、お子さんの自己効力感を育てるためには点数のような全体的な見方ではなく、1つ1つの解答をよく見てあげましょう。

そうすると、日頃お子さんの勉強を見ている中で苦戦していたところが正解できていたり、逆に得意なところが安定していて取れているなどのテスト結果の詳細が見えてくるかと思いますので、そこに対して声をかけてあげましょう。

・「苦労した問題できてるね!」
・「得意なところが安定して正解できてるね!」

というように声をかけてあげることで、「90点すごいじゃん!」「50点か、もっと頑張ろうね!」などと言われるよりも格段に自己効力感の向上に繋がっていきます。

4.自己効力感が高い人を観察する(代理体験)

自分が行動しようとしていることを他の人が上手くおこなっている場面を見たり聞いたりすると自己効力感は高まるといわれます。

特に自分と似た人がそれをできている姿を見ると効果は高いです。

私も子どもたちの集団授業をしてきた経験からいつも思うことなのですが、例えばパズルを1人がものすごいスピードで完成させると、他の子もそれに引っ張られるように素早く完成させてしまうことがあります。

これはまさに『自分と同じくらいの子が早くパズルを完成させた』という姿を見て自己効力感が高まったから起こる現象です。

競争のし過ぎは良くありませんが、人と関わり合いながら色んな人の成功体験に触れるのも大切だということです。

この効果をさらに高めるには、その人が成功した要因を考えたり聞いたりすることです。

例えば、急にサッカーが上手くなった友達に「なぜそれができるようになったのか?」ということを聞くことで、その友達が意識したことや成長につながるヒントを得ることができます。

それを知ることで自分の中で、その友達の成功体験がより具体的に自分の中で現実的なものに変わり、自己効力感の向上につながります。

5.自分が成功した姿を想像する(代理体験)

簡単にいうとイメージトレーニングなのですが、大切なのは

  • 『視覚』
  • 『聴覚』
  • 『身体感覚』

この3つを意識して成功した姿をイメージすることです。

例えば、野球でピッチャーをしている子どもが試合の前の日にイメージトレーニングを行うとしたら次のようなことを意識します。

視覚的イメージ

  • 自分が投げた球を空振りして三振する相手バッターの姿
  • 喜んでスタンドから応援してくれる親の姿
  • 勇気づけてくれる仲間の姿

聴覚的イメージ

  • 周りからの声援
  • 三振やアウトを取ったときの周りからの歓声
  • 審判が「ストライク!バッターアウト!」と言っている声

身体感覚イメージ

  • 三振を取るボールを投げている手の感覚
  • 声援を受けているときの自分の気持ち
  • 三振を取ったときの自分の気持ちや気分

このように、ただ漠然とイメージをするのではなく3つの感覚を意識しながらイメージをすることが大切です。

とはいえ、これは結構子どもには難しいので最初は親が

「三振とったときはどんな気持ちかな?みんななんて声をかけてくれるかな?」

などと質問をしてあげても良いですね。

6.できた時の理由を考える (社会的説得)

親が子どもに対してできる社会的説得からのアプローチの基本は、

  • 結果よりも過程を褒めてあげること
  • 結果よりも努力を認めてあげること
  • 子どもの感情に共感してから親が話し始める

などといったことが大切になってくるのですが、それとプラスして大事なのは

できたときの理由を考えさせる

ということです。

何かを達成できたときに「すごいね!よかったね!おめでとう!」で終わらせるのではなく

・「何でそんなに上手くできたの?」
・「何で良い点数取れたのかな?」

と理由を考えさせていきましょう。

それにより子どもは成功した理由を考える過程で、「自分は能力がある!自分はできる!」ということを自分自身に伝えていくことができます。

7.なりたい自分を書いて“貼る・見る・言う”(社会的説得)

この方法は非常にシンプルで、子どもがなりたいものや目標を書いて壁などに貼っておき、それを時折見てその言葉を繰り返して言うのです。

壁に目標などを貼っているご家庭は多いのではないでしょうか。

正直それだけでも良いのですが、さらに効果を高めるためのポイントがあります。

それは

『肯定的な表現で、未来完了形で書く』

肯定的な表現とは、受験の合格が目標だとしたら「不合格にならない!」なんて書き方はダメだということです。

まぁこんな書き方をする人はいないと思いますが、例えば「人に迷惑をかけない立派な大人になる!」という目標だとどうでしょうか。

最後に「立派な大人になる!」と書いているものの「迷惑をかけない」という否定的な言葉が入っているので、その目標を見ると脳には「迷惑」という言葉が刻まれてしまいます。

そうすると迷惑をかける自分を想像してしまうわけです。

書くのであれば「人の役に立つ立派な大人になる!」という表現が良いですね。

そして、未来完了形とは先ほどの受験でいうと、受験日が決まっているのであれば「〇月〇日〇〇中学合格!」というように、未来のその日にそれが成し遂げられているというような表現で書くということです。

「〇〇中学に合格したい!」といった願望のような表現をするよりも、「そうなっている!」という未来の姿を書くと良いですね。

このポイントに気をつけて目標を作り、それを貼って、時折見たり口に出してその目標を言ってみることで自己効力感の向上に繋がっていきます。

8.健康でいること(生理的感情的状態)

睡眠不足や栄養が偏ったりすることにより体調が悪くなると、それに伴い自己効力感は下がります。

それが一時のことであれば良いのですが、常に睡眠不足が当たり前、体調不良が当たり前であると自己効力感が低い状態も当たり前になり、本質的な自己効力感の低下に繋がってしまいます。

大人も睡眠不足だと何となく自信が無かったり、やる気が起きなかったりしますよね。

ですから、しっかり寝て・しっかり食べて・しっかり運動をするということが自己効力感の向上においても大切だということです。

9.最高の達成経験は親の笑顔

『親の笑顔』

私はこれこそが自己効力感を育てる本質だと思っています。

ここまで自己効力感を育てるなら達成経験が大事で、それを感じられるサポートをしてあげることが大切だとお話ししてきましたが、では子どもにとっての達成経験とは何なのでしょうか。

「テストで100点を取ること?」「習い事の級が上がること?」「できなかったことができるようになること?」

全部正解ですが、全部本質ではありません。

大切なのは『親の笑顔』なのです。

特に小学校低学年くらいまでは、この『親の笑顔』が子どもの自己効力感に与える影響は爆発的です。

例えば、まだ1歳の子どもが積み木を10個積むことができたとします。

これはその子にとってすごいことです。

乗せた後にママの顔を見たらママは普通の表情で眺めています。

これでは子どもにとって何の達成経験にもなりません。

別に子どもは親のために頑張っているわけではありません。

ですが、親の笑顔を求めているのです。

そのときに笑顔で喜んでくれている親の姿が無ければ、どれだけすごいことをやったところで達成経験にならないのです。

  • 子どもが何かできるようになったことを一緒に喜んであげる
  • 子どもが頑張っている姿を微笑んで見守ってあげる
  • 目が合ったらニコッとしてあげる

これだけで子どもの自己効力感はちゃんと育っていきます。

特に幼児期は

『何かを頑張る→親を見る→親の笑顔を感じる』

これが達成経験だと考えてあげてください。

ぜひ、お子さんのために笑顔でたくさんの達成経験を作っていきましょう。

いかがでしたでしょうか?

バンデューラが提唱した4つの要因を軸に自己効力感を育てる方法についてお話ししてきましたが、正直難しいと感じるものもあったと思います。

そう感じた方は、まずはこの9つ目の『親の笑顔』だけでも実践してみていただけると嬉しいです。

皆さんの子育てを応援しています!

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登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より
登録者10万人超のYouTube『子育て勉強会TERU ch』より

幼児教育講師/家庭教育アドバイザー

YouTube登録者11万人超。これまで1,200人を超える子どもの教育に携わらせてもらってきました。幼児教育現場で培った知識を世の親御さんにお届けし、親子共に成長できる子育ての実現を目的として活動しています。現在は、親御さん向けの子育てコミュニティの運営や、子どもの脳と心を育む子ども向け動画作成に力を入れています!

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