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民主党と共産党の選挙協力。

西田亮介社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

民主党と共産党の選挙協力が話題になっている。

民・共党首が会談=志位氏、選挙協力申し入れ(時事通信)- Yahoo!ニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150925-00000108-jij-pol

<来夏参院選>共産と共闘、民主に異論…25日トップ会談(毎日新聞)- Yahoo!ニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150925-00000008-mai-pol

民主党と共産党、そして維新などが競合することで、野党が十分な勢力を獲得できなかったことの反省からくるものだろう。

しかし、共産党は各地で粛々と候補者選定を進めている。

来夏参院選:共産県委、新人・藤本氏擁立へ /秋田- 毎日新聞

http://senkyo.mainichi.jp/news/20150925ddlk05010269000c.html

時事ドットコム:参院沖縄に伊波氏擁立へ=辺野古移設に反対-知事支持派

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015092300305&g=pol

9月前半まで遡れば以下のような記事もある。

来夏参院選:共産・山田氏が出馬表明 「戦争、原発に反対」 /福井- 毎日新聞

http://senkyo.mainichi.jp/news/20150911ddlk18010260000c.html

共産党の参議院のいまの議席数(11議席)を念頭におくと、「選挙協力」によって民主党の現職議員がいない選挙区などを確保できれば、まさに漁夫の利である。民主党の参議院議員がいない秋田などはまさにその代表例といえるだろう。ちなみに民主党の参議院の議席数は59議席である。

その意味では共産党の提案は、自党の選挙戦術の合理性という観点でいえば合理的である。そして、むろんそれはひとつの政治の王道であり、何ら非難されるべきものでもないだろう。しかも「提案」の背後で、地方で粛々と候補者選定を進めているという念の入れようである。

だが共産党にとって合理的な選挙戦術が、必ずしも民主党にとって合理的でないことはいうまでもない。

民主党は、なぜ、どのような理由で共産党と選挙協力を考えているのだろうか。何らかの構想と展望があればまだよいが、なければ目も当てられない。

社会学者/日本大学危機管理学部教授、東京工業大学特任教授

博士(政策・メディア)。専門は社会学。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励Ⅱ)、独立行政法人中小企業基盤整備機構経営支援情報センターリサーチャー、立命館大学大学院特別招聘准教授、東京工業大学准教授等を経て2024年日本大学に着任。『メディアと自民党』『情報武装する政治』『コロナ危機の社会学』『ネット選挙』『無業社会』(工藤啓氏と共著)など著書多数。省庁、地方自治体、業界団体等で広報関係の有識者会議等を構成。偽情報対策や放送政策も詳しい。10年以上各種コメンテーターを務める。

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