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トンプソン ルーク「38歳なぜ頑張れる?」に「ニューフェース」だからと即答。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
泥臭く働く。(写真:アフロ)

 38歳で2017年以来の日本代表復帰を果たしたトンプソン ルークが、6月中旬、合宿地の宮崎で「毎日の練習でレベルアップします」と意気込んだ。

 

 2004年にニュージーランドから来日したトンプソンは2007年に日本代表デビューを果たし、大阪で活動する近鉄に在籍していた2010年に日本国籍を取得。4年に1度のワールドカップへは3大会連続出場中で、2015年のイングランド大会ではロックとしてもうタックルを連発し歴史的3勝を挙げた。

 

 一時は代表引退を表明も、2017年に限定復帰を果たし、2018年6月に妻の後押しを受け本格的なカムバックへ舵を切る。2019年の冬から春にかけては日本代表とリンクするサンウルブズに在籍し、国際リーグのスーパーラグビーで活躍。同年6月から日本代表合宿へ挑んでいた。チームは今秋、ワールドカップ日本大会に挑む。

 今度の共同取材では、「なぜそこまで戦えるのか」などの問いに自らの思いを明かした。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今秋のワールドカップ日本大会へ。

「全部の試合は勝ちたい。チームの目標は、たぶんベストエイト。できたら新しい歴史を作ることだから。でも、それはまだ遠い(意識するのは先の話)。僕がフォーカスするのは、次の練習。31人のメンバーのアナウンスもまだ遠いんだから、毎日の練習にフォーカスするのが大事」

――どうしてそこまで努力できるのか。

「毎回、毎回ベストを出したい。ベストを出さないと自分のレベルを上げられないし、それではチームのレベルも上げられない。ベスト8入りたいのなら、高いレベルの集中と強度(を求めたい)」

――過去の日本代表と比べ、いまの日本代表の優れている点は。

「難しい質問ね。でも、いまは個人個人が自分の仕事をちゃんとする(チーム)。高いフィットネス、いい準備、その細かいひとつひとつのコンビネーションがいい結果を生む」

――逆に、改善点は。

「疲れた時、プレッシャーがかかった時の(プレーの)精度が大事になるね。世界では大きなチームじゃないから、フォワードはセットピースとディフェンスでのフィジカルバトルが大事になる。俺たちの勢いを作りたい。そうすれば相手の勢いが止まる」

――最年長選手としての役割は。

「僕は38歳だけど、このチームではニューフェースでもある。若い方! だから、一番下から毎日の練習でレベルアップします。グラウンドに入ったら、先輩、後輩はなしね。ワンチームだから。僕は自分のフォーカスに集中。レベルアップしたい」

――日本でのプレーしたことで自身はどう変わったか。

「僕は、凄く素晴らしい経験ができている。素晴らしい友達も作った。たくさんいいコーチングを受け、いい選手とも出会ったから、賢いプレーも学んだ。前は『できるだけ速く(動く)』『できるだけ集中』と、ゲームプランはあまり考えなかった。でもいまは、もうちょっと賢いプレーを頑張る。日本は僕の国ね。日本ラグビー界には機会がいっぱいあった。チャンスがあれば、毎回、毎回、頑張ります」

 身長196センチ、体重110キロのタックラーが今度のワールドカップに参加すれば、今度の日本代表で唯一の4大会連続出場者となる。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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