日銀は大規模緩和の維持を決定、意地を張り続けた黒田総裁、残される審議委員はどう説明をしてくるのか
10日の日銀の金融政策決定会合では、金融政策の現状維持を決定した。大半の予想は現状維持であり、予想通りといえば予想通り。しかし、昨年12月のサプライズとなった政策修正があったこともあり、一部には特にイールドカーブコントロールの修正を期待する向きもあった。
すがすがしいまでの全員一致でもあり、仮に4月から政策修正を行った場合、審議委員はどのような説明をしてくるのであろうか。
それとも執行部が政策修正案を出した際には、それに反対するのであろうか。これは次期副総裁となる内田理事も同様である。いずれにしても説明責任も問われかねない。
むろん、今後も現状維持に賛成してくる可能性もないとはいえないが、長期金利コントロールをこのまま続けることそのものに無理がある。
発行される10年国債はすべて日銀が買入れてしまうことになりかねない。債券市場の機能を毀損させるだけでなく、財政ファイナンス状態が続くことになる。
黒田総裁は10年のうち9年は物価も金利もおとなしくしていたのでボロが出なかったが、物価が上昇し、金利に上昇圧力が掛かると、いかに日銀が無理な金融緩和を続けていたのかが顕在化することになる。
それに政策委員が誰ひとり気がつかなかったということは当然ながら考えられないのだが。