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“お客様”じゃない姿に反響?フジテレビ「ボクらの時代」鬼滅の刃声優集合回大好評の訳

小新井涼アニメウォッチャー
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

昨日朝、フジテレビのトーク番組「ボクらの時代」にて、「鬼滅の刃」声優集合回が放送され、大いに話題となりました。

出演されたのは花江夏樹氏、鬼頭明里氏、下野紘氏、松岡禎丞氏の4名。

劇場版が好調なのもあり、最近はこうしてアニメキャストがゲスト出演する番組がますます増えてきましたが、そんな中でも今回は、放送をみた人々の”もっとずっとみていたい!”という反響が特に大きかったのが印象的でした。

その大好評の理由は一体どこにあったのでしょうか。

◆“お客様”じゃない姿の安心感と新鮮さ

一番のポイントとなっていたのは”番組の形態”だと思います。

「ボクらの時代」は、あえて司会者を置かずゲスト達のトークのみで進行するため、今回も、「鬼滅の刃」のオーディション時や各役どころの印象に残ったシーンなど、様々なトピックに沿ったお話が“ゲストのアニメキャスト4人のみで”繰り広げられました。

こうした形態は、実はアニメファンにとってはイベントやラジオなどで見慣れたもので、番組内でも言われていた“飲み会での話のような”キャスト陣のトークややりとりを、みている側もどこかホームのような安心感を持って楽しめていたようです。

一方、これまであまりアニメの話題に触れることがなかった人達にとっては、こうした形態が逆に新鮮だったようで、ボイスサンプルやアフレコ時の挨拶のお話といったディープなところまで踏み込んだ内容も、むしろ興味深く受け入れられていたようでした。

普段、司会者をはじめ、様々な分野の共演者に囲まれた番組では、出演するアニメキャストは、ある意味”アニメ分野からのお客様”のようにもみられるので、アニメが好きな人から詳しくない人にまで伝わるように、作品や声優のお仕事についてお話されることが多いです。

そこでの光景やお話ももちろんそれはそれで興味深く新鮮なのですが、それとはまた別のアプローチとして、”お客様”としてではない当事者4人だけで、「鬼滅の刃」をはじめ、他の作品や声優のお仕事について踏み込んだお話をする番組というのは、アニメファンにとっても「鬼滅の刃」をきっかけにキャストを知った人にとっても、かなり刺激的に映ったのでしょう。

今回特に『30分じゃ足りない』、『もっと話を聞きたい』、『いつまでもみていられる』…といったような熱いリアクションが目立っていたのも、そのためだと思います。

その他にも、各キャストの代表作で紹介された作品のチョイスが絶妙で、朝から様々なキャラをテレビでみることができたことや、応援するキャストがどれだけ幅広い活躍をしているのかが紹介されたことも、ファンにとっては嬉しい演出だったようです。

またそれは、「鬼滅の刃」をきっかけにキャストを知った方々にも、他作品で全く違ったキャラクターを演じている様子から、キャスト繋がりで他の作品もみてみようかな、と興味を持ち始めるきっかけにもなったのではないでしょうか。

そんな「鬼滅の刃」キャスト陣によるトークの続きは、今週末の「ボクらの時代」で放送予定とのことです。

今回見逃してしまった方も、ぜひ来週、他とはまたひと味違ったキャスト陣の姿やお話を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

アニメウォッチャー

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上(再放送、配信含む)の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続しつつ、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。 まんたんウェブやアニメ誌などでコラム連載や番組コメンテーターとして出演する傍ら、アニメ情報の監修で番組制作にも参加し、アニメビジネスのプランナーとしても活動中。

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