アメリカ合衆国の子供達のソーシャルメディアでのフレンド解除やアンフォロー事情をさぐる
ソーシャルメディアは個人ベースでの新聞の刊行とその新聞の定期購買のようなもの。特定の人物の発言を常に追いかけて確認できるようにする行為をフレンド登録やフォローと呼ぶが、当然それを解除するフレンド解除やアンフォローもできる機能も実装されている。それでは新聞の定期購読解除に当たるフレンド解除やアンフォローは、実際にどれほど行われているのか、そしてその理由はいかなるものだろうか。アメリカ合衆国の子供達の実情について、同国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年11月に発表した調査報告書「Teens' Social Media Habits and Experiences」(※)の内容から確認する。
ソーシャルメディアではフレンド登録やフォロー同様に、フレンド解除やアンフォローも自由にできるようになっている。そこでフレンド解除やアンフォローをどれぐらいしているかについて尋ねたところ、しばしばが14%、時々が31%となり、それなりに解除などをしている人の割合は45%という結果となった。
新聞の定期購読と解除同様に、ソーシャルメディア上でフレンド解除やアンフォローをするのは自由であるはずなのだが、元々そのような考え方が無かったり、相手に気まずさを感じるなどから敢えてしていないなどの理由で、54%はその機会がほとんど・まったく無いとしている(対象者の発言を非表示するミュート設定については、今件では尋ねていない)。
ではなぜフレンド解除やアンフォローをしているのか。その理由を複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。最上位についたのは「(発言内容が)騒がしすぎる・大げさすぎる」で78%となった。多分に内容がアグレッシブすぎる、言葉が強すぎる的なニュアンスがあるものと考えられる。
続いて54%の人が「投稿が多すぎる・煩雑すぎる」を理由に挙げている。上位2つは投稿にかかわる問題で、現実の対人関係ならばしゃべりすぎで耳障りを覚える、聞いていて疲れるのと同じだろう。
次いで52%の人は「自分や他の人をいじめた」とある。具体的な内容までは説明が無いものの、いじめを受け、あるいは目撃して気持ちのよいものでは無い。それによる弊害とフォローし続けることで得られるメリットを比較し、弊害の方が大きいと判断したのを理由としている。
今件調査は13~17歳を対象としているが、それでも「政治的考えが違う」とする意見は22%確認できる。政治的対立はすでにこの年齢でも行動に影響を与えていることになる。
報告書では一部の属性別傾向について言及している。具体的には「女性は男性と比べてフレンド解除やアンフォローに積極的。しばしば・時々の割合は男性で35%だが女性は52%」「フレンド解除やアンフォローの理由は男女間でさほど違いは無い。ただし『投稿が多すぎる・煩雑すぎる』については男性が67%で女性は46%となり、男性の方が多い傾向がある」とのことである。
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※Teens' Social Media Habits and Experiences
2018年3月7日から4月10日にかけてアメリカ合衆国に在住する13~17歳の男女に対してインターネット経由および電話による通話で実施されたのもので、有効回答数は743人。国勢調査などの結果に基づきウェイトバックが行われている。なおソーシャルメディアの利用者は720人。
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