ドル円が1年ぶりに東京時間で150円台に
25日のニューヨーク市場でドル円は一時150円32銭と2022年10月以来の水準を付けた。26日の東京市場でもドル円は1年ぶりに150円台を付けてきた。
25日の米債は戻り売りに押され、10年債利回りが4.95%に上昇してきた。日銀は引き続き官邸の意向を受けて、金融政策の転換と受け止められる動きは避けざるを得ないとみられ、日米の金融政策の方向性の違いも意識されたとみられる。
神田財務官は10月4日に財務省で記者団に「一方向に一方的な動きが積み重なって一定期間に非常に大きな動きがあった場合は過度な変動にあたりうる」と語った。
ここにきてのドル円は150円手前でのもみ合う状態が続いており、今回は過度な動きというより、やっと150円台を突破してきた格好となっている。
ドル円の水準が意識されれば、為替介入の可能性もなくはないが、過度な動きではないため、介入の条件には当てはまらないのではなかろうか。
10月3日のニューヨーク市場で、朝方に米長期金利が4.81%と、2007年8月上旬以来の水準に上昇したことから、ドル円は一時150円16銭まで上昇した。ところが、そこから数秒間で147円43銭まで急落していた。
これは介入ではないとの見方も強いが、いずれにしても31日に発表される外国為替平衡操作の実施状況(9月28日~10月27日)で確認できる。
今回に関してはいまのところ、同様の動きは起きていない。
日銀は30、31日の金融政策決定会合でYCCを修正する可能性は出てきており、もし再修正が入れば、日本の長期金利が1%を超えてくる可能性が出てくる。これにより長期金利の金利差が多少なり縮小する可能性はある。これは円安圧力をやや弱めることになるか。
いずれにしてもドル円の150円台ではさらに慎重な動きとなると予想される。