年々早まる「はじめてのインターネット」
子供にいつ頃からネット端末を触れさせるか。過去に類似事象が無く、親自身もそれらの利用には不慣れな場合も多々あることから、まさに手さぐり、頭の痛い話。その現状を総務省の情報通信白書で確認すると、年々早まる傾向があることが分かった。
次に示すのは各情報通信端末を「子供が小学校入学前に利用しはじめた」割合。2014年2月から3月にかけて実施された調査を基にしており、調査対象母集団は小学校1年生から高校3年生を第一子に持つ保護者。例えば携帯電話・PHSは5.3%とあるので、調査対象母集団全体のうち5.3%の子供は、小学校に入学する前にすでに携帯電話などの利用を開始していることになる。なお今件における「利用」は、専用端末を有する「占有」に限らず、必要な時に保護者などから貸し与える事例も含まれる。
昨今では通信機能も必要とする子供向けのソフトが多いことから、ゲーム端末の利用率は高く12.5%。次いでデスクトップパソコン、ノートパソコンが続いているが、いずれも保護者の監視下で利用できることがポイント。子供向けとして提供される事例も増えているスマートフォンは2.0%、タブレット型端末は1.3%と、少なめに見える。
上記グラフは調査対象母集団全体の平均値。これを各子供の現在の年齢=学年別に見ると、興味深い動きが確認できる。もし上記グラフの平均値が本当に平均的な状態を表しているのであれば、現在の子供の学年が違っても、似たような値を示すはず。例えば現在高校3年生の子供でも、小学1年生でも、小学校入学前に利用をし始めた割合に変化は無い、はずだが……
大よそ子供の年齢が幼いほど、高い値が出ている。これは昔よりも今の方が、ネット端末に触らせるタイミングが早まっていることを意味する。例えば携帯電話(ここでは従来型携帯電話を意味する)は現在の高校3年生では小学校前に触った経験を持つ人は1.0%でしかなかったが、現在の小学校1年生では15.8%に達している。スマートフォンの場合における、そもそも論として高校3年生の子供が小学校1年生の時点で市場にほとんど出回っていなかった事例のような「対象端末自身の普及度合い」も多分にあるが、子供の「はじめてのネット端末利用」が年々早まる傾向に違いは無い。
特にこの数年、具体的には現在の小学校4年生から小学校1年生に渡る3年から4年の伸び率が著しい。タブレット型端末やスマートフォン、ノートパソコンのような、機動力の高い端末で動きが顕著であることから、その機動性を活かして幼い頃からこれらの端末に触れさせて、インターネットに慣れさせている状況がうかがえる。
昨今では特に幼少時にタブレット型端末を触れさせる事例が増えている。今後継続的に今件調査が行われれば、来年発表分ではさらにタブレット型端末の動きが大きなものとなるに違いない。
■関連記事: