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FRBは予想通りの0.25%の利上げを決定

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米連邦準備理事会(FRB)は26日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決定した。FRBの利上げは5月以来となる。6月の会合では利上げをスキップしていた。

 政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は5.25~5.5%となった。これは2001年3月以来の高さとなる。また、2022年3月のゼロ金利解除以降、利上げ幅は合計5.25%となった。

 市場では今回の利上げはほぼ織り込み済みとなっていた。注目は9月以降の利上げの有無となっていた(次回のFOMCは9月19、20日の開催となる)。

 パウエル議長は会見で、今後の利上げ方針について「入ってくるデータに応じて会合ごとに決定を下す」と従来通りの姿勢を強調した。データ次第で9月会合で利上げする可能性があるが据え置きを選ぶ可能性もあるとしていた。

 6月にいったん利上げをスキップしたこともあり、9月の利上げもスキップし、10月のFOMCであらためて利上げを検討する可能性が高いとみられる。

 パウエル議長は会見でFRBのスタッフが前回会合まで続けてきた2023年後半からの景気後退の予想を撤回したと明らかにした。つまり、経済のソフトランディングに自信を示した格好となる。

 26日の米国市場はFOMCがほぼ予想通りの内容であったことから、サプライズはなかったことで大きな動きをみせることはなかった。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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