沖縄LINEオープンチャットでわかる避難行動の現状 『ヤフー防災アプリ』での自治体とのサービス融合を
KNNポール神田@沖縄です。
無事です。
2024年4月3日、9時すぎ、沖縄県の名護市からOISTのある恩納村へ向かう車の中で、突然スマートフォンにアラートが現れた。
『ヤフー防災アプリ』の防災タイムラインの表示ではこのように、表示された。
2024年4月3日9時10分
そして、車を一旦、止めて、X.comを開いて見ると…。
2024年4月3日8時58分に、台湾でのM7.5の地震の発生が『特務機関NERV』のポストでわかった。
このアカウント『@UNNERV』のx.comへのポストはどこよりも速い。
■なぜ?NERVのポストはどこよりも速いのか?
その理由は、気象庁からの専用線情報利用と自動ツイートだからだ。テクノロジーを活用すると民間でもテレビ局と同様の情報の速さで知ることができる。テレビ局では、必ず人のチェックが入る分、遅れてしまう。しかし、自動ポストならば1秒で自動送信される。しかも、速報が送信された後でも確認情報が入る。情報は、速さだけでなく信頼性も担保されなければ意味がないからだ。
ゲヒルンの防災情報サービス
https://www.gehirn.co.jp/services/disaster/
このようなことを民間の企業ができてしまうこともIT企業ならではだ。
■台湾の地震で沖縄に津波が届くのは1時間弱しかない!
筆者は、この4月からの常駐オフィスでもある『沖縄科学技術大学院大学(OIST)』の高台へと避難した。
津波警報スピーカーが鳴り響いている恩納村から見える東シナ海を撮影し、X.comへポストした。このように波はなく穏やかだった。
2024年4月3日9時45分 沖縄県恩納村谷茶から海を見下ろす限り、津波の傾向はなくフラットだった。
■台湾の地震で、沖縄に津波が到達するにはたったの30分弱
台湾と沖縄本島との距離は、台湾 (台北)沖縄本島 (那覇)641km だ。津波が来るとしても、それだけの時差があり、その間に避難が可能となる。ちなみに沖縄と東京との距離は1,547kmだから、沖縄からは、台湾のほうが東京よりも2倍以上、近い。
そして、『津波』の到達スピードは水深が深ければ深いほど速くなり、水深が浅ければ浅いほど津波の高さが上がるという性質を持っている。
水深4,000メートルだとジェット機並の時速700kmのスピードなので、台湾からの津波であれば、1時間弱で沖縄に到達することとなる。石垣島だと336kmなので約30分弱しか避難時間がない。
https://www.city.nanao.lg.jp/bosai/kurashi/bosai/chishiki.html
だから、沖縄県民は津波と聞くと、迅速に行動するほうだと思う。しかし、沖縄県民の移動は基本的にクルマだ。
■クルマによる避難行動で巻き起こる避難渋滞をLINEオープンチャットで掌握できた!
アプリやテレビのニュースでは、広範囲の情報収集が可能だ。しかし、実際に沖縄のどこでどんな?という虫の目視点での情報はなかなか届きにくい。また、同じ情報が繰り返し、いますぐ、逃げてください!の連呼のみで、どこへどうやって逃げていいのかがわからない。
そんなときに役立つのが、ローカルな人々の善意で成り立つ情報源だ。
沖縄にはいくつか、そのようなLINEのオープンチャットを活用した災害情報がある。全国の自治体は、LINEのオープンチャットを活用した防災情報網を、今すぐ作るべきだろう。
■LINEオープンチャット『沖縄県見守り情報会』
https://line.me/ti/g2/GOGJOVh7dnvKQ9tOpYA8vi_E-WSJJuCe6lXsvw
2024年4月3日水曜日9時34分
津波からの避難のクルマで渋滞が起きていることが、投稿によってわかる。
津波の高さが3メートルと報じられたからだ。
『車は前にすすみません』『災害時 車で逃げるの逆効果』『糸満西崎公園大渋滞です』と渋滞の写真も投稿される。
そう、現在の情報が、X.comのようにフォローしていなくても、その地域限定のオープンチャットに参加してさえいれば、そのエリアの情報が類推することができる。
2024年4月3日水曜日9時52分
沖縄自動車道(高速道路)の出口が閉鎖されたとの情報。
その後、9時52分より 許田〜那覇間が通行止めとのローカル情報。
これによって、高速道路を使っての避難ができないことがわかる。
普天間向けでは警察官の指示で3車線の通行になったこともわかる。
2024年4月3日 10時9分
ハザードマップなどでも指定されていない米軍の嘉手納基地のゲート1が沖縄県民の避難に向けて開放されたという書き込みも。
『嘉手納基地ゲート1を避難のため県民に開放しています』
米軍基地がこのような対応を取っていることも初めて知った。
LINEオープンチャット【沖縄県見守り情報会】1.4万人参加
https://line.me/ti/g2/GOGJOVh7dnvKQ9tOpYA8vi_E-WSJJuCe6lXsvw
オープンチャット【沖縄県災害情報会】※新設
沖縄県内の台風、冠水、地震、津波、停電などの災害情報をみんなで共有し合います。
https://line.me/ti/g2/84LHecdLraDJ0h-oIiJlOEAGTG9gvk5bFPN0mw
■ヤフー防災速報アプリと地域別防災LINEオープンチャット(OC)のPMI融合を
2024年4月1日より、LINEヤフー株式会社は新体制となった。
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/announcements/001262/
現在、ヤフー防災速報アプリのダウンロード数は、5,000万ダウンロード数を誇る。
そこに、エリア別に分けられた全国自治体が管理するような『LNEオープンチャット』で市民が参加しながらエリアの虫の目でわかる災害情報を融合させていってほしいものだ。LINEであれば高齢者から若年層まで広く利用層をカバーもできる。
むしろ、LINEとヤフー!がPMIのマージを成功できる分野は、ここにあるのではとさえと思う。
沖縄でワークしている『LINEオープンチャット』の機能で、防災アプリはさらに人々の悲しむ出来事を遠ざけることができると思う。
X.comのような安易なリポスト機能がないので、たとえデマ情報があっても拡散しにく構造にもなっている。
そして、同様に良いコミュニテイになれば、デマ情報を排除する動きもある。
ぜひ、社名だけではなく、サービスでの必然的な融合を望みたいものである。