Yahoo!ニュース

シニアはスマートフォンで何をしているのだろうか(2020年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 今やシニアもスマートフォンを常用する時代。具体的に何をしているのだろうか。(写真:アフロ)

かつてはシニア(今件では50~79歳を対象とする)には敬遠されがちだったスマートフォンも、今や確実に普及しつつある。シニアはスマートフォンで何をしているのだろうか。ソニー生命保険が2020年9月に発表した「シニアの生活意識調査2020」(※)の調査結果報告書から確認する。

次に示すのは調査対象母集団においてスマートフォンで日頃から何をしているかを答えてもらったもの。なお今調査対象母集団は報告書ではインターネット経由で回答したと説明されている。インターネットの利用端末については尋ねていないものの、各設問の限りでは全員がスマートフォンを利用しているのが確認できる。

↑ 日頃スマートフォンで行っていること(複数回答、上位陣)(2020年)
↑ 日頃スマートフォンで行っていること(複数回答、上位陣)(2020年)

トップについたのはメール。スマートフォンを利用しているシニアの67.8%は、日頃からメールを使っていることになる。通話がほぼ同率の67.4%を示しているのを見るに、シニアのスマートフォンライフはメールと通話を同じような感覚で使いこなしているように見える。若年層などにとってはすでにメールは時代遅れのコミュニケーションツールで、ソーシャルメディアやメッセージアプリでのやり取りが主流となっているが、シニアの間ではまだまだメールが現役のようだ。

インターネット検索やニュース閲覧はありがちだが、天気予報や地図、電卓、時間確認といった日常生活に密着した道具としての使いこなしをしているのも確認できる。シニアでもスマートフォンを利用している人は、それなりに有効活用をしているようだ。

他方、LINEなどのメッセージアプリは46.3%。おおよそ半分近く。メッセージアプリは基本として対話する相手がいることが利用の前提となるため、子供や孫、知人などとのやり取りをスマートフォンでする機会のある無しが、利用の鍵となりそうだ。メッセージアプリを利用している人に限定して、どのような相手とやり取りをしているかの統計があるとよいのだが。

これを男女別に見たのが次のグラフ。

↑ 日頃スマートフォンで行っていること(複数回答、上位陣、男女別)(2020年)
↑ 日頃スマートフォンで行っていること(複数回答、上位陣、男女別)(2020年)

今設問は複数回答のため、女性の方が回答値が高い事柄が多いということは、それだけ女性の方が多数の機能を日頃から利用していると回答していることになる。つまり女性の方が日頃からスマートフォンで多様なことをしていることになる。地図だけはわずかだが男性の方が上で、これは仕事などで使う人が多いからだと思われる。

男女差を見ると天気予報や電卓、時間確認など日常生活での事柄で男女差が大きい。男性は仕事で使っている・使っていた専用の道具(例えば電卓なら電卓そのもの、時間確認なら腕時計)を使い続けており、スマートフォンを使うまでもないと考えているのかもしれない(天気予報は別だが)。

また、通話やメッセージアプリのようなコミュニケーション系の事柄も男女差が大きい。女性は男性よりもコミュニケーションを好むからだろうか。

■関連記事:

【メールにチャットにソーシャルメディア…小中高校生のコミュニケーションツールの利用状況をグラフ化してみる(最新)】

【シニア層がイメージする「カッコいいシニア」とは?】

※シニアの生活意識調査2020

同調査は2020年8月3~4日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(50代と60代・70代の2区分)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドが生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

不破雷蔵の最近の記事