犬を叱ってはいけない理由とは?叱らないでしつけができる?ドッグトレーナーが解説
「やったらあかんっていうてるやろ!」と犬を叱って、効果はありますか?
こんにちは。
大阪でドッグキャッチしつけ教室を運営していますドッグトレーナーの金倉です。
「犬をどうやって叱ったらいいですか?」というご質問をいただくことがとっても多いので、犬を叱るということについてお話しします。
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ぼくは普段から、愛犬はほめてしつけをしましょう。とお話ししているので、基本的に叱ることはおすすめしていません。ただ、そうはいっても生活の中で、叱る場面っていうのは出てきてしまうものですよね。
正直に言うと、ぼくも一日2回くらいは犬を叱っています。
ほんのちょっとしたことへの注意程度です。
だというのに、犬を叱るのはできればやめてくださいね。という理由についてこれからいくつかお話していきます。
すべてのケースで叱ることを絶対にやめなければいけないというわけではありません。
問題行動の内容だったり、愛犬の性格や飼い主さんの気持ちなどがしっかりあった場合には、叱る方法で向き合う場合もあります。そういう場合については、犬を見せてもらったときにだけ直接お話しさせて頂きますのでそこだけご了承ください。
犬を叱ってはいけない1つ目の理由は、
本気で犬を叱れる人はかなり少ない。
叱ったことで悪いことを直すことができるのは、タイミングと方法を完璧にする必要があります。これは、習って出来ることではなくて、ほとんどの人は上手にできません。
たまに「昔飼っていた犬はテーブルの上のものを食べようとしたときに、一回叱っただけで死ぬまでテーブルの上の物を食べたりしなかった。」というようなとおっしゃる飼い主さんがいらっしゃいますが、それは、その犬の性格と飼い主さんの叱り方・タイミングがばっちりハマったからなんだと思います。
大体の人は、そううまくいかないというのがひとつ目の理由です。
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2つ目は、
叱ることのリスクはとてつもなく大きい。
一つ目の本気で犬を叱ることができる。という問題をクリアーしたとしても、どんなしつけも一発でよくなる!という可能性は無いに等しいので、結局、最低でも何度か本気で犬を叱らなければいけないことになります。
タイミングがうまく合う前に、何度も失敗してしまうとただただ犬を怖がらせるだけになってしまうため、信頼関係を築くのが難しくなってしまうケースが少なくありません。いつ怒られるか。。。と、犬がびくびくするようになってしまう可能性がありますよ。ということですね。
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3つ目は、
叱ってしまうと飼い主さん自身にネガティブな感情が湧いてきやすい。
犬を叱った時、いや~な気持ちになる方はいらっしゃいませんか?さらにイライラしてしまうことはありませんか?叱ったのにいうことを聞いてくれない場合は、さらに気持ちが落ち込むと思います。
うまく叱れる人が少ないので、多くの人はこういう気持ちになってしまうかと思っています。
叱って、行動を改善することはできるのですが、その場合は、問題に対して叱ったすぐ後、正解(望ましい行動)を教えることが必要になるため、本気で叱った後に楽しくほめるという、かなり高度なテクニックが必要になります。
気持ちが沈んでいる時間というのはとってももったいないので、うまくやれないのに叱るのはおすすめできません。
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叱ってはいけない理由を3つお話ししましたが、もし、どうしても叱らなければいけない場合には一応セオリーはあります。
・望ましくない行動をした瞬間に叱る
・叱るときは低い声で。
・短い言葉で強いアクセント
・怒りの感情をぶつけるのではなく、あくまで「叱る」こと。NO!ということを的確に伝える。
・イケナイということを、コマンドとして教えることもできます。
・叱った行動と正しい行動とセットで考える
ただ、このことを頭に叩き込んだとしても、
「低い声低い声。短い言葉。強く」などと叱るタイミングで考えてしまうようではまったく使えませんので、ご注意ください。
YouTubeでは、動画でお話していますのでぜひご覧ください。