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他世帯への贈り物としてのゲームソフトなどの購入傾向をさぐる(2022年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
帰省した孫に贈り物。よくある風景(写真:アフロ)

毎年12月に入ると街の彩りが鮮やかになり、おもちゃ屋やゲームショップでは気合を入れた催しが行われる。この年末商戦の時期では具体的にいつ「他世帯への贈り物として」ゲームやおもちゃが買われているのか。総務省統計局の「家計調査」のデータから検証する。

家計調査では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動きに関する調査も行われている。世の中全体の傾向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方がないので、この二人以上世帯における日々の支出額(=消費額)を基に、「他世帯への」クリスマスプレゼントとしての購入が期待されているゲーム・おもちゃ系の動向を確認する。

対象とする項目は用途分類における「10.3.4 教養娯楽」。これは自世帯向けではなく他世帯に向けた交際費のうち、教養や娯楽に値する商品を意味する。また同様の使われ方をするものとして「10.3.3 被服および履物」も該当し得る(新しい服や靴などが考えられる。ランドセルは該当しない)。

現時点で日次データが取得できるのは2022年9月分まで。そこで1~12月分が取得可能な2021年に関して、日々の支出を確認していく。

まずは「教養娯楽」。

↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(教養娯楽、日次、円)(2021年)
↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(教養娯楽、日次、円)(2021年)

多分にギザギザがキツイグラフとなっているが、これは平日にはあまり支出されず、土日に額が高くなる傾向があるため。平日に贈り物としてのゲームソフトやゲーム機本体、おもちゃを購入する機会は得にくいのだろう。

他世帯への贈り物が物品で行われる状況としては、高齢層世帯からその子供世帯(の孫)に贈ることが想定されるが、おおよそそのような機会が発生しやすいお盆休みとクリスマスから正月の年末年始の時期に高い値を示す傾向が見られる。また年度末、ゴールデンウィークにもそれなりに高い値が出ている。

続いて「被服および履物」。

↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(被服および履物、日次、円)(2021年)
↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(被服および履物、日次、円)(2021年)

こちらも年末年始や年度末、またゴールデンウィークに高い値が出る傾向がある。服や靴はイベント的な場面での贈り物としてよりは、気軽に帰省などで訪問を受けたりするたびに買い与えているのだろうか。6月前半にも高めの値が生じているが、これは梅雨への備えを贈っているのだろうか。

お年玉として現金を渡す事例だけでなく、具体的にゲームなどの物品を贈り物として買い与える事例も十分想定できる。今回の「他世帯への贈り物として」の支出精査は、つまるところその動向を見るためのものではあるが、「被服および履物」「教養娯楽」ともにクリスマスプレゼント、あるいはお年玉として買われていそうではある。

残念ながら自世帯内の子供への贈り物としての動向は家計調査ではかなわないものの、他世帯向けとしては明らかに実品贈与が行われていそうだ。

余談ではあるが直近の年末年始に限った動向を見ると次の通りとなる。

↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(日次、種類別、円)(2021年11月~2022年1月)
↑ 二人以上世帯における他世帯への平均支出額(日次、種類別、円)(2021年11月~2022年1月)

「被服および履物」は2022年の1月も特段傾向だったものは無し。年末から元旦にかけて、さらには1月中旬ぐらいまで、やや高い値が出ているように見える程度か。もしかすると年末年始に関しては、お年玉代わりに買われているのかもしれない(特に2021年12月28日や2022年の元旦)。2021年12月19日はクリスマスプレゼントのためだろう。

他方「教養娯楽」では2021年12月18日と2021年12月30日、2022年1月2日に大きな値が生じる。それぞれクリスマスを間近に控えて(2021年12月18日)、帰省した子供世帯とともにお年玉として購入し(2021年12月30日、2022年1月2日)、買い与えているのだろう。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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