バレンタインデーに向けてチョコはいつ買われているのだろうか、その実情をさぐる(2022年分析版)
2月14日のバレンタインデーに向けてチョコレートの話題には事欠かない昨今。実際にはいつ頃チョコは買われているのか。総務省統計局が定期的に調査を実施し、その結果を公開している「家計調査」の内容から確認する。
「家計調査」では二人以上世帯(原則夫婦世帯)においてのみ、日次の動向に関する調査も行われている。世の中全体の動向を推し量るのには総世帯(単身世帯+二人以上世帯)の値が望ましいのだが、存在しない以上仕方がないので、この二人以上世帯における日々の支出金額から、「チョコレート」、そしてその類似品でありバレンタインデー用のギフトとして購入される「チョコレート菓子」がバレンタインデーに向けてどのように買い進まれていくのかを確認する。
加えて「他の洋生菓子」も調査項目として追加する。これはバレンタインデーはともかく、その翌月のホワイトデーで対象となる種類の菓子が含まれるからである(なお「キャンデー」も単独項目として「家計調査」には用意されているが、バレンタインデー・ホワイトデーともに特異な動きは無かったので、今回は省略する)。それぞれの商品区分は次の通り。
●チョコレート
・原則として、チョコレート生地の重量が60%以上のもの
例…アーモンドチョコレート、麦チョコ
●チョコレート菓子
・原則として、チョコレート生地の重量が40%以上60%未満のもの又は準チョコレート生地が60%以上のもの
●他の洋生菓子
・エクレア シュークリーム
・ワッフル クレープ バームクーヘン
・アップルパイ
・ロールケーキ パウンドケーキ マドレーヌ
・ババロア ムース
・スイートポテト
現時点で日次データが取得できるのは2021年12月分まで。そこで前年度に該当し、バレンタインデー関連の動向を推し量れるように、2020年12月から2021年3月までの日々の支出金額に関して、「チョコレート」「チョコレート菓子」の動向を確認する。
日取りによる影響も少なくないが、「チョコレート」は2021年のバレンタインデーでは前日の2月13日(土曜)の支出金額が最多で、2月11日(木曜・建国記念の日)、2月12日(金曜)が続く。バレンタインデー当日の2月14日(日曜)は80.59円。
2021年はバレンタインデー当日が日曜なのに加え、建国記念の日の祝日が直前に入っていることもあり、「祝日の2月11日にチョコを購入・作成し、前倒しの形で平日の2月12日・金曜に渡す」というパターンが少なからずあったのかもしれない。
また「チョコレート菓子」はバレンタインデーやホワイトデーに関して、イレギュラー的な動きはほとんど無い。バレンタインデーなどはあくまでもチョコレートのイベントであり、チョコレート菓子はほとんど無視されると見てよい。
ホワイトデーといえばキャンデーやマシュマロのような洋菓子がイメージされるが、キャンデーについてはほとんど動きが無いものの、「他の洋生菓子」は明らかにホワイトデーに向けた上昇ぶりを見せ、3月14日には47.99円をつけている。ただし支出金額はバレンタインデーの「チョコレート」にははるかにおよばず。
興味深いのはホワイトデーに当たる3月14日に「チョコレート」の支出金額がそれなりに伸びていること。ホワイトデー用のギフトとしても、チョコレートの類が用いられる事例は少なからずあるようだ。
ちなみにバレンタインデーにおいては、チョコレートだけでなくケーキの類もギフトとして用いられるケースがある。しかし2021年においては明確な支出金額の上昇振りは見られなかった。少々大きいかな、という程度。
12月24日は当然クリスマスイブ、そして3月3日はおそらくひな祭りのためにケーキが買われているものと考えられる。さらに興味深い話だが、バレンタインデーやひな祭りでは見られない現象として、クリスマスイブの翌日、クリスマス当日にも「ケーキ」は高い支出金額を示している。イブではなくてクリスマス当日にケーキを食べようとの動きに加え、イブを過ぎてセールス価格となったケーキを購入するパターンも少なからずあるのかもしれない。
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